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寸景(すんけい)

休みの日、東京のカフェに行った。

店内は明るすぎることはなく、とても落ち着いている。

だから窓際のカウンター席には、午後になると光が差し込んできてカップやお皿を照らす。

外を覗くと、はとバスやタクシーが見えて、運転手は今日も日常を紡いでいるのだと思った。

考えてみれば旅行で使う鉄道やバス、観光地の飲食店も誰かの日常で成り立っている。

私の旅も、名前の知らない誰かによって作られていた。

そんなことに気づいたら、知らない土地の一度きりしか会わない人にも感謝の気持ちが湧いてくる。

世界は人の日常と非日常が混ざり合ってできている。

誰かの日常にもてなされる時、気持ちの良い客人でありたい。

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