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オーラソーマシンセシスと「ハート」『LIVING ENERGIES⑨』

黒田コマラ

「南フランスの聖なる旅」に向かうパリ行きの飛行機のなかで、マグダラのマリアの足跡をたどるこの旅が、自分のなかにあるどんな側面を統合する旅となるのか楽しみ に感じながら、この原稿を書いています。  

私たちが外側の旅をするとき、訪れる場所や出会う人 たちが、自分の内面で起こる反応の引き金になります。 その反応に気づくことを通して、今まで自分のなかで押さえていたものに気づいたり、眠っていたものが目覚めはじ めたりすることで内面の旅が同時にはじまるのではないでしょうか。
 

人が学習をするときに、3つの段階フィーリングを通しての学び、そして最後のレベルが、思考とフィーリングを超えたレベルでの学びです。 この学びが、マインドを越えた内面世界の体験へと私たちを導きます。

私は 2013年からオーラソーマ ® シンセシスというコースを教えていますが、このコースは、この学びの 3 段階を経て、自分のなかで統合を体験できるようにデザインされ ています。  


シンセシスとは統合を意味します。参加者は、コースのなかで統合のプロセスをはじめるときに、まず自分のなかでなにが分離していると感じているのかに気づきを向けます。

それは、ありのままの自分を受け入れることへの大切なステップになります。 参加者の多くは、物質界とスピリチュアルな世界との統合、内と外の統合、女性性と男性性の統合、あるいは本 当の自分との統合といった、さまざまな分離のテーマを意識します。これは私たち誰もが多かれ少なかれ思いあたる課題ではないでしょうか? 

分離や葛藤に私たちが出会うとき、最初のステップは 頭からハートに下りてくることです。 思考は分離を深め、ハートはつながりをもたらします。 分離や葛藤があるとき、私たちの意識は生きることの表 層にあります。


内面の世界を私たちが探究するうえで、ハー トはとても大切です。なぜなら、ハートには判断(ジャッジ) がないからです。私たちが物事に善し悪しの判断をしなければ、ありのままを受け入れることが容易になります。  


チャクラとしてのハートの位置を見ると、上に3つのチャクラ、下に3つのチャクラ、真ん中にハートがあり、ハー トには上下にあるチャクラを調和させる働きがあります。  

そしてハートはグリーンであり、その補色はレッド、ハートにつながることは、私たちの身体を大地につなげること ともいえます。  オーラソーマシステムでは、インカネーショナルスターに意識を向けることで、ハートの表現がよりグランディングさ れるといいます。  


チャクラや色を理解することは、単なる知識ではなく、 生きるエネルギーについての学びです。イクイリブリアム ボトルを鏡として内面を映すことで、その色のエネルギー を、自分の人生でどのように体験しているかに気づけます。  


気づきは私たちに選択肢をあたえてくれるのではないでしょうか。 無意識で生きていると人生に選択肢がなくなり、人生が自動的なものとなりマニュアル化され、クリエイティブな生き方ができません。


チャクラのエネルギーを色として理解しはじめるとき、私たちは内面の世界の扉を開けることができます。 お金や名声があるだけでは、人は幸せにはなれないと いいます。


人生の外側の世界だけ豊かでも、生きることの本当の意味での幸せを感じられません。そして内面の 世界だけでも、生の創造性や、わかちあうことの喜びを体験できず、そこでも満たされません。


私たちにはその両 方の世界を生きる使命があるのではないでしょうか。 そして、この二つの世界は本来分離したものではなく、 その橋がけとしてハートがあります。ハートは私たちを内な る世界へ導き、そしてハートは私たちの本質を世界にわかちあうことを助けます。  


OSHO は、この両方の世界を存分に生きる者を「ゾル バ ザ ブッタ」と呼びました。 ゾルバとは生を謳歌し、楽しんで生きる者です。仏陀だ けでもなく、ゾルバだけでもない。その両方を生きる可能 性が、私たちにはあると彼は言います。  


私は 10 代後半から、内なる世界に興味を持って探究を 続けてきました。 そのころから「真実」を知りたいという欲求は、時には 外側の世界との分離感を私にもたらしたこともありました。 内面の世界こそが真実をもたらすものと考え、外側の世界 をどこか否定していました。


そんなときにオーラソーマシス テムとの出会いを通して、その分離は自分のなかにあるこ とに、はっきりと気づきました。 小さな子どものころに体験した分離のない世界は、シン プルで喜びに満ちており、まさにありのままの自分である ことを通しての体験でした。


日本で話題になっている「アナと雪の女王」を、この原稿を書いている機内で見ました。 この物語も大きな観点から見ると、生きることのなかに ある分離感を越えていく物語のようにも思えます。  


恐れは人に分離をもたらし、愛はつながりをもたらしま す。 『Frozen(原題)』という、恐れで凍ってしまった意識を 溶かすものは、温かさと愛。これは、ヴィッキーが述べた 「愛 と恐怖は同じスペースに共存できない」ということにもつな がっています。  


レベル 3 の生命の樹を紹介するときに紹介されるストー リーが、ふと頭に浮かびます。 神のイメージを映して創造された「2 本足の生き物に奉 仕をすること」を拒んだ天使ルシファーは天国から追放さ れ、姿を蛇と化し、サタンとなって楽園のリンゴの木に落 ちてきます。  



アダムとイブは、そのリンゴの実を食べて、楽園から追 放となります。楽園とはどんな分離もない、すべてのもの が調和と美のなかにあるガーデンです。大天使ヨフィエルが追放を伝達しにきたという文献が 残っているそうです。


B101のペールブルー/ペールオリー ブグリーン。B3 のハートボトルに光が入ったボトルのよう です。楽園の出口、入口はハートであることを、その色が 示しているのかもしれません。  


光の王であるルシファーがもう一度、神の右座に戻るこ とは、クンダリー二(蛇のシンボル)のエネルギーが背骨の基底部から上昇することであり、それは自分のギフトを 世界に奉仕することです。  


そして、アダム(ヘブライ語で人間という意味)を祖先と する人間が、もう一度楽園に戻るには、私たちがハートに、 愛につながることだといえるのではないでしょうか。  


分離のなかを生きることは、ジャングルを生きることであ り、そこには競争と闘い、飢えがあります。  私たちがもう一度、ハートを通して楽園に戻るには、今 この瞬間の私たちの選択からはじまるのかもしれません。


「愛を選択するのか? 恐怖を選択するのか?」

Love


黒田コマラ
 
プロフィール: オーラソーマアカデミーの代表マイク・ブース氏の専属通訳として、また、 マイクの最新の情報にも詳しく、日本人のティーチャーとしても第一人者 として活躍。 オーラソーマのベーシックトレーニング(レベル 1 〜 3)から、ブリッジ、 ティーチャーコース 1 など、アドバンスなトレーニングまで広い範囲での オーラソーマの教育に携わっている。 また、オーラソーマにかぎらず、カウンセリングやセラピーなどのさまざ まなトレーニングの幅広いバックグラウンドがあることから、わかりやす く、深みのあるコースを教えてることで好評。


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