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わたしたちのマインドはとても単純かもしれない! モーガン・フィッシャー

ときには人生は複雑でややこしいものだが、自分のマインドが一度には一つのことしか扱えないことがわかれば、起きている日常生活で、その瞬間に自分がすることを選ぶのが簡単になるかもしれない。
                      ―モーガン・フィッシャー

次々と浮かぶ思考を正視する

 最近SNSで人々が、自分が瞑想しようとするとき過剰なマインドを止めるのがいかに難しいか、と言っているコメントをいくつか読んだ。ある女性は座っている自分の頭の周りにたくさんの風船を描いた可愛らしい絵まで描いていて、それぞれの風船には異なる目的や活動が入っていて彼女の気を散らすらしい。

 どれほど長く瞑想してきていようと、気を散らすことが起こることはある。なかにはそれらの気を散らす思考を追い払おうと、マントラやヨガのポーズのようなテクニックを使う人々もいる。それは役に立つかもしれないが、私の個人的な好みは特別なテクニックを使うのではなく、直接その思考を正視することだ。私はそれが静かで落ち着いた状態に到達する最も単純で効果的な方法であることを発見した。

 その絵をシェアしていた女性は、自分はいつもたくさんの思考を抱えていて、まるですべての風船が同時に自分を「襲って」くるようだと言っていた。それでは精神的に参ってしまうかもしれない。まるで何もかもが大変になりすぎて、落ち着ける見込みはない。
 私はただ座って、実際に何が起こっているのかを明確に見ようと決意した……。

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マインドは、一度に一つの思考しかできない

 目を閉じるとたくさんの思考が実際に、非常にすばやくくることに私は気づいた。  
 たとえば、「鼻がムズムズする、花粉症の薬を買わなくちゃ」とか、「今書いているあの曲はいつ終わるんだろう?」とか、「新しいカメラを買いたいが、どれがいいか?」とか、「腹が空いた、お昼は何にしようか?」などと……。思考は疑問の形でやってくるだけでなく、すばやく現れては消滅するイメージとしてもやってくる。カメラ、食事、友だちの顔など……。

 それからさらに綿密に見守るうち、私はあることを理解しはじめた……。
 私たちはたくさんの思考に同時に「襲われる」わけではないのだ。思考はそれぞれ一度に一つしかやってこない。それらは非常にすばやく去来するので、あたかも集団でくるかのように思えるかもしれない。しかし私たちのマインドが一度には一つの思考しか記録できないことを私は理解しはじめた。  
 一つが現れ、それから別の思考が現れ、最初のが消える。それがすばやく交替する。ときには重なることもあるかもしれないが、多くの思考がいっしょにくるということはけっしてない。
 これはかなりいい発見だと私は感じた。マインドは実際、一度に一つの思考しか考えられないのだ。

 「自分が車を運転しているときに友だちに話しかける場合はどうなの? それは同時に二つのことについて考えているんじゃない?」とあなたは言うかもしれない。でもそれは、運転は大部分「マッスルメモリー」によってなされているからだ。
 私たちの手や足は適切な行動を自分で覚えている。それはキーボードプレーヤーとして、手で曲を演奏しているあいだ、自分のマインドはほとんど空っぽになっているという私の日常的な事実だ。

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