家族介護者の作業適応質問紙の使い方①

そもそも「作業適応」とは、なんですか?

作業適応とは、作業療法の専門用語です。簡単に説明します。

作業とは、「日常生活動作(食事や入浴、排泄など、毎日行う活動のこと)」と「仕事(有給・無給は関係ない)」と「遊び(楽しみ活動・レジャー)」のことを示します。

作業が「その人」にとって、望まれる形で行われている(バランスが良好な)状態を「作業適応」と言います。バランスが崩れた状態を作業不適応または作業機能障害と言います。

リハビリテーション(特に作業療法)では、「作業不適応な人」が「作業適応」になれるよう支援する必要があります。リハビリテーションに限らないですが。

前回のnoteにも記したように、家族介護者は要介護者(患者)のために、自分の時間を介護にあてがうことで、様々な作業を諦めたり我慢したりしています。そのため、不健康な状態(作業不適応)にあることをお伝えしました。

本尺度(家族介護者の作業適応質問紙)は、家族介護者の何に問題があるかを示してくれるため、医療従事者は訪問系サービスや通所系サービスを提供する際に、ご家族の表情に違和感を覚えたり、訴えがあったり、心配になったときに用いることで、家族支援の切り口になり得ます。

家族介護者の諦めていたり我慢している作業は、本当に諦めなければいけないのか?我慢しなければいけないのか?それを諦める(我慢する)ことで不健康になることの方が不利益になることもあるのではないか?介護を放棄してもいいということではないです。介護を家族介護者に抱え込ませないよう、シェアすることができればいいこともあるでしょうし、休憩だって必要でしょう。今、家族介護者は何を必要としているのかを知るきっかけになることが大事だと思います。

次回は、この尺度の具体的な使い方について触れていきます。最後までご拝読いただき、ありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?