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生命の科学 アーユルヴェーダ① 3つの力で性格占い

 どうしてあの人はせっかちなのかしら? とか、怒りっぽいのかしら? とか、だらしがないのかしら? …などと思うことがありますね。
 インドで5000 年以上の歴史を持つといわれる伝統医学「アーユルヴェーダ」の古典書には、その答えが書かれています。

                            -佐藤眞紀子

プラクリティを知る

 人間は授精の瞬間に、プラクリティと呼ばれる体質や気質が決定されてしまい、それは一生変わらないのです。
 その特徴は、目や髪の毛、爪や皮膚などにあらわれるので、周囲の人たちのプラクリティが読めれば、その人とつきあっていくのが楽になりますから、ストレスも減ります。
 また、自分のプラクリティを知れば、仕事の向き不向きや才能の活かし方がわかりますし、どんな食事をすれば健康になれるのかも、見えてくるのです。
 プラクリティは、体内にある3つの力の組み合わせで表現されます。

自然を動かす3つの力

 古代インド人は、大自然を観察して、そのすべてが3つの力によって動いていることを見抜きました。
 それはまず、太陽の力、つまり熱を与える火の力です。しかし、それを遮るのが雲の力で、雲は雨を降らして地表に冷たさをもたらします。つまり水の力ですね。そして、この雲を動かすのは風の力です。風によって熱は運ばれて雲を生むわけで、風の力はいろいろなものを運び、変化させる働きをします。

 人の身体は小宇宙ですから、大宇宙にあるものは、すべて身体のなかにもあります。太陽のように体温を上げ、熱を生む力のことをピッタ、水のように身体をうるおし、滋養してくれる冷たい力をカパ、そしてこれらを運び、変化を生む風のような力のことをヴァータと言います。
 これら3つはお互いにバランスをとりながら、身体のなかで、さまざまな機能を担当しています。

ピッタ 火の性質

 たとえば、ピッタは火のように燃やす働きをするので、食べたものを消化して、力を生みだす仕事をしています。また、心にも勇気や熱を与えますが、多すぎると怒りを生みます。
 生まれつきピッタが強い人は火のような鋭さを持っているので、頭の回転も鋭く、知的です。また、鋭いということはピッタリしていてムダがないということですので、ムダを嫌い、体型なども中肉中背で顔立ちもピッタリと整っています。肌の色はこんがりと小麦色ですが、髪の毛は熱にやられてしまい、若白髪になったり、禿げてしまうことも多いようです。
 すべてにおいて整っていることを好むので、完璧主義で、プライドが高く、自分のモノサシにあわないことはまったく受け入れません。また、ホクロやそばかすが多いのも特徴です。

カパ 水の性質

 次に、ピッタの反対はカパという水の性質を持った人です。
 粉を入れたボウルに水を注ぐと、粉がまとまるように、水には潤して「結合させる」という力があります。ですから、細胞がバラバラにならないように維持する働きは、カパの役割です。結合の力が強いと、身体にいろいろと結合させてしまうために、太りやすくなります。
 また、知的にもいろいろ集めてしまうので、記憶力はよくなりますが、集めるのが好きなので、ものを捨てることができません。
 水には滑らかさや柔らかさもあるので、身体や心も柔らかく、おだやかな性格です。しかし、結合する力は重さも生んでしまうため、動作や反応がゆっくりしています。

ヴァ―タ 風の性質

 最後にご紹介するヴァータという風の性格を持った人は、風のように動きが素早く、軽さがあります。
 軽いということは、身体のいろいろなところが薄く、小さく、貧弱になりますので、やせていて、おでこや胸なども小さく貧弱です。また、風が吹くと乾燥するように、皮膚や唇などは乾燥していて、シワやひびわれが多いのが特徴です。髪の毛なども風に吹かれた洗濯物のようにゴワゴワとして、硬かったりします。
 心も動きやすいので、すぐに気が変わって不安定なため、熱しやすく冷めやすい性格です。しかし、ひらめきにも富んでいるため、芸術家や独創的なアイデアが必要な仕事に向いています。

 人は誰でも、このヴァータ(風)・ピッタ(火)・カパ(水)という3つの力を持っていますが、生まれつき、どの力が多くなりやすいかが決まっています。それが、その人のプラクリティなのです。

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佐藤眞紀子

Satvik アーユルヴェーダスクール代表
表参道アーユルヴェーダ博物館館長 
ICU 卒業後、ニュースステーションなどの報道番組で活躍。
脈診の名医サラデシュムク博士に師事。スクールでの教育や翻訳、アーユル
ヴェーダ博物館を運営し、普及活動を続けている。

E-mail:info@satvik.jp33

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