選挙の政党名の略称について

立憲民主党と国民民主党は元々あった民主党が分裂してできたという経緯もあり、選挙時の党の略称名はどちらも「民主党」だという。
そしてもし、民主党と書いて投票された票は、最終的な両党の得票率で按分されることになるという。つまり、例えば得票率が50対50であれば、民主党と書かれた一票は0.5票ずつ各党に振りわけられるということだ。
この問題に関しては平成22年にすでに発生している。当時「たちあがれ日本」と「新党日本」がどちらも略称を「日本」で登録した。この時の国会で問題となり答弁が残されていたが、その内容としては、公職選挙法上は同一名称を禁止する規定がなく、受理せざるを得ない。というものだった。問題意識はあるものの適法だからという感じだが、その後も特に法律の改正も行われていないということだ。
なるほど公職選挙法上の略称についての取り扱い上は適法だというのは分かった。しかし、投票する側の目線で見た時、別の問題が出てくる。
公職選挙法第46条(投票の記載事項及び投函)では、投票用紙には一の政党名を書くこととされている。当然二つの党名を書けば無効票になる。
投票者として2つの問題が起きると思う。
ひとつは自分が国民民主に投票したくて民主党と書いたのに、自分の一票が勝手に按分されてしまうということ。しかも自分は間違ったわけでもないのにだ。投票所の記載台には紙が貼ってあって、そこには政党名と略称名が書いてある。普通は長い名前を書くより略称の方が書きやすい。それで略称で書いてしまうと、それは純粋な一票とはならず按分されてしまう。これは制度として明らかに欠陥だし、不誠実と言わざるを得ない。
二つ目の問題として、意図的に「民主党」と書けるということ。これは先ほど紹介した公職選挙法第46条の「一の政党名を書く」とされている法律の規定に反するのではないか?例えば「私は自民党と公明党の両方に票を入れたい」と言ったらそれは無理なわけだが、「私は立憲民主と国民民主の両方に票を入れたい」と思えば民主党と書いて投票することができてしまう。このような意図で投票してもいいか?と尋ねたら選挙管理委員会はなんと答えるのだろうか?多分だめだと言うだろう。でもそれは制度上はできてしまう。それって直した方がいいんじゃね?って思うのだがいかがでしょうか。

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