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会計初学者のためのUSCPA攻略法④ AUD攻略編

どうも、米国公認会計士のおつまみです。

前回に引き続き、会計初学者のためのUSCPA攻略法シリーズの記事です!
このシリーズでは、日商簿記検定3級すら持っていない会計初学者だった私がUSCPA(米国公認会計士)試験に全科目一発合格をした経験を基に、USCPA試験を効率よく攻略するための具体的な勉強法や注意ポイントを体系的に解説していきます。

今回は第4回、AUD攻略法です。

基本情報

AUDは、公認会計士の独占業務である監査・証明業務について幅広く学ぶ科目です。英文を読み込み深く解釈した上で解答するという性質上、高い英語力が求められます。BECと並んで我々日本人の苦手科目の一つです。
AUDの攻略が難しいもう一つの理由は、今自分が一体何を勉強しているのか、ということを実感しづらい点です。というのも、USCPA受験者の中で監査業務のイメージを掴めている方はなかなかいないはずです。それではどのように対策するのが得策なのか?次のチャプターで見ていきましょう。

対策ポイント

①(4科目の中で一番)全体像把握が大事!

AUDは試験範囲の各論点がほぼ全て繋がっており、USCPAの4科目の中で一番体系的な理解が必要になる科目となります。そのため、常に監査手続きの全体像を意識して学習を進める必要があります。
つまり、①監査全体の流れ、②どの段階でどんな手続きをするのか、③それらは何のためにするのか、といったことを意識して学習しないと、訳もわからず漫然とテキストを繰り返すことになってしまいます。

そのため、(前回記事から繰り返しにはなりますが)まずは学習内容の全体像を把握するためにテキストを軽く何周かしてしまうことがおすすめです。後の章の内容を学習することで最初の章の内容をより立体的に理解することができ、その結果、文脈のない丸暗記をする量を減らすことができます。

例えば、全体像把握の段階でサンプリングの章を勉強することによってFS監査の統制テストや実証性テストの理解が深まりますし、またレビュー、コンピレーション業務などの監査業務以外の章を学習をすることで監査業務との違いが明確になり、各業務をよりよく理解できます。
繰り返しますが、AUDはとにかく全体の体系的な理解が本当に大事なんです。

具体的な進め方としてオススメなのは、まずFS監査の章を何周かし全体像を把握し、その後はテキストの順序通りIC監査や監査関連の細かい論点、そしてレビュー、コンピレーションやサンプリングなどへ次々と進んでいくイメージです。
そのように全体像を把握出来たら、個別論点ごとに深掘りして学習していきます。
より詳細な流れは下記リンク先の過去の記事をご参照ください。

②Professional Responsibilitiesは試験直前期に短期集中で攻略がオススメ。問題演習を中心に。

Professional responsibilitiesの章はMC問題で頻出の論点なので力を入れた対策が必須です(根拠となるブループリントについては上記リンク先の第二回の記事をご参照ください)。しかし全体的に話が抽象的で掴みどころがないのでAUDの論点の中でも特に学習しづらいのが難点です。そのため、Professional Responsibilitiesの対策に際しては他の章とは違うアプローチを取るべきです。
具体的には、テキストを何周もしてから問題演習を行うのではなく、テキストを1周だけした後、問題演習を中心に学習を進めていきましょう。
ここで注意するべきことは、問題演習をあくまでもインプットの一環と捉えて進めることです。つまり、わからなければすぐに解説を読み、その問題を通してテキストの知識を固めていくということです。このように問題演習ベースで勉強することで、今まで掴みどころのなかったテキストのどこが試験対策上重要なのか、知識が実際の問題としてどう問われるのかといったことが把握できるので勉強が加速・効率化します。
また、Professional Responsibilitiesは他論点の学習とのシナジー効果が薄いため、全体像把握段階の学習には含めず、試験直前期に短期間集中の暗記学習で攻略することが効率的だと考えています。

③重要論点、頻出論点

この試験のルール上、私が受験した際の試験問題の詳細は記事に書くことはできませんが、傾向として下記の事項は典型的な頻出論点・頻出問題ですので力を入れた対策が必要になります。
・Audit, attestation, accounting & reviewなど、つまり監査、レビュー、コンピレーションなどの各業務の特徴や、各レポートに出てくる文言についての問題
・与えられたアサーションに適する統制テストや実証テストの手続を選ぶ問題
・与えられた状況に適する監査意見を選ぶ問題

これらの範囲の勉強は費用対効果が高いので、勉強時間を割くべきポイントだと考えています。
逆にITの問題はAICPAリリース問題にもアビタスの模試にも出題されておらず、傾向としては出題数が少ない印象です。必ずしも断定はできませんが、学習にメリハリをつけるという意味では、ITの対策は直前期の短期間のみでも問題ないと考えています。

④語呂合わせを上手く活用

AUDは理解が大事な科目とはいえ、丸暗記するべき項目も多くあります。AUDでは項目の羅列を暗記する必要があることが多く、とても覚えづらいです。そのため、なるべく語呂合わせを使うことにより暗記の負荷を減らすことがオススメです。(ネット上で拾ったものもありますが)僕のおすすめの語呂合わせを紹介します。
1. 統制テスト(運用評価テスト)で実施する手続きのNature暗記のRRIIO(リーオ)

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2. 実証テストで実施する手続きのNature暗記のICORRIIA(アイコリーア)

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3. リスク評価手続きで実施する手続きの暗記のAIIOW(アイーオゥ)

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4. 詳細テストにおけるサンプルサイズの求め方暗記のためのReBoToEx×-(レボトエックス×-)

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⑤丸暗記するべき項目とそうではない項目をしっかりと切り分ける

他の科目にも当てはまることですが、AUDでは丸暗記をするべき項目と、理解さえできていれば良い項目を明確に判別して学習することがオススメです。

例えば先ほど語呂合わせを紹介したような事項やProfessional Responsibilitiesの個別の論点は丸暗記をするべき項目です。これらをそのまま覚えていないと問題を解くことができません。
一方、丸暗記するべきではないものの一つの例は、各業務のレポートの全文です。Twitterでは、これらのレポートの全文を写経のように何回も書いて一言一句を丸暗記している方がいますが、各業務の特徴や相違点をしっかりと理解できていればそんなことをする必要はありません
必要のない丸暗記は本当に時間効率が悪いので気をつけましょう。

⑥問題演習では解答の正否だけではなく、そのロジックまで完璧に詰める

統制テストや実証性テストの問題演習では、正解できるかどうかだけではなく、なぜその正解に辿り着くのか、またなぜ他の3つの選択肢が間違いなのかというロジックを完璧に理解できるまで詰めましょう。これは試験の頻出論点・頻出問題でもあり、単純な暗記では乗り越えられない部分ですので、問題演習の段階で納得できるまで突き詰める必要があります。

AUDの勉強法については以上です。最後まで読んでいただきまして誠にありがとうございました。
最初はとっつきにくいですが、全体的な理解ができ合格することができれば非常に達成感のある、そんな科目です。また合格後にBig4などの監査法人への就職・転職をする場合は実務にダイレクトに絡んでくる非常に重要な科目でもあります。
皆さん、一緒に攻略頑張っていきましょう!

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