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文章講座で、時空を超えて

先週末は小説家・田口ランディさんのクリエイティブ・ライティングという、ひたすら自分のテーマを書き続ける文章講座に行ってきました。

最初のお題は自由だったので私が子どもの頃の、家族の話を書いて提出。
兄と、兄を怒鳴る父と、二人を震えて見ている私の物語を書いた。

ランディさんからは「重いテーマなのにどこかクスッと笑えるユーモアさは、仁美さんが先天的に持っている才によるもの」と褒めて頂いた。

その上で「ここに当然いるはずのお母さんが一切出てこないのが気になる」と指摘される。

「家族・家系の物語では、いなかったことにされている人物が鍵を握っていることが多いです。お母さんをテーマにもう一本書いてみてください」と新たなお題が出たので、記憶にアクセスしながら母のエッセイ、更に母を主人公にした小説も書いた。

当時の母が見たであろう景色を母の視点に入って言葉にしているうちに、若き頃の母とシンクロしているような気持ちになった。シンクロしながら、母を突き放して見る。離れたところから見てはシンクロする。描きながらこれを繰り返す。

なんとか書き上げた最終稿を私が読み上げた後、ランディさんと参加者の方々が自然と拍手してくださり「めっちゃおもろかったわ」と言って下さった。私の中でずっと悪さばかりしていた亡霊が、やっと成仏できたような気がした。

あるプロコーチの方が以前「自分にとって大きなテーマを乗り越えた後、なぜかクライアントさんも、以前より楽に自分のテーマを越えられるようになっている気がする」とおっしゃっていたことがあった。ライターもそうだといいなあ。ちょうど今週末は文章教室を私も主宰する。このタイミングで受講できて、たぶんよかったのだと思う。

物語の力を借りたい方、田口ランディさんの講座おすすめです。ランディさん曰く、自分の中にいる「もの」に語らせて物語にすることで、ものは成仏するらしい。参加者は皆さん文章の猛者揃いでたくさん刺激を受けられて、行ってよかった。私もまた参加します。


最後までお読みくださり、ありがとうございます。書き続けます。