共感するのは正直しんどい!(そーですね!棒読み)

梅田王子です。
今回は、巷で常識のごとくもてはやされている「共感力で今日からモテる」的な俗説についてお話ししようと思います。

共感を理解できない男たち

まず、付け焼き刃の知識で心理学だの何だのを語る男たちには申し訳ないですが、共感というのは感情を共有することで、決して情報に同調・同意することではありません。

「カフェが好きなんです→俺も!よく行くんだよね」
「仕事本当に大変で→俺も!疲れて大変なんだよね」

こんなやり取りを共感と考えているようでは青二才もいいところです。
共感とは、


「新しい香水買っちゃった!→へえ、いい匂いだね。それつけてどこ行く?(ワクワク)」
「あの時あの人にこんなこと言われて本当にムカついた→俺も似たようなこと言われた経験ある。思い出しただけでムカついてきた!」
「もう死にたい。→そんな話聞いてると俺まで死にたくなってきた!」

違いがわかりますか?
共感というのは、相手の言動をきっかけに、自分の感情が動き、かつその感情が相手の期待と一致することを言うのです。
そして、この共感が起きた時、人は強い安心を覚えます。

この人は、私の気持ちを理解(=共有)してくれた。

これが共感の目指すべきゴールです。

笑っていいとも!の「そうですね!」コールは共感か?

以前、笑っていいとも!と言う番組で司会進行役のタモリが何か言うたびに、客席の観覧者から
「そうですね!」
と言うコールが返ってくるという「おきまり」がありました。

今日は暑いですね→そうですね!
アイス食べたくなるね→そうですね!
今日の最高気温50℃って言ってたね→そうですね!

これでモテるのなら、誰も苦労はしません。これは極端な例ですが、なかば共感厨のように語る自称モテ男の自慢話は、女性にはどう映っているのでしょうか?

思えば、この「そうですね!」コールはタモリでも明石家さんまでも決まって女性の声を使います。確かに男性の声だとなんか気持ち悪いと思いませんか?

女性は内心ではこの「今日は暑いですね」「アイス食べたくなるね」とかいう会話しかできない男を馬鹿にしているからこそ、男性の問いかけに対して、女性の声で「そうですね!」と棒読みした返事を返す、この一連のやりとりがギャグとして成立しているわけですね。

鬱(うつ)が感染(うつ)る

よく、ネガティブは感染ると言います。
ネガティブな人といればネガティブになるし、ポジティブな人といればポジティブになれるから、ネガティブな人とは付き合わず、ポジティブな人と付き合おう。
よく聞きますね。

これはその通りなんですが、では女性にしっかり共感すると、もしかしたらネガティブが感染るかもしれないのです。

一般に、女性はネガティブな話を好みます。これは、ネガティブを吐き出すことと相手からポジティブをいただきたいという期待の現れですが、では、「共感力で今日からモテる」という男たちは、本当にこの女性の期待である吐き出したネガティブに共感し、一旦本当にネガティブな感情を共有して暗い気持ちになり、それでいてその後にあなたのポジティブを与えてあげるのか?

十中八九、「共感力で今日からモテる」系の男たちに、そんな高尚な期待はできません。

「今日は仕事で疲れた→俺も疲れたよ」
「何かいいことないかな→本当だね。いいことないかな?」
「まあ頑張るしかないか→そうだね。俺も頑張らないと!(おっ、この調子で今日はホテルか?でへでへ)」

共感力が高い人は、実際かなり疲れます。共感性羞恥という現象があるのですが、誰かが恥をかいていると、自分までその恥ずかしさが伝わってきて疲れる。似たような現象に、汚い客が店員に怒っていると自分まで嫌な気持ちなる、こういうのも共感です。この場合、私がその客にも店員にも何も声かけはしないのに、共感は成立します。

このように、高い共感力は、モテるどころか日常では返って生活の支障にすらなります。ひどい人は見境なく共感し、街にも出られなければ人と話すことすらできなくなります。
HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)という人たちがいますが(私もそうですが)、平穏に生活するには共感など極力しないほうがいいと言ったほうがむしろ正解とも考えられるのです。

共感でモテるには強靭な精神力が必要

共感力の高い人は信頼されやすく、異性との間で共感が起きた場合、好意が生じ安くなることは間違い無いでしょう。
しかし、今まで見てきた通り、共感は必ずしもいいことばかりでなく、場合によってはあなた自身を傷つけてしまうくらい、危険な現象でもあるのです。

別の記事で、心理学のテクニックだけを駆使しても、相手の身体・心理状態を正しく把握できないようでは、診察もせずにいきなり薬を処方するようなものだ、ハラを切るようなものだと苦言を呈したことがありますが、共感というのはまさに相手の身体・心理状態を正しく把握した結果の産物であり、それができるということは文字どおり「共感力で今日からモテる」素質があるということになります。

しかし、共感の結果、一緒にうつになっているようではとても「今日からモテる」というわけにはいかないでしょう。
問題は、共感の後、いかにそれをポジティブにつなげ、行動を起こすかという切り返しを行うかということです。

これをするためには、まずあなたがポジティブであり、女性からネガティブを提供されそれを共に味わった後、あなたがその吐き出したネガティブの穴にあなたのポジティブを埋め込む必要があります。
女性がそのポジティブを使って何か行動を起こす、それが、デートであったり、場合によってはあなたともっと一緒にいたい、くっつきたいと、セックスを求めることもあるでしょう。

共感力でモテるということはこういう一連のステップを全て捉えて、初めて完成するのです。

必要なのは大量のポジティブエネルギー

なぜ、相手の意見に「そうですね!」とコールをし続けたらモテるのですか?
私には、そんなことを言って知ったような気になっている自称モテる男の言動がイタくてなりません。

共感力でモテるのは事実です。というか、当然ですよね。
でも、共感力でモテるにはものすごいエネルギー、大量のポジティブなエネルギーが必要なのです。
そのエネルギーは、ちょっとした思考のコツで少しづつ貯めていくことができます。

次回は、ポジティブエネルギーを貯めて女性に分け与える秘伝のテクニックについて、お話ししようと思います。

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