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力を奪われる事実よりも、力が湧いてくる仮説を採用する

本当の気持ちを話そうとすると涙が出る、という人がこの世界には一定数いるようです。

かくいう私もその一人。

小さいころから涙もろく、特に自分にとって大事な気持ちを話そうとすると言葉よりも先に涙が出てしまいました。

そのたびに親や先生から「なんで泣いてるの!?言わなきゃわかんないでしょ!」と怒られたり、きょうだいから「また泣いてる、バッカじゃねえの」とからかわれたり、好きだった男の子には「なんで泣くんだよ・・」と軽蔑の眼差しで見られたり、散々な目にあってきました。

自分にとっては涙が出ることは汗が出るのと同じような感覚なのですが、涙を流す=一大事と捉えている人も多いようで、そのたびにギョッとされたりおおごとにされたりするうちに、自然と私は自分の本当の気持ちを誰にも話さなくなりました。

しかし以前、友人Tさんと話をしているとき冗談っぽく「わたしは本当の気持ちは誰にも話さないようにしてるんだ」と話したとき、Tさんはとても悲しそうな顔で「ひとみちゃんが本当の気持ちを話してくれないのは、とてもさびしい」と言われたことがあり、衝撃を受けました。

周りに迷惑を掛けないようにとしてきたことが、自分の大切な人たちをさびしい想いにさせていたことに気づいたのです。

これではいけないと心理学の本やHSPさんのことを解説している動画・WEBサイトで「本当の気持ちを話そうとすると涙が出る」のはなぜ起こるかを調べたのですが、原因はまだ解明されておらず。

本当の気持ちを話したい。しかし話そうとすると想いが溢れて言葉が出なくなる。

今もまだ原因と対策は自分なりにつかめていないのですが、あるとき脳心理学の先生から言われた「なぜか起きてしまう困りごとには、無意識からの大切なメッセージがかくれている」という話がしっくりきました。

赤ちゃんが泣くのは、お腹が空いたから・おむつが濡れて気持ち悪い・寒い暑いなど、生きていく上で伝えたいメッセージがあるときです。
また小さい子がいたずらをしたり、困ったことをするのは親やその周りの人に注目してほしいからとよく言われます。

同じように「涙が出る」「顔が赤くなる」「汗が止まらない」といった自分の手におえない困った現象が起こるのは、自分の97%を占める無意識さんから自分へ、何か大切なことを伝えようとしているときに起こることだそうです。

先日も参加したワークショップのチェックアウト(感想などを参加者が言葉にする時間)で、同じ現象が起きました。

気持ちが溢れて涙があふれて「どうして自分はもっとスムーズに話せないのだろう。なんて無様なんだろう。いっそ私を責めたり笑ってくれる人がいたらいいのに」そんな風に思いました。

でもその場にいる人たちはただ真摯に耳を傾けてくれて、私をそんな風に扱う人は、子どもの頃と違ってもう誰もいませんでした。

わたしは自分責めを中断し「今、わたしには大事なことが起きている」と気持ちを切り替えたところ、感情の嵐が収まったのを感じ、そこから本当の気持ちを話すことができました。

涙があふれてしまうのは強いストレスがかかっているから、繊細だから、心が弱いから。
色んな推測が事実のように巷では言われているように思います。

でも自分にとって力が奪われる言説はすべて無視して「この困った現象にも、きっと何か大切なメッセージがあるはず」と、自分の力が湧いてくるような仮説を採用するようにしていきたいです。私も、頑張ります。






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