見出し画像

【数学センス】レブンの定理

数学友達の思いつきを紹介したいと思います。

彼はふと「複数桁の回文数は$${11}$$で割り切れる」ことに気づいたそうです。「複数桁の回文数」と言うと難しそうですが、$${123321}$$とか$${35744753}$$みたいに左右対称になってて真ん中がふたつになってる数です。$${983724129810018921427389}$$もそうです。こんな大きな数が一瞬で11で割り切れると分かると言う話です。

証明は色々あるかも知れませんが、証明まで肩肘張らないでお話ししたいと思います。

$${11}$$が$${11}$$で割り切れるのと同様、$${1111}$$も$${11}$$で割り切れますよね?するとそこから$${110}$$を引いた$${1001}$$も$${11}$$で割り切れます。$${111111}$$も$${11}$$で割り切れるので$${100001}$$も$${11}$$で割り切れます。もう$${10000001}$$も$${1000000001}$$も$${11}$$で割り切れることはお分かりかと思います。

最初に出てきた$${123321}$$は$${3300+20020+100001}$$なので$${11}$$で割り切れることはもうOKですよね。なので複数桁の回文数は$${11}$$で割り切れるのです。

理由を聞くのを忘れたので名前の由来が分からないのですが、彼はこれを「レブンの定理」と名付けたのでそう呼ぶことにします。そして「複数桁の回文数」のことを「レブン数」と呼ぶことにしましょう。

それ実用性あるのかと言われたら、実は大ありでした。将棋の滅法強い彼は将棋道場を始める事を考えました。その際、月謝は税込$${5000}$$円に満たない、税の少数部分を切り上げたり切り捨てたり四捨五入したりしないピッタリその値段になるような値にしたいと考えました。税率は$${10 \%}$$とします。「税込$${5000}$$円に満たない、税が端数を持たない最大の数は?」どう考えたらいいでしょう?

考え方は簡単です。$${1.1}$$つまり$${\dfrac{11}{10}}$$をかけたら整数になる$${5000}$$未満の最大値が知りたいのだから、税込み価格はレブン数になるはずです。$${5000}$$未満の最大のレブン数は$${4994}$$ですよね。$${11}$$の倍数であることは約束されている訳だから$${11}$$で割って$${10}$$倍した数が求める月謝になります。計算すると$${4994 \div 11 \times 10 = 4540}$$円となります。

レブン数、最強です。彼の教え子たちも最強の将棋士になっていくことでしょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?