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気違いになるのに忙しすぎた人~父について(3)
家にアルコール依存症患者がいる。彼もしくは彼女が飲酒運転をしようとする。
そんなとき、家族はどうするべきか。
止めるのが当たり前じゃないか、とあなたは思うかもしれない。人の命に関わる問題だ。暴れたりして自分の力じゃ無理ということであれば警察だって呼べるはず。
もっともだ。しかし。依存症患者が家にいないあなたにはわからないことがひとつある。それは、われわれの家では「これが毎日起こる」ということだ。
車に乗ろうとする。止めようとする。口論、怒号、破壊。
家に依存症患者がいれば、こういったことに生活が突然乱されるのだ、毎日。家族の状況を慮りながら酒を飲む依存症患者はいない。小さな子を寝かしつけている母親であろうが、オンラインで面接を受けている青年だろうが、明日が大学入試の高校生であろうが関係なく、トラブルは降りかかる。予告なしに。
高校のときのこと、階下の両親が口論しているなと思ったら、凄まじい勢いで父親の車が出て行った。もちろん飲酒運転だ。青ざめて母親に食ってかかったことがある。
「なんで止めんかったとね!」
「あがん(あんな)気違いは事故にあって死ねばよかったい!」
絵に描いたような「正常な判断ができなくなった家庭」。高校のときにこういうことが何度もあった。ひとつ決めていたことがある。「これで大きな事故を起こしたら、おれは死のう」ということだ。家のあそこの部分を使えば首がくくれるな、ということを結構本気で考えていた。まあもちろんほんとに大事故を起こしたときにそこまでのことをおれがやったかはわからない。しかし当時は切実だった。
この話、まだまだ書き足りないな。続く。
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