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終わらない夏休みの中にいるよう

高校から大学に上がったとき、「空き時間」という概念に困った。高校と違って大学は授業は必要なぶんだけ出ればいいから、日によってスケジュールが全然違う。

大学を卒業後して会社員になったとき、「スケジュールが高校みたいだな」と思った。出社時間が決まっていて、退社時間も決まって(?)いる。

行けばとりあえず次どうすればいいか指示がもらえて、まあ大変なことばっかりなんだけど、時間がくればおわり。1ヶ月ごとにお金が振り込まれてくる。

会社員を辞めて起業したとき、最初は「会社員のスケジュール感で仕事できたら余裕だな」と思った。

誰も指示してくれないから何をしたらいいかわからなくて困ってる人をたくさん見て、この人たちから頭ひとつ抜けるには行動量だけで十分な気がした。

起業して2年くらい経って仕事が落ち着きはじめたとき、スケジュールの空白感に戸惑うようになった。

駆け出しのころは生きていくのに必死で、無茶苦茶に働いていた。というか働いているという実感もなかった。

ただ楽しかったからずっと仕事していた。遊んでいるのにお金も入ってくる感覚だった。ぐっすり寝る以外の時間はほぼ全て仕事に費やした。

そんな生活を続けていくと「何をすれば儲かって何をすれば徒労に終わるか」がわかってくる。

仕事の精度が高くなればその分稼働時間が少なくて済む。暇になる。

今の生活はまるで大学生の夏休みみたいだ。

大学生の夏休みはやたら長い。2ヶ月くらいある。何をしてもしなくてもいい。新学期に間に合えば日本にいなくてもいい。

ただでさえ「人生の夏休み」と言われる大学生活中の「夏休み」は、マグロで言うと大トロみたいなものだ。

部活やバイトに明け暮れる、実家に帰省してだらだら過ごす。旅に出る。遊び倒す。先を見据えて留学やインターンに精を出す者もいれば、ハメを外しすぎて戻ってこれない学生もいる。

まさか30歳目前にして学生の気持ちに戻るとは思わなかった。きっと僕は今「自由」を履修しているんだろうな。「競争」をやり終わったから。

必要な学びが必要な時にやってくる。僕はそう考えている。目の前のことに一生懸命打ち込んで生きてきた僕が学び損ねたもの。自由。

終わりの見えない夏休み。今年の夏はまだまだ暑くなりそうだね。何をして過ごそうかなぁ。

いただいたサポートはミックスナッツになって僕のお腹の脂肪として蓄えられます。