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えつこの部屋 すぴんおふ ③黒田コマラ

今回のゲストは、オーラソーマとユニティインスティチュートのティーチャー、および通訳として活躍中の黒田コマラさんです。
インテリジェンスな部分とフレンドリーでお茶目な部分の両方を兼ね備えた魅力的なコマラさん。
これまでの人生で、どのようなことがあって今日のコマラさんがあるのか…
とっても気になっていたところをインタビューしてみました。
Oau マガジンでしか読めないトークを、どうぞお楽しみください。

オープンで信頼と喜びに満ちた、子ども時代の体験

えつこ 長年、ヒーリングやセラピーの世界に関わってこられたと伺っていますが、なにに惹かれたからなのでしょうか?
 そのような世界に興味を持ったきっかけやエピソードがあれば、お聞かせください。

コマラ 私が精神的世界に興味を持ったのは、まだ子どものころだったと思います。
 もちろん子どものころの体験には、精神世界とか物質世界という分離はないので、すべては「ひとつ」として体験する世界です。

 和尚アートユニティのニュースレターでも、昔書かせてもらったことがあるのですが、まだ3、4歳ぐらいのころ、私はお遊戯が大好きで、保育所で習ったお遊戯を、家の裏庭で誰も見ていないのにひとりでよく踊っていたそうです。
 今でもそのときの高揚感、まわりの世界とひとつになった感覚、内側から湧きあがる喜びの感覚を覚えています。それは誰かに見せるための表現ではなく、自分であることの喜びを楽しんでいたのだと思います。
 今から思うと、それは私にとって、身体の感覚として覚えているスピリチュアルな体験だったと言えます。

 こういった子どものころのオープンで、信頼と喜びに満ちた感覚を持った瞬間は、誰にでも思い出としてあるのではないでしょうか。
 ですが、大人になる途上で、そういったハートの軽やかな喜びの感覚のなかで自分が最高に感じられるような瞬間が少なくなり、まわりを気にしたり、人の期待に答えることで好かれようとすることで、自分のなかに分離感を感じはじめ、外に見せている人格が自分だと思うようになっていきます。

内面世界を探求する

 セラピーやヒーリングをはじめて体験したのは、おそらく18歳ぐらいだと思います。自分が意識を向けている外側の世界だけではなく、内面の世界を探求することがそのころにはじまったと言えます。
 小中学生のころの私は文学少女で、人間の内面の世界を、文学を通して楽しんでいたのですが、今度は自分の人生という舞台を使って、セラピーやヒーリングを体験してみると、自分が感じているさびしさが、子どものころの経験が基盤にあることがわかりました。
 そして、子どものころには受け入れられなかった感情を感じてみることで解放され、とても軽くなって癒されるだけでなく、自分やまわりの人のことがもっと理解できるようにもなりました。
 過去からのとらわれた思いや感情を手放すことで、自分にはもう必要のない重荷をおろして、子どものころに体験した分離感のない、最高に輝く自分の感覚を思いだす旅がはじまったのです。

えつこ 「内側の探求ほど楽しいことはない」とお話されているのを聞いたことがありますが、探究する楽しみがそのころにはじまったわけですね?

コマラ 「自分を知る」ことが、楽しくなったということですかね。
 誰もがどこかで「自分って誰だろう」「自分をもっと知りたい」と、漠然と感じていませんか? でも、そんなことを口に出したら、変に思われるかも…と思っているかもし
れませんね。
 占いが流行るのも、「自分が誰か」を知りたいということの延長だと思います。
 私は、外側の誰かに「あなたはこういう人です」というふうに答えをもらうことに興味はなく、自分で見つけたかった、自分で気づきたかったわけです。
 私の仕事のひとつである「オーラソーマ」に出会ったのも、そんな途上にいたからだと思います。

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自分に気づくと、光が広がる

 「自己探求」と言うと固いですが、内面の世界を探求するということは、自分のことをもっと「気づく」旅だと言えます。
 最初は、内面に気づきを向けると、自分が抑えていた気持ちや、人に見せないようにしていた考えを発見したりします。今までずっとそこにあったのに、それを見ないように、感じないようにしてきたので、それがあることさえ気づかなくなっていたものにも、たくさん出会います。
 「気づき」は「光」のようなもので、気づくほど「光」が内面に広がります。
 すると、そこで発見するのは「つらいもの」だけじゃなく、たくさんの「美しいもの」もあることに気づいていきます。たとえば、自分のなかにある「愛」や「喜び」。
 「自分には愛なんてない」と思っていたけれど、子どものころに誰かに拒絶されたことで、「愛」が感じられなくなっていたのかもしれないことがわかったりする。
 このようにして発見と気づきが続き、しかもつらい荷物はそうしたければおろすことができ、美しいものを発見できれば、それが人生を豊かにしてくれます。すると、探求はやめられないですよね(笑)
 そして、私は瞑想に出会って、「自分を知る」旅が折り返したように思います。これについては、またOauマガジンのなかで書いていきたいと
思っています。

通訳として大切なこと

えつこ 通訳もしておられますが、それについて思うことやエピソードなど聞かせてもらえますか?

コマラ 私は通訳の勉強はしたことはありません。
 先ほどお話しした、セラピーやヒーリングを学ぶのに、たくさんのすばらしい外国人のセラピストたちに師事したり、海外のコースやトレーニングにたくさん参加するなかで、自分を表現したり、学んだりすることの背景に英語がありました。
 そして、自らセラピーやヒーリングを体験したからこそ、通訳が言葉以上のコミュニケーションであることがわかり、自然と「通訳」として、なにが大切なのかを学べたのだと思います。
 80年代は、頼まれればいろいろなセラピーやヒーリング、ボディワークの通訳をしました。それによって、私の持っていたさまざまな領域の興味も満たされ、通訳を通して、さまざまなことを学びました。
 人にワークをするうえで、幅広い知識と経験が私にあるのは、このころに通訳を通して体験したこともたくさんあります。

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 90年代にオーラソーマと出会って、会長であるマイク・ブースさんの通訳をはじめたことが、オーラソーマに深く関わり、教えることに私を導いてくれました。
 以前、お話したことがあるかもしれませんが、まだオーラソーマの通訳をはじめたばかりのころ、イギリスで開催されたコースの通訳をしたときのことです。
 コースの合間に、ある女性が私のところにやってきて、「コマラ、マイクの声がはじめて聞こえたのよ!」と感動の眼差しで、私を見つめて言いました。
 それは、なにかの情報を理解したとか、話の内容に感動したということではなく、私の通訳を介しながらも、ダイレクトにマイクの声が聞こえる、トランスミッション(伝達)が起こったと言っているようでした。
 私はそれを聞いて、ここに私のできる役割があると漠然と感じたのを覚えています。
 私は通訳になりたいと一度も思ったことはなかったし、特にその仕事に興味があったわけでもありません。でも通訳を通して、コミュニケーションのなかで起こることに興味がわき、それがハート瞑想をガイドするときの助けになったり、オーラソーマをはじめ、ユニティインスティチュートのコースを教えるときの強みにもなりました。

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通訳の顔、講師の顔

えつこ コマラさんは通訳をしている面と、講師をしている面をお持ちですよね。両方のスイッチの切り替え方や、それぞれの違いなどはありますか? 工夫していることなどもあればお聞かせください。

コマラ 通訳をしているときと講師のときは、感じが違うと言われることはありますね。通訳をしているときは、話している人に集中してチューニングをするので、「私」がお休みしています。できるだけ自分を空っぽにしてスペースを作る。それは、誰かに自分をレンタルしているような感じかもしれません(笑)だからか、ちょっと近寄りがたいらしいのですよ。
 講師として教えているときは、自分のなかにできるだけくつろいで、自分のなかが空っぽで、クリアーであることで、生徒にとってできるだけクリアーな鏡になれるように自分の準備を怠らないようにしています。
 そして愛のなかで、みんなとひとつになれる機会だと思っています。

「色」は感受性をはぐくむ

えつこ 色が好きという方はたくさんおられますが、コマラさんにとって、色はどのような存在ですか?

コマラ 私は色が好きです。だから、色の仕事をしているとも言えます。
 オーラソーマとの出会いも、色が私を呼んだと言えます。
 美しい色を見ていると、マインドを超えられるというか、理屈抜きで、深いところに色がふれるような感じがするのですよね。
 特にオーラソーマのボトルには透明感があるでしょう。だから、その透明感のある美しい色を見ていると、心のなかにまで色が浸透して、とてもくつろぎ、癒されます。
 これが「自分を思いだす」ためのツールだと聞いて、なおさらです。自分を探求しようなんて意気込まなくても、好きな色を選べば、それが自分を映しだしているなんて、すごいツールですよね(笑)
 「色」は、私たちの感受性を育みます。感受性がないと、生きることをじゅうぶん楽しめないですよね。だから、生きることのなかに、色をもっと取り入れることをしてみてはどうでしょうか。

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黒田コマラ

オーラソーマアカデミーの代表マイク・ブース氏の専属通訳として、また、マイクの最新の情報にも詳しく、日本人のティーチャーとしても第一人者として活躍中。

和尚アートユニティ スタッフブログ「えつこの部屋」はこちら。


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