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オンラインパブリックビューイングの企画

東京パラリンピック2020のオンラインパブリックビューイングの企画を8月28日に行いました。急遽企画したもの(?)でありいろんなところへの調整をせずに開催したため、表向きは「8月28日の陸上競技のパブリックビューイング」というものでしたが、その中身は大分県出身義足のアスリート中西麻耶の応援。

流石に東京、自国開催。試合に合わせて休暇をとったがこの感染症第5波でどこにも行けず・・・。試合は無観客で、家族ですら入場不可。最近の自分のトレンドから、オンラインパブリックビューイングの企画は自然な流れだった。だが、一言言わせていただきたい。やっぱ自国開催の妹のパラリンピックは現地で見たかった。医療従事者という立場はあるが、逆にその立場から今やるべき感染対策(前後や当日の過ごし方とリスクマネジメント)を自分で実践しながら観戦するということもしたかったが、何れにせよチケットがなければどうしようもない。実は毎回、パラリンピックのときは母や妹(次女)は現地に行くが自分は大分に残ることが多い。タイミング的に難しかったというのもあるが、あえて大分に残ってできることもある。メディアの取材があったり、前回のリオは大分市内の飲食店でパブリックビューイングを行った。

当初、地元(?)の由布市でパブリックビューイングが行われる予定だったそうで、あえて自分はそこに「ハイブリッドでやりませんか?」と知り合い経由で売り込んだのだが、この状況下で中止になったそうで、仕方なく完全オンラインでやることとなった。イベントの形は完全オンラインだが、配信者である自分は部屋で競技を観戦しながらそれを配信しないといけないので、技術的にはハイブリッドと同じことになる(リアル会場参加者が自分だけというだけ)。

Zoomはミーティングかウェビナーか

当然ながら、配信ツールはZoomを使う。ここで問題は、「ミーティング」で行うか、「ウェビナー」で行うかだ。『いや、普通にミーティングでいいだろう』と思われる方も多いと思いますが、会を運営する側としてはZoomウェビナーアカウントで行うこともメリットは非常に多くあるんです。

Zoomウェビナーのメリット

パブリックビューイングの運営で大切なのは、参加者管理。これに尽きる。リオの時のパブリックビューイングは、お祭り騒ぎの盛り上がりで参加者も続々増え、反面、一応BTG OB/OGの精鋭を運営陣にはおいたもののかなり現場のマネジメントに苦労した。

Zoomミーティングは、参加者全員が双方向のコミュニケーションをとることが前提で作られている。なので、基本的にビデオON/ミュート解除の状態がスタンダード。Zoomにおいて、ビデオトラブルや音声トラブルが非常に起きやすく、運営側としてはそこを管理することが一番神経を使うところ。

Zoomウェビナーは、ビデオON/ミュート解除でしゃべることのできる”パネリスト”と”視聴者”の明確な機能の差別化がなされている。基本的には、視聴者は発言することはできず、ビデオONでしゃべりかけるには、視聴者→パネリストへの昇格をした上で、各端末でビデオONにしてもらう必要がある。手間はかかるが、余計な音が出たりする問題や、写ってはいけないものが写ってしまう問題は基本的には気にする必要はなくなる。

また、Zoomウェビナーの”ブランディング”という設定では、イベントサイトを簡単に作ることができる。事前申込制にはなるが、イベント申し込みサイトの案内ができるため、いろんなSNSなどで参加者を募集することができる。タイムスケジュールや企画内容、運営からの事前アナウンスもそのサイトに記載できるので、イベントの企画・運営する側としては便利になる。

ただ、Zoomに申し込みが必要という感覚が全然世の中に広がっておらず、たとえイベントポスターに『こちらのQRコードから申し込みをしてください』(イベントサイトへの誘導)と書いているのに、”ZoomイベントでURLやQRコードが載っていたら、当日そこにアクセスすればいい”と思いこむ人が非常に多い。これは、ポスターの文字のフォントを強調してもなかなか改善せず、イベント開始時間(一番バタバタしている時間帯)に立て続けに申し込み→個別Zoom URLの案内という作業をしないといけないので、初っ端詰んでしまう。

Zoomミーティングのメリット

Zoomミーティングは、前述の通り、ウェビナーと違ってすべての参加者がビデオON/ミュート解除の状態で、双方向性にコミュニケーションを取ることが前提となっている。ビデオの管理はまだいいとして、音のトラブルでハウリングを起こされるとイベント全体に支障が出る。経験があるとすぐ対処できるのだが、そうでないとその人はパニックになるだろう。また、ウェビナーにあったブランディングの機能内のイベントサイトを作る機能もないので、案内は当日アクセスするZoomミーティングルームのURLのみ。イベントのタイムスケジュールや、注意事項など運営からの事前アナウンスを告知する手段は別に考えなければならない。

そもそも、パブリックビューイングというイベントは顔出し・声出しのイベントだ。確かに、オンライン化したことで「顔出しとか嫌だけどオンラインで参加できるなら」という潜在的なニーズを拾い上げられている可能性もあるが、できれば顔出しだけはせめてしてほしいというのがこっちの希望。まぁ、Zoomのカメラ問題もあったりしますけどね・・・。ここまでオンラインが盛んになっているので、安いWebカメラの購入を検討してみてはいかがでしょうか?

顔出しのメリットとして、別企画だが先日Zoomで全国47都道府県をつなぐというオンラインイベントに参加してきた。

情報をゲットした自分は早速「大分県」枠で挙手!!!このような大きなイベントに、大分を代表?して印象を残せたことが大変光栄。各都道府県を揃えて最後に撮影したギャラリービューは感動した。

スクリーンショット 2021-08-09 21.27.00

※写真は、47都道府県並び替え前

これは、パブリックビューイングをオンラインでやる醍醐味だなぁと。なんとなく目指すようになった。一応、バーチャル背景用の画像も用意した。

パラPV背景案1

Zoomミーティングを使うもう一つのメリットとしてブレイクアウトルームを使うことができるのが大きい。これは、Zoomのメインルームとは別の小部屋を設定することができ、グループワークなどにも使えるが当日Zoomをやる人での初心者個別対応のために別部屋に入ってビデオや音声のレクチャーをすることができる。この機能がウェビナーで使えたらマジで最強なんだけどな〜と思いつつ。ブレイクアウトルームを使うことができるのはミーティングの大きなメリット。当日対応も、それでなんとかできるだろう・・・。

参加者マネジメントという一番の不安要素を抱えつつも、企画としてもミーティングのメリットが上回るため、今回の企画はZoomミーティングでの開催とした。

イベント告知の苦悩

Zoomミーティングは、基本的には当日アクセスするURLのみの発行となる。イベント告知をどうするか・・・。

一番、参加者の呼びかけに繋がりのあるユーザーの多いFacebookイベントでのイベント立ち上げをした。知らないうちに、Facebookイベントページに”オンラインイベント”の設定部分があり驚きました。Facebookでイベントページを作れば、事前のアナウンスもそこでできるし、参加者とのさまざまなコミュニケーションも可能になった。ただ、Facebook外へのイベント告知が難しくなった。特に、Facebookほどではないがある程度のコミュニティーがあるLINE、Instagramでの告知は難しくなった。

そもそも、オンラインイベントの告知としてZoomウェビナーのブランディングで設定できるイベントサイトの機能がすごく便利で、ただそれだけのために毎月ウェビナーアカウントを課金するのは難しい。月あたりで契約できるので、Zoomウェビナーを使わない月は通常のプロアカウントでいい。

一応、BTG時代の1回だけ使ったPeatixの眠っていたアカウントを復活させたが、いまいちうまく使うことができなかった。

Zoomミーティングのリスクマネジメント

Zoomミーティングでのイベント運営で、参加者にお願いしたいことは大きく2つ。①最低限Zoomを使えてほしい、②Zoomアプリの最新バージョンへのアップデート。

①最低限Zoomを使えてほしいことに関しては、アカデミーでも使っているZoom参加者マニュアルを使った。アカデミーだったら、セミナー配布資料と一緒にパワポを提供しているのだが、今回はパワポを配布してそれを見てZoomの使い方を覚えてもらうというのは無理だと諦めていたのでslideshareのサービスを利用した。

②Zoomアプリの最新バージョンへのアップデートは、Facebookイベントページ内ではアナウンスできた。Zoomを使うときは、ホストとしても様々な機能を使いたいので定期的にアップデートのチェックをするということが普及してほしい。

妹(次女)を使って事前練習

当日のオペレーションには、Zoom運営でいつもお世話になっている沖縄の麻酔科の先生にお願いしていた。また、これを機会にということで福岡に嫁いだ妹(次女)を引っ張り出した。それこそZoomをインストールするところから始めたので、ここでどういう失敗をするかが当日のトラブル予測にもなる。

そう言えば、向こうは福岡だし実家には超高齢者がいるので自分も実家には帰れていない。今回の企画をきっかけに実家にもZoom機材を導入してレクチャーしようとしたんだけど、お互い近いところで感染者も出て結局帰省は自粛。久しぶりに妹の息子ともZoomで見れて、下手したら初めてかも知れない(もはや覚えていない)娘ちゃんともZoom越しで見れて、リハーサルが何故か家族の再会の場となった。Zoomの操作を一通りレクチャー。

ちなみに、今回その妹の同級生とかも参加してくれていて、早速Zoomのよさを感じてもらえたらしく、Zoom飲み会の企画を頼まれたようです。

なんか、草の根的だけどこうやってオンラインの良さが広がってくれたらうれしいです。

次回は、当日の配信技術の解説をしていきます。#

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