地蔵克服のヒントになる経済法則と心理学の実験

二人の学生を職員室に呼び出し、強く叱責した後に片方の学生に先生がビンタを食らわします。そして、ビンタを食らった学生だけにさらに強い叱責を加えます。さあ、隣の学生の番です!

と、そこで実験は終了。
ここで、より強いストレスを感じたのはビンタを食らった学生でしょうか、食らわなかった学生でしょうか?

ある程度察しはつくと思いますが、より強くストレスを感じたのはビンタを食らわなかった学生です。ビンタを食らわなかった学生のストレスは隣の学生がビンタを食らった直後に跳ね上がり、その後右肩上がりにストレスはますます増大していきました。

一方、ビンタを食らった学生は、ビンタ後に逆にストレスが軽減していったのです。

地蔵=今この瞬間に集中できていない

これは、人は現実に起こった悲劇よりも、これから何か起こりそうだと言う予感、推測によってストレスを感じることを強く示唆しています。
そして、それが現実化するとストレスは逆に解放に向かってしまうのです。

禅の考え方も、基本は同じです。
「今この瞬間に集中」
という考え方は、人間のストレスは過去と未来が期待通りに進まなかったこととの齟齬により生じるから、過去の回想、未来の予想はしなければしないほど心は平穏を保ち、今この瞬間に集中した瞬間、このストレスはゼロになるというものです。

地蔵も、結局は先のことを考えすぎて、そのストレスに耐えかねてナンパのスタートすら切れないという状況を現しています。
いろいろ難しく考える必要はありません。
そして、これは人間の本能ですから、意識して変えていかないと放っておいても、いくら勉強しても、訓練によってしか克服することはできないのです。

別にナンパなんかしなくても生きていけるし!

経済法則でも、同じようなものがあります。
人間は、今ある問題の解決よりも、将来の不安を解消する財への消費に魅力を感じるというものです。

喩えていえば、今履いている靴に穴が空いているのに、靴よりも高い医療保険を月1万円も払っているという状態です。

2011年、東日本大震災の起きた直後は皆遠い将来の幸せより今の幸せを優先しようと口を揃えて悟った時期がありました。保険、住宅ローンなどもってのほか、今が大事だというのです。
それでも、しばらく平時が続くと、再び保険と住宅ローンは売れだしました。

人間とは、そういうものなのです。

別に今ナンパなんかできなくても死にはしないし、将来のために仕事した方がいいよね!

こういって、今やらない言い訳が量産されていくのです。

地蔵は人間本来の機能としては正常

実際に起きてもいないガンシカや若い小娘相手にろくに会話もできない醜態を晒して恥をかく恐怖に怖気づき、ナンパなんかしなくても死にはしないし、将来のために有意義な仕事をするんだといって、今この瞬間、目の前にあるナンパを始めるという未来を排除する、これが地蔵です。
一方、これは人間本来の機能としては正しい判断ともいえます。

それでも、ナンパをしたいというのであれば、この壁を突破するしかありません。

その方法は、実際にガンシカされること、若い小娘相手にろくに会話もできない醜態を晒して恥をかくこと以外にありません。
実は、ガンシカは滅多になく、若い小娘相手にろくに会話もできない醜態を晒して恥をかく方がよっぽど現実味は高いのですが、それでも、日本人の女性はとても優しいので、あなたに恥をかかせるような悪態は絶対に取ったりはしません。

より具体的には合流という方法もありますが、一番はまずこの原因を理解して、いかにいらない情報で余計なストレスを感じているか、現実味のない不安にお金・労力をつぎ込んでいるかを実感してみることです。

人から聞いた情報など実体験の一発には到底敵わない

そうすると、意外と今感じているストレスが虚構であり、本当に今しなければいけないことのほとんどが実は些細なことばかりだと気がついてきます。

すこし抽象的なことを書きましたが、ナンパなんて所詮きになる女の子に声をかけてお近づきになりたいという好意を伝えるだけの行為です。
そんなこと、日常的に起きています。
それを、見ず知らずの全く面識のない女性に飛び込み営業をかけるという非日常の行為で誰もやっていないから、少なくとも日本では「みなさんそうされていません」という理由でやらない理由を生産しやすいだけに過ぎません。

実は、私は最近ナンパをサボっています。
声はかけるのですが、別に連れ出したりセックスを誘ったりまではしていません。
でも、やろうと思えばいつでもできるし、そこまでのエネルギーを投資してまでお近づきになりたいという女性もそうそういないので、少し休んでいるのです(cf. AirPodsの話)。

この地蔵化する仕組みを知り、実体験により「大したことない」という経験を肌で理解しておけば、これだけの余裕につながり、場合によっては
「お願い、このまま私を抱いて!」
と懇願するレベルまで女性の心を氷解させるパワーを持つようにもなれるのです(cf.社交不安の話)。

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