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ポケットモンスター エンジェル/スマイル (バトルフロンティア編)



この記事は続編です。
前回を見た事ないよ〜って人は見てみて下さい。筆者が喜びます。








プロローグ


アカリさんのチャンピオン卒業後、色々な事があった。

新たなチャンピオンにはモエさんが任命されて、モモナさんとムスブさんが別の地方へと旅立って行った。

そして旅立った2人の代わりにジムリーダーとなったのはユキホちゃんとハナちゃんだ。2人ともパワフルで、お喋りしていてとても楽しい。
ハナはジムリーダーになる前から人気なようで、朝からお仕事を頑張っている。

この2人はアカリさんが作ってくれたグループ、アンジュルムのメンバーになってくれた。
増員についてはアカリさん曰く、
「つよいひとが よりおおいほうが たのしいっしょ!」
だそうだ。

メンバーが増えた今、どうやら新たなプロジェクトが始まるらしい。




ある日、リンの家のインターホンが鳴り響きます。

「すみませーん!!!!」
「あのー! すみませーん!!!!」

ドンドンと扉が叩かれるので、リンは急かされるように玄関を開けると、そこにはユキホハナの2人が立っていました。

「あ リンさん ごきげんよう〜」
「きゅうに きちゃって すいません」

「あの! わたしリンさんと しょうぶがしたくて! はい!」


今日も2人はとてもパワフルです。
バトル大好きなリンはもちろん了承して、近くの公園まで移動しました。

「さきにわたし たたかっていい? ねぇ いい?」

「え いいよ〜」

最初はハナとのバトルです。
ハナはとにかく陽気で、いつも隣にチェリムがいます。
チェリムはひざしがつよい時以外はつぼみの状態のはずなのですが、ハナ自身が明るすぎるせいか常に満開の状態です。

チェリム(ポジフォルム)

「リンさん! ずっと たたかってみたかったんです!!」
「よろしくおねがいします!!!」



VSハナ

サイコーガール エスパータイプの使い手 ハナ。

エスパータイプの弱点であるあくタイプで挑むと、フェアリータイプやかくとうタイプにやられてしまう。
弱点を突く場合はゴーストタイプのポケモンで挑むと良いだろう。


チャンピオンに勝ったトレーナーとしての貫禄を見せつけ見事勝利したリン。

「ひょえ〜! やっぱりめっちゃ つよいですね!」
「めちゃめちゃ たのしかったです! ありがとうございました!」

ハナのポケモンを回復してあげると、次はユキホが前に出てきました。

ユキホはお淑やかながら大胆不敵な性格で、隣に立っているヌオーと一緒にずっとニコニコしています。
このヌオーの笑顔が崩れる所を誰も見た事が無いそうです。

ヌオー

「リンさん よろしくおねがいします!」
「わたし リンさんとたたかえるの ずっとたのしみにしてたんですよ〜」



VSユキホ

霜降り少女 こおりタイプの使い手 ユキホ
コオリッポにオーロラベールを使われるとこちらの攻撃が全て半減されてしまう。早めに倒してしまおう。


ウーラオスやメタグロスを使って難なく勝利したリン。

「うわっ つよいですね!」
「さすが アカリさんを たおしたひとですね!」

3人はバトルを終えると、リンの家へと帰っていきました。
家でお菓子を食べながらくつろいでいると、インターホンが鳴り響きます。

リンが玄関を開けるとそこにはモエが立っていました。

「リンちゃん だいニュースだよ!」
「あれ ほかにもだれかいる?」

するとモエの声を聞きつけたハナとユキホがひょっこり顔を出しました。

「あ〜! ふたりもいたんだ! ずっとさがしてたんだからね!」
「じゃあ ふたりも いっしょにはなしきいて!」

リンはモエをリビングに招き、改めて話を聞きます。

「よし みんなあつまったね!」
「なんとこのたび...」
「わたしたちが バトルフロンティアを かいさいすることに なりました〜!」


「...バトルフロンティア?」



モエ曰く、バトルフロンティアとはポケモンバトルの最前線とも言うべき場所で、強さを認められたトレーナーだけが入る事が許される施設群の事を指すそうです。

「そう!それで わたしたちで つぎのかいさいが きまったってこと!」
「どう? リンちゃん」

「それって わたしたちのじつりょくが みとめられたってことですよね... スゴイ」
「でも ぐたいてきに なにをするんですか?」

「それがね バトルフロンティアないの しせつをかんがえてほしいの! ペアで!」




話が来てからしばらくして。
大きな施設が立ち並ぶ、その真ん中に位置する広場にアンジュルムのメンバーが集まっていました。
各々がギャーギャー騒ぐ中、モエがやって来ました。

「みんなあつまったね!」
「というわけで わたしたちのバトルフロンティアが かんせいしましたー!」

「きょう みんなに あつまってもらったのは しうんてんを てつだってほしかったの!」
「チャレンジャーやくは やっぱり りんちゃんでしょ! たのんだよ!」

「はい!でもわたしたちの しせつは どうするんですか?」

「そのときは ちゃんとよぶから! あんしんして たのしんできて!」
「じゃありんちゃん さいしょは だれのところからいく?」

「そうですね せっかくなら ゆいいつのトリオだし シオン カワナ ワカナのさんにんところに いこうかなっておもいます!」
「アヤノはかせと レイラさん いっしょにきてくれますか?」

「あたし? いいよリンちゃん いっしょにいこ!」
「え ウチ? べつにいいけどさ なんでウチ?」

「よし! きまったね!」
「それじゃあスタート! シオンたちも たのんだよ! わたしたちは うらでみてるから!」

メンバーと別れ、リン達一行はシオンたち3人の待つバトルハウスへと向かいます。


バトルハウス

バトルフロンティア全体の右下に位置するバトルハウス。
まるで昔ながらの日本家屋のような風貌のその建物はどこか懐かしげな雰囲気を感じさせます。

リン達3人は施設に入ると、早速説明を受けます。

「ようこそバトルハウスへ! ここでは3vs3の トリプルバトルを おこなっていただきます!」
「チャレンジャーさまが なかへはいっていただくと さいしょに ももいろ みどりいろ しろいろの 3しょくの おだんごが でてきます!」

ももいろだんごちからモチ! たべると こうげきりょくと すばやさが あがりますよ!」

みどりのだんごいやしモチ! たべると ぼうぎょりょくがあがり すこしづつHPがかいふくします!」

しろいろだんごちしきモチ!たべると こうげきが きゅうしょにあたりやすくなったり わざをあてたりよけたりが とくいになりますよ!」

「おだんごは あいてごとに 3びきのうち 1ぴきに1こだけ たべさせることができます!」
「どのおだんごを どのポケモンにたべさせるか じっくりかんがえながら がんばってくださいね!」

説明を聞いた3人は、アヤノを中心に作戦を立てます。

「そのつど だれがなにをたべるかが じゅうようになりそうだね どうおもう? レイラ」

「いやまあ きほんは ももいろだんごを リンのポケモンにたべさせて ひつようにおうじて ほかのいろをたべれば いいとおもうけど」

「よし! それじゃあいきましょう! じゅんびはいいですか? はかせ レイラさん!」

「うん!」
「いいよー」

作戦を決めた3人は受付に向かいます。

「それでは ひとり1ぴき ポケモンをエントリー してください」


畳で囲まれたバトルコートに着くと、3つのおだんごが運ばれて来ました。

3人は予定通りリンのポケモンにももいろだんごを食べさせながら、易々とトリプルバトルをこなしていきました。

6回バトルを終えた時に係の人が来て、とある注意してくれました。

「みなさま 6れんしょう おめでとうございます! つぎのバトルは バトルハウスのあるじ ハウスオーナーカワナさま シオンさま ワカナさまとの バトルになります じゅんびはよろしいですか?」

「もちろん!」

「では バトルコートへ おすすみください!」

リン達がコートへ進むと、奥の障子からそれぞれ桃色と緑色の着物を着たシオンとカワナ、そして真っ白の割烹着を着たワカナが出てきました。

「さすが おさんかた! はやいですね! わたしなんて まだかっぽうぎですよ〜」
「おだんごいかがでしたか? こうかはもちろん しっかりおいしくつくったつもりです!」

「ワカナの おだんごほんとにおいしくて〜」
「ケロとふたりで たくさんあじみ しちゃったんですよ〜」

「ざつだんもいいけど はやくバトルはじめなきゃ ふたりともはやくじゅんびしてよ」

カワナに急かされ、ハウスオーナーの3人がコートに並びます。
するとジャッジが声を張り上げます。

「それではバトルをかいしします!」

「リンちゃんいい? もういっかいかくにんよ?」
「トリプルバトルでは ライトサイドのポケモンは レフトサイドが」
「レフトサイドのポケモンは ライトサイドのポケモンが こうげきできないの」
「おぼえてるよね?」

「はい! だいじょうぶです!」

「ならよし! がんばろっか!」

ルールの確認を行った後、目の前におだんごが運ばれてきます。

「よし いつもみたいに わたしのポケモンに...」

「あ! リンちゃん すこしいい?」

「なに? アヤノはかせ...」



ハウスオーナーの カワナ シオン ワカナが
しょうぶを しかけてきた!

ハウスオーナーの カワナ シオン ワカナは

ドクロッグと アシレーヌと
エンペルトを くりだした!

カワナ:センター ドクロッグ
シオン:ライトサイド アシレーヌ
ワカナ:レフトサイド エンペルト

飛び出してきたポケモン達を見て、レイラが警告をします。

「! リンちゃん きをつけてね ねらわれるかも」

「はい! わかりました!」

レイラの警告を頭に入れ、リン達は勢いよく
ポケモンをくりだしました。

チャレンジャーの リン アヤノ レイラは
カイリューと ドラミドロと デデンネを くりだした!

リン:センター カイリュー
アヤノ:ライトサイド ドラミドロ
レイラ:レフトサイド デデンネ

「とばしていきますよ! カイリュー! ドクロッグに しんそく!」

リンのカイリューの姿が一瞬にして消え、ドクロッグに激しくぶつかります。

「よし! あたった!」

「あたしも つづいていくよ! デデンネ! エンペルトに 10まんボルト!」

エンペルトが弱点を突く攻撃で、レイラもどんどん攻めていきます。
しかし、攻撃された方も黙っていません。

「さすがやりますね! エンペルト なみのり!」

「なみのりなら ドクロッグにも あたるはず...!?」

なみのりに当たるドクロッグはまるでダメージなぞ無いもののようにピンピンしています。

「なんで!?」

「わたしの ドクロッグのとくせいは かんそうはだ!みずタイプのこうげきで HPがかいふくするのです! やっぱりカエルポケモンってすごい!」

リンはハウスオーナー達のしっかり組まれた作戦に感心しながら、目の前の状況を振り返ります。

「(いまの なみのりで レイラさんの デデンネは かなりキツそう。 でもあたしの カイリューは まだまだ余裕がある...!)」

しかし、

「カイリューなら だいじょうぶだと おもってませんか?」
「わたしの アシレーヌも わすれないでくださいね! アシレーヌ! ムーンフォース!」

シオンのアシレーヌが放つムーンフォースによって、リンのカイリューは大ダメージを負いました。

「うそ! マズいな...」

「リンちゃんだいじょうぶ!? ドラミドロ! アシレーヌに ヘドロばくだん!」

アヤノのドラミドロが技を打とうとした瞬間、突如何者かによって技を止められてしまいました。

「わっ!」

「ドクロッグの ねこだまし です」
「すこし とまっててもらいますね」

アヤノの技はカワナによって阻止され、状況はチャレンジャー側が非常に不利になりました。


「リンちゃん! どうする!? もうあたしの デデンネは こうげきたえらんないよ!」
「ドクロッグか エンペルト どちらかたおさないと マズいかも!」

リンはすこし考えた後に、

「...レイラさん きめました どちらもたおします」
「レイラさんの デデンネは わたしの カイリューに てだすけを おねがいします」
「アヤノはかせは やること わかってますよね」

「もちろんだよ リンちゃん」

アヤノとリンは互いにアイコンタクトをし、不敵な笑みを浮かべます。

「え なに うちわかってないんだけど」

「レイラさん! おねがいします!」

「いやだから うちなにも わかってないんだけど!?」
「ああもう どうなっても しらないからね!」
「デデンネ! カイリューに てだすけ!」

デデンネのてだすけによって、カイリューの攻撃力が上がり、そのままリンは指示をします。

「よし! カイリュー! じしん!」

カイリューの雄叫びと共に地面が揺れ動き始め、カイリュー以外の全員にダメージを与えます。

「なっ じしん!? ぜんいんまとめて たおすき!?」

突如放たれたじしんの砂埃の中、シオンは驚きながらも冷静に盤面を整理します。


「(エンペルトと ドクロッグは たおれちゃったけど アシレーヌなら だいじょうぶだ)」
「(デデンネと ドラミドロも こうかばつぐんだから ももいろだんごをたべた カイリューのじしんなら たえられないはず...!)」

「リンさん どうしました? わたしのアシレーヌは ぶじですよ!」
「これでおわり! アシレーヌ! ムーンフォース!」

アシレーヌのムーンフォースがカイリューに当たり、カイリューは倒れてしまいました。

「やった! これで...」

「あれ シオンちゃん まだしょうぶは おわってないよ?」


「え...!」

じしんの砂埃が晴れると、そこにはアヤノのドラミドロが立っていました。

「なんで! あのカイリューの じしんを 耐えられるはずがない!」

アヤノはニコニコしながら、

「あはは ワカナちゃん」

「え わたしですか?」

みどりのおだんご おいしかったよ


「「あー!」」

「そういうこと リンちゃんの カイリューは ももいろだんごをたべてない」
「たべたのは わたしのドラミドロ それも みどりのだんごをね」

おだんご選択時...
「よし いつもみたいに わたしのポケモンに...」

「あ! リンちゃん すこしいい?」

「なに?アヤノはかせ」

「こんかいのおだんご あたしの ドラミドロに たべさせてもいい?」

「いいですけど なんでですか?」

「ふふふ そのうちわかるき あんしんして」


「それじゃあ これでおわり」
「ドラミドロ ヘドロばくだん」

ドラミドロのヘドロばくだんによって、アシレーヌが倒れました。


「しょうしゃ! チャレンジャー!」

周りで見ていた施設のトレーナー達も大いに盛り上がります。

「まさか みどりのおだんごを たべてたなんて...
さすが アヤノさん!」

「わたしだけじゃないよ! うまくいったのは リンちゃんが しんじてくれた おかげやき!」


「あぁ〜 きんちょうした〜」

「ケロちょっと ことばにきんちょうが でてたよね〜」

「いやだって チャレンジャーのなかで たぶんいちばんつよいから これからふくめても」

「たしかにね わたしも エンペルトに きんちょうつたわってた みたいだし」


「ねぇリンちゃん ああいうことやるなら さきいっといてくれる? うち ちょービビったんだけど」

「レイラさんなら しんじてくれるとおもったんで」

「いやまあ そういうことなら べつにいいんだけどね?」


「そういえば リンさん このあとだれといくとか きまってるんですか?」

レイラと話しているとワカナが声をかけてくれました。

「よければ わたしたちと ほかのところ いってみませんか?」
「モエさんから おわったら ほかのしせつに いっていいよって いわれたので」

「うーん このあとは レイラさんたちのところに いこうとおもってたんだけど」

「あ!そこ わたしもいきたかったんですよ! いっしょにいきましょ!」

「うん! いいよー!」


「ねえケロ ハナたちのところ いかない?」

「え いいよー」


「みんな いくところが きまったみたいやき うちらもしせつにもどって じゅんびしよっか」
「レイラは リンちゃんたちが くるらしいから いそいだほうが いいかもよ?」

「そうですね どうせあのふたりなら すぐにくるでしょうし もどりますか」


次の予定を決めた一行は、それぞれ目的地に向かって歩き始めました。


バトルリング

リン達との激戦を終えたシオンカワナは、アンジュルムの新メンバー ハナとユキホが待つ施設バトルリングへと来ていました。

「うひゃー そうとうデカいね ケロのケロ〜だん ぜんいんおさまるんじゃないのコレ」

「モモナさんのジムをもとに つくられてるってきいたけど どんなんだろうね」

2人はワクワクしながら施設内へと入っていきました。

「ようこそ バトルリングへ!」
「こちらのしせつでは おふたりのポケモンを それぞれいっぴきずつ エントリーしていただきます!」
「なかへ はいっていただくと とくせつリングがございますので そのなかにポケモンを くりだしてください!」
リングに あがったポケモンには しじができません! あなたのポケモンが たたかうすがたを みまもってあげてください!」

「えっ しじおくれないの!?」
「ねえケロ どうしよ あたしのポケモン じゆうにさせちゃ まずいかも」

「そんなこと いわれなくても わかってるよ」
「わたしのポケモンに サポートさせるから あんしんして」

2人はエントリーするポケモンを決め、中へと入って行きました。


大きなリングにそれを囲むように作られた客席。
そのステージは、シオンのポケモンが大暴れするには十分過ぎる程のものでした。

ドーン
「ギャー!」
バキッ
「ワー!」
ガシャーン
「コラー!」

...

「ハァハァ ごめんねケロ めいわくかけちゃって ハァ」

「いや いいんだけどさ しおんぬふだん どうやってしじだしてるの?」

上がった息を整えていると、係の人がやって来ました。

「おつかれさまです! 6れんしょう おめでとうございます! つぎのバトルは バトルリングのおうじゃ リングチャンプハナさま ユキホさまと たたかっていただきます!」
「じゅんびは よろしいですか?」

「ハァハァ すこし... まってください... いきが...」


息を整え、7戦目へと向かう2人。
リングのコーナーへ着くと、対岸の出場口から煌びやかで動きやすそうなピンクとブルーのレスラー姿のハナとユキホが走ってきました。

「あ! おーい! せんぱーい!」
「さっきから ドタバタいってたの シオンさんの ポケモンだったんですね! なっとくしました!」

「おふたりとも ごきげんよう〜」
「うらでじゅんびしてて あまりのおとに あせりましたよ〜」


「しおんぬ こうはいからも しんぱいされてんね」

「いやあまあ えへへ〜 なんかまあ しょうがないっていうか〜」

シオンが弁明していると、レフェリーがやってきました。

「それでは りょうチーム ポケモンのスタンバイを!」

「レディ...」
「ファイッ!!!」


リングチャンプの ハナ ユキホが
しょうぶを しかけてきた!

リングチャンプの ハナ ユキホは

エルレイドと ツンベアーを
くりだした!

ハナ:エルレイド
ユキホ:ツンベアー

「はぁ たのむよ デカヌチャン」
「あばれませんようにっ!」

チャレンジャーの シオンと カワナは

デカヌチャンと ガマゲロゲを
くりだした!

シオン:デカヌチャン
カワナ:ガマゲロゲ

ボールから飛び出した瞬間、デカヌチャンが走り出します!

「まずーい!!!!」

デカヌチャンの じゃれつく こうげき!

デカヌチャンは大きなハンマーと共にハナのエルレイドをタコ殴り!

「コラー!!!!」

デカヌチャンの デカハンマー!

デカヌチャンはその勢いのままユキホのツンベアーへ突進し、抱えたハンマーを思いっきり振り下ろす!

当然攻撃された2人も黙っていない!

エルレイドの インファイト!
ツンベアーの ばかぢから!

デカヌチャンは たおれた!


「あのさ ケロ」
「ごめんね」


後ろで頭を抱えるカワナとガマゲロゲ。
ため息をつきながら、技を打ちます。

ガマゲロゲの じしん!

エルレイドと ツンベアーは たおれた!

「しょうしゃ! チャレンジャー!」

大きな歓声で盛り上がるスタジアムとは裏腹に、選手達の顔は沈んでいます。

「あの せんぱいがた」
「おつかれさまでしたぁ...」

「あ あの! カワナさんの ガマゲロゲ つよかったです! はい!」

「うん ありがと」
「とりあえずさ かえろっか?」
「あとシオン」
「あとではなしがあります」

「いやもう ほんとにゴメン ほんとうに ゴメンっておもってる ね? ハナもさ? ほめてくれたじゃん? ね? じゃあもうさ? ここはおんびんにさ? おわるほうが

「いいから」
「いくよ」

「うぇ〜ん たすけてよ かわいいかわいい こうはいたち〜」

カワナに耳を引っ張られながら退場するシオン。

「...いろんな せんぱいが いるね」

「うん そうだね...」


バトルラボ

バトルハウスから少し歩いたところにあるメカメカしい施設。
そこはレイラユキが居るバトルラボです。
バトルハウスでの激戦を終えたリンとワカナは、2人でそのバトルラボに来ていました。

「なにここ! なんかすごい きんみらい!」

「ラボっていうからには なにかしら けんきゅうしてるんでしょうけどね」
「ユキちゃんは まだしも レイラさんが けんきゅうは さすがに イメージできないですよね〜」

2人で話しながら、カウンターに行き説明を聞きます。

「ようこそ バトルラボへ!」
「このしせつでは レンタルポケモンで たたかっていただきます!」
「6ぴきの ポケモンが ランダムでえらばれますので そのなかから 2ひきずつ つかうポケモンを せんたくしてください!」
「トレーナーに しょうりすると あいてのポケモンと じぶんのポケモンを こうかんすることが できます!」

「ルールはいじょうです! それではがんばってください!」


説明を聞くと中へ通され、6個のモンスターボールが出てきました。

「へぇ これがレンタルポケモンか おもしろそう!」
「リンさん さきにえらんで いいですよ〜」

「しょうじき ワカナがたよりだからね あたし なにもわかんない」

「あ ですよね うすうす きづいてたんで だいじょうぶです まかせてください」

リンはワカナ主導で話し合いながら、着実に駒を進めていきます。

「リンさんは こうげきたんとうで わたしがサポートしますね」

「まかせて!!!」

リンの持ち前のバトルセンスとワカナの的確なオーダーによってサクサク攻略していきます。

「6れんしょう おめでとうございます! つぎは バトルラボのせきにんしゃ ラボチーフレイラさま ユキさまとの バトルになります! じゅんびはよろしいですか?」

「いいですかリンさん さくせんは まもってガンガン ですからね」

「りょうかい! だけど ほんとに そのポケモンでいいの?」

「なにいってるんですか リンさん このポケモンだから いいんじゃないですか」

「それではコートへ おすすみください!」


リンとワカナがコートへ進むと、奥の扉から白衣を身に纏い、グリーンのゴーグルをかけたユキとオレンジのヘッドセットを付けたレイラが歩いてきました。

「ほら やっぱりはやかった」
「ね ユキちゃん いったでしょ」

「たしかに はやいですね!」
「よそうでは あと3ぷんは おくれるかと おもってました」

「あ わたしたちも ランダムなポケモンで たたかうから あんしんしてね」


「それではりょうしゃ いちについてください」
「ようい...」
「スタート!」


ラボチーフの レイラ ユキが
しょうぶを しかけてきた!

ラボチーフの レイラと ユキは

アブリボンと ファイアローを くりだした!

レイラ:アブリボン
ユキ:ファイアロー

「よし リンさんいきますよ!」

チャレンジャーの ワカナと リンは

ブーバーンと クレッフィを くりだした!

ワカナ:ブーバーン
リン:クレッフィ

始まって早々にリンが仕掛けます。

「いきます! クレッフィ トリックルーム!」

リンのクレッフィのトリックルームによって、すばやさが低いポケモンほど速く動けるようになりました。

「ナイスです! ブーバーン! アブリボンに かえんほうしゃ!」

アブリボンは たおれた!

ブーバーンのかえんほうしゃでアブリボンを倒すことが出来ました。
しかし、ユキも黙ってはいません。

「やりますね! ファイアロー! クレッフィに フレアドライブ!」

クレッフィは たおれた!

炎を纏ったファイアローの突進で、クレッフィは倒れてしまいました。

倒れたポケモン達に代わり、ポケモンを繰り出します。

ラボチーフの レイラは

シャンデラを くりだした!

チャレンジャーの リンは

ウオノラゴンを くりだした!

リン:ウオノラゴン

「ウオノラゴン! ファイアローに エラがみ!」

ファイアローは たおれた!

トリックルームにより先に動いたウオノラゴンが、ファイアローに噛み付き倒します。

「くそっ! シャンデラ! ブーバーンに シャドーボール!」

「いけブーバーン! シャンデラに ねっさのだいち!」

お互いの技が飛び交い、どちらも大ダメージを受けます。

ラボチーフの ユキは

ラプラスを くりだした!

ユキ:ラプラス

「このトリックルームのなかでは ラプラスが いちばんはやい!」
「ラプラス! ブーバーンに しおみず!」

ブーバーンは たおれた!

「ワカナ! これまずいよ! どうする?」

「だいじょうぶです そのまま シャンデラをたおしてください」

「わかったけど のこりは あのポケモンだよ? しんじるからね!」
「ウオノラゴン! シャンデラに エラがみ!」

シャンデラは たおれた!

ワカナは顎に手を当て、静かに思考を巡らせます。

「(さいごはラプラスか ウオノラゴンに フリーズドライを うたれたら こうかばつぐんで たぶんいちげきで たおれちゃう)」
「(トリックルームの のこりターンは 2ターン おわるまで ラプラスが いちばんはやい)」
「(つまり かつには 2ターンしのぐか こうこうでたおすしか ないか...)」
「(じゃあ... かてる!)」

「リンさん つぎのターンは まもるで おねがいします」

「わかった!」

「よし キミにかかってるからね」
「たのんだよ いけ! パチリス!」

チャレンジャーの ワカナは

パチリスを くりだした!

ワカナ:パチリス

自信ありげに出したそのポケモンを見て、ユキは安心します。

「よかった どんなきょうりょくな ポケモンがでてくるかとおもったら パチリスでしたか」
「ふふ ちっちゃくてかわいいですね パチリスは」
「でも ようしゃはしませんよ! ラプラス!ウオノラゴンに フリーズドライ!」

「ウオノラゴン! まもる!」

「パチリス! じゅうでん!」

ウオノラゴンが身を守り、ラプラスの技を凌ぎます。
そしてパチリスは充電をし、次に放つでんきタイプの技が強化されました。

「まもるで 2ターンしのいで パチリスでたおすつもりですか? けど 2かいれんぞくで まもれますかね!」

「ワカナ! れんぞくで まもるが きまるかくりつは ひくすぎる! どうすれば...」

「リンさん わたしたちの かちです」
「つぎ けたぐりで こうげきしてください」

「え...?」


トリックルームのラストターン、ユキが決めにかかります。

「おわりです! ラプラス ウオノラゴンに フリーズドライ!」

ラプラスのくりだした氷のブレスは、見事に...

パチリスに当たりました

「えっ...なんで!?」


このゆびとまれ... あいてのわざを すべてじぶんがうけるわざです」

「もちろん えらべるせんたくしの なかには おおきくてつよそうなポケモンだって たくさんいたよ」

「けど... からだがちいさくても わざをみがけば かつやくできること わたしがいちばん よくわかってるから


ワカナはリンに目配せして、

「ウオノラゴン! けたぐり!」

ウオノラゴンがラプラスを蹴り飛ばし、大ダメージを与えます。

「さて これでトリックルームが きえました」
「これでさいご! パチリス! 10まんボルト!」

ラプラスは たおれた!

「しょうしゃ! チャレンジャー!」




「ワカナ すごい! さすが! ここまでかんがえて パチリスえらんだの?」

「ここまでかつやくするとは おもってなかったですけど うまくいきましたね!」
「ちゃんと まもってガンガン できました!」

「リンさん ワカナさーん! ありがとうございました!」
「めっちゃつよかったし たのしかったです!」

「ねぇ あたしほとんど なにもしてないんだけど」

「レイラさんは ほっとくと あぶないので さきに たおさせて もらいました」

「あっ そういうことね? やっぱわかってるじゃん ワカナは」


4人で談笑していると、リンの携帯に電話がかかってきました。

「はいもしもし! あ つぎあたしたちの ところですか!」
「りょうかいです! すぐむかいます!」

「すみません!あたし じぶんのしせつに いかなくちゃいけなくって」

「あ わたし そこいきたかったんですよ」
「もうひとり だれかいっしょに いきませんか?」

ユキがパートナーを探していると、とある人物が部屋に入って来ました。

「いやー よにんとも いいバトルしすぎマジで」
「いやもうほんとに ラブってかんじ」

奥から歩いて来たのはリカコでした。

「そんでさユキちゃん アタシといっしょにいかない? アタシもめっちゃきになってんだよね リンちゃんのとこ」

「え! リカコさんが よければ ぜひ!」

そうしてリンは自分の施設へ、リカコとユキはリンの施設へ、ワカナとレイラは手を繋いでお昼ご飯を食べにそれぞれ移動を始めました。


バトルジャングル

リカコとユキは巨大な植物園 バトルジャングルへと来ていました。

「でっっっっか」

「でっっっっかいですね」

あまりにもでっっっっっかい施設にビビりながら中へ入ります。

「ようこそ バトルジャングルへ!」
「ここでは おふたりのあいぼう 1ぴきずつと ジャングルをすすんでもらいます!」

「やせいのポケモンも でてきますので じゅうぶんちゅういしてください!」

「みちにおちている アイテムは つかってもらって かまいません!うまくかつようして すすんでくださいね!」

「それでは エントリーするポケモンを えらんでください!」

2人は促されるままポケモンをエントリーし、入場していきました。


中は鬱蒼と木々が生えており、自然の迷路を形成しています。

2人で並んで歩き進んでいると、

やせいの アーボが とびだしてきた!

「ギャッ」

「ああー ユキちゃん ごめんアタシむりだわ」
「もうむり ほんとむり ごめんね マジでむりだわ」

「リカコさん おちついてください! わたしが たたかいますから ポケモンだけでも だせますか?」

「も〜 ほんとにありがとね マジでユキちゃんいなかったら アタシそっこー ギブしてた」

ビビるリカコを守りながら、ユキはどんどん先へ進んでいきます。

「いやユキちゃん ほんとすごいね こわくねぇの?」

「わたしは ひかくてき だいじょうぶなほうですね」

勇敢なユキに感銘を受けながら進むと、少し開けた場所に出ました。


そこに待っていたのは、黒を基調として所々に動物の柄が入ったケモノのような衣装に、それぞれルビー、アメジストが埋め込まれたティアラを身に付けたリンとアヤノでした。

「リカコさん! ユキちゃん! おつかれさま! ジャングルは いかがでしたか?」

「いやぁふたり よくこんなばしょつくったねぇ マジやられたよ」
「でも ふたりらしくて アタシめっちゃすきだよ」


「それでは じゅんびをはじめてください!」

「リカコさん! さっきひろった このきのみ もたせておきます?」

「ありがと! いままでは ユキちゃんに おせわになったから バトルになったら アタシががんばらなきゃね」
「まぁ まかせといて」


ジャングルエンプレスの アヤノ リンが
しょうぶを しかけてきた!

ジャングルエンプレスの アヤノと リンは

ドヒドイデと ソウブレイズを くりだした!

アヤノ:ドヒドイデ
リン:ソウブレイズ

チャレンジャーの リカコと ユキは

タイカイデンと バンバドロを くりだした!

リカコ:タイカイデン
ユキ:バンバドロ

「ユキちゃんはさ じめんタイプつかってんじゃん」

「はい そうですね」

「そんでさ アタシはでんきタイプ つかってるんだけど」
「でんきタイプは すばやくいっきに! そして じめんタイプは じっくりかくじつに! ってカンジなの」
「このふたつがあわさると どうなるか わかる?」

「ウチらは さいきょうってコト」


「タイカイデン! おいかぜ!」

タイカイデンの羽ばたきによって生まれた追い風に乗って、ユキのバンバドロもすばやく攻撃を行います。

「バンバドロ! じしん!」

「くっ! ドヒドイデ! トーチカで みをまもって!」

バンバドロが打ち鳴らした地面は、飛んでいるタイカイデン以外のポケモンにダメージを与えます。

「まずい! ソウブレイズ! タイカイデンに むねんのつるぎ!」

ソウブレイズの腕が光り輝き、タイカイデンを切り裂きます。

「! リカコさん! だいじょうぶですか!?」

「ひるまない! このままいっきにきめるよ!」

「タイカイデンは かぜをおこすわざで でんきタイプのわざの いりょくをあげる!」
「そして いまのソウブレイズのこうげきで たいりょくがおおきくへった! がしかし!」
「ユキちゃんが ひろってくれたきのみ! このきのみは ピンチのときに とくこうを あげてくれるこうか!」

「リンちゃんのまえで またこのセリフをいうなんてね」

「あんたも しびれちまいな?」

「タイカイデン! ぜんりょくの ほうでん!」

タイカイデンの身体から放たれる電撃は轟々と音を立て、相手を攻撃しました。

ドヒドイデと ソウブレイズは たおれた!


「しょうしゃ! チャレンジャー!」

戦いに誘われ集まったジャングルのポケモン達も熱気に呼応するかのように雄叫びを上げます。

「いっしゅんすぎて なにもできなかった...!」
「これが リカコさんの ちから!すごい!」

「いやリンちゃん めっちゃほめてくれんじゃん うれしっ」
「でもこれで ユキちゃんにおんがえし できたかな」


「そういやリンちゃん あときてないの うちのとこだけっしょ?」
「うちのあいかたも はくねつしたバトルみすぎて うずうずしてっから はやくきてあげてね」


リンが施設から出ると、遠くから物凄い勢いで走ってくる人がいました。

「...リーン」

「?」

「リ...リーン」

「あっ!」

リンリーン!!

「アカリさん!」

走ってきたのはかつてのチャンピオンでリンの師匠、アカリでした。

「なんでここに?」

「そりゃあんた あたしがバトルフロンティア ていあんしたんだもん」
「それよりさ いまから リカコんとこ いくんでしょ? つれてってよ」

「え! いいんですか! いきたいです! いっしょに!」

リンはアカリと共に最後の施設 バトルガーデンに向かいました。


バトルガーデン

リン達が施設に着くと、入口の前でモエが待っていました。

「リンちゃん! アカリさんまで!」
「もーわたし みんなのたたかいみてて ほんっとに はやくバトルがしたくて」
「わたしたちの このバトルガーデンは とくにしかけとかなくて たんじゅんなダブルバトルのちからを きそうばしょなんです」
「でもふたりなら よゆうで かちすすんじゃうじゃないですか」
「だから さいしょっから わたしたちと バトルしましょ!」
「じゃあ きがえてくるんで! また!」

そう言ってモエは施設の中へスキップで入っていきました。

「モエは あいかわらず げんきしてんね〜」
「こりゃ あたしのあとがま たのんでせいかいだわ」
「んじゃ あたしたちも なかはいろっか」

施設の中は壮大な花畑が広がっており、いるだけでリラックスできるほど良い匂いが漂っています。

「リンさまと アカリさまですね! モエさまより おはなしは きいております!」
「いちおうですが ルールせつめいを!」
「ここでは ひとり1ぴきずつの ダブルバトルを おこなっていただきます!」
「それいがいに ルールはありません! おのれのじつりょくで かちすすんでくださいね!」
「それでは コートにおすすみください!」


リン達がコートへ進むと、奥から綺麗なスカートスタイルに青い花のかんむりを纏ったモエと、パンツスタイルに黄色い花のブローチを付けたリカコが歩いてきました。

「おー アカリさん! きてたんすね」

「あ リカコひさしぶりー」

「いや〜 アカリさんあいてか〜 さすがにキツいっすわ」
「いやでも まけねぇから」


「それでは りょうしゃ よういを!」


ガーデンルーラーの リカコ モエが
しょうぶを しかけてきた!

ガーデンルーラーの リカコと モエは
ラティオスと ラティアスを くりだした!

リカコ:ラティオス
モエ:ラティアス

チャレンジャーの リンと アカリは
ウーラオスと ウーラオスを くりだした!

リン:ウーラオス(いちげきのかた)


アカリ:ウーラオス(れんげきのかた)

「え! アカリさんも ウーラオス もってたんですか!?」

「あんたの ウーラオスしんかさせたの あたしだかんね? もってても おかしくないでしょ」
「いやー! リンちゃんと いっしょに たたかえるひが くるなんてね!」
「あでも あたしが ぜんぶたおすから リンちゃんは やすんでていいよ」

「は? なにいってるんですか そっちこそ やすんでていいですよ わたしがぜんぶ たおすんで」

「あんたに あのふたりが たおせるわけないでしょ」
「えもしかして たおせるとかおもってますぅ?あなた?」


「まったく あのふたりは かわってないねぇ」
「ラティオス! アカリさんの ウーラオスに サイコキネシス!」

「あれれ? アカリさん ダメージうけてますけど だいじょうぶですか?」

「やっぱり にたものどうし ひかれあうんですよ きっと」
「ラティアス! リンちゃんの ウーラオスに エアスラッシュ!」

「リンリンこそ ダメージうけてるけど だいじょうぶそうですか〜? たえられる? だいじょうぶ? ん?」

「うるさい! ウーラオス! ラティオスに あんこくきょうだ!」

「はぁ〜? こっちのセリフだけど? ウーラオス! ラティオスに れいとうパンチ!」

ラティオスは たおれた!

2人の放った技が同時に当たり、ラティオスを倒しました。

「はいわたしのおかげ〜」
「リンリンごめんね〜 あたしのおかげで〜す」

「いやいや わたしが たおしました」
「いまみえなかったんですか? あたしのわざが あたったしゅんかんに たおれましたよ?」


「ふたりとも ふつうに つよいの やめてもらっていいですか?」
「ラティアス! リンちゃんの ウーラオスに エアスラッシュ!」

ウーラオスは たおれた!

「あれれ〜 リンリンの ウーラオス たおれちゃったねぇ? どうしちゃったのかな?」

「くっそ... いやまあ こんかいは ゆずってあげますよ」

「ま そういうことよね あたしのほうが つよいってこと さいしょっから わかってたけどね」
「ウーラオス! れいとうパンチ!」

ウーラオスのれいとうパンチはラティアスに当たりましたが、倒れませんでした

「え たおれないの やばくね?」


「ラティアス! トドメの サイコキネシス!」

ウーラオスは たおれた!

「しょうしゃ! ガーデンルーラー!」


「あれれれれれ? アカリさん どうしたんですかぁ?」
「たおせなかったですねぇ? あれ? つよいんじゃ なかったでしたっけ?」

「リンリン このやろー!」

アカリとリンが揉みくちゃに暴れ始めます。

「ふたりとも からみあうの やめて! マジで!」
「いやさあ ふつうにやってたら アンタら かってたから」
「でも みててめっちゃおもしろかったわ しょうじき」

「あー! たのしかったー! やっぱりバトルってたのしいですね!」
「リンちゃんと アカリさんは あいしょうばっちり ですね! やっぱり!」


アカリと別れた後、中央の広場に全員が集まりました。
集合を確認すると、モエが話し始めました。

「さて! みんなどうだった!?」

「さいこう!」
「たのしかった!」
「またいきたい!」

「うん! まんぞくしたみたいで よかった!」
「じゃあさいごに もうひとしごと!」
「オープンのときに きねんで チームバトルをやることが きまったの!」
「ほんばんに そなえて バトルしとこっか!」

それぞれのチームのリーダーにはモエとリンが選ばれ、各メンバーも決まりました。

グループA:モエ リカコ アヤノ レイラ

グループB:リン カワナ シオン ワカナ

「じかんのつごうで ユキと ハナと ユキホは いれられなかったけど おきゃくさんと こうりゅうしてほしいな!」
「とくに ハナと ユキホは はいったばっかりだし!」
「ユキちゃんは こうりゅうしながら ふたりのこと まもってあげてね ユキちゃんなら よゆうでしょ?」


そうして、広場でバトルが始まりました。

が...

「はぁはぁ... わたしたちの ぜんぱい...?」

リン率いるグループBは全敗してしまいました。

「さすがに チームかえたほうが いいかもね」
「ま それはあとで かんがえるとして」
「おつかれさま! これできょうはおわり! オープンは いっかげつご だからね!」

そうして、アンジュルムによるバトルフロンティア プレオープンは幕を閉じたのでした。




プレオープン終了後、カワナ シオン ワカナの3人はワカナの店に来ていました。

「ざんぱいだったね」

「うん ほんと てもあしもでないって かんじがした」

「でもさ ここままでいいのかな」

3人はそれぞれの理由で落ち込みながらも、このままではダメだという事だけが共通認識としてありました。

すると、店内にとある人が入ってきました。

「こんばんは まだあいてる?」

「あっ リナさん」

その人物とは、ラルム地方ポケモンリーグ四天王のリナでした。

「おみせはしめちゃったんですけど かんたんなりょうりなら まだつくれますよ」

「ほんと? わざわざごめんね」

ワカナが厨房へ向かうと、リナが話を切り出します。

「で? なんでそんなに けわしいかおしてんの?」

「そうですね...」

シオンとカワナは、リナに事の発端と負けたこと、そしてこのままでは良くないという危機感があることを話しました。

「ふーん そんなことがあったんだ」

「リナさーん あまりもので もうしわけないんですけど おいしいはずなので〜」

「ありがと ワカナちゃんも そこにすわって」

「? はい!」

「はなしは よくわかった ようは オープンまでに つよくなりたいんでしょ?」
「ならさ あたしたちに たよってくれても いいんじゃない?」

「えっ いいんですか?」

「みんなにつよくなってほしい ってことは みんなおもってるからね」
「もしよければ なんにんか こえかけてみるけど」
「さんにんはどうなの? やるきある?」

「「「ぜひ! おねがいしたいです!」」」

「おっけー わかった じゃ きまったら れんらくするから」
「さめきっちゃうまえに ごはんたべよっか」




「さて わざわざ あさはやくに ごめんね シオンちゃん」

「いえいえ! リナさんに おしえてもらえるだけで とってもうれしいので!」

話があってから数日後、リナとシオンは広い高原に来ていました。

「あのときは おしえるとか たいそうなこと いってたけど」
「べつに ウチは おしえるの とくいじゃないし」
「シオンちゃんはさ ななころびやおき ってしってる?」

「なんどたおれても またたちあがる みたいなやつですよね」

「そうそう いまから それをします」

「え?」

直後、リナのモンスターボールから飛び出してきたメロエッタがシオンを蹴り飛ばしました。

メロエッタ(ステップフォルム)

「いってー!!!!」

「いまから メロエッタが シオンちゃんと ポケモンを けりとばすから」
「タチアガって そのたびに でっかく つよく なるイメージで」

「なるほど わかりました! やります!」


数日後。
蹴り飛ばされるシオンを片目に、リナは何やら資料を見ています。

「ハァハァ リナさんは なにを されてるんですか? ハァハァ」

「ん〜? こんどの オープンのときの みんなのいしょうを みてるのよ」
「ふだんは ようふく つくってるから みんなににあう いしょうを つくってんの」

「へぇ! そうなんですね! じゃあわたしのも! かわいく! してくださいね! グヘッ」

「ふふ じゃあわたしのふくに にあうくらいに つよくなってね」

リナが資料を見終わると、メロエッタの動きが止まりました。

「あれ? おわりですか?」

「うん もう けりとばされなくて いいよ」

「やったー!!!」

「しゅぎょうは まだつづくけどね」
「どう? いままでで でっかく つよくなるイメージ できた?」

「はい! なんとなくですけど」

「じゃあつぎは じっさいに でかくなろっか

「は???」




シオンが蹴り飛ばされていたその頃、カワナは湖畔へと来ていました。

「あっ! カワナちゃーん!」

「カナさん! きょうは ありがとうございます」

「ぜんぜん! だいじょうぶだよ むしろすっごく たのしみにしてたから!」

カワナに指導をしてくれるのはリナと同じく四天王のカナでした。

「こんかいは なにをするんですか?」

「こんかいはね モノマネ!」

「え? モノマネ ですか?」

「そう! わたしがね まだジムリーダーだったころ ケッキングっていう あいぼうが いたんだけど」
「わたしと ケッキングが ぜんぜんいきが あわなくて!」
「だから わたしが ケッキングのゴリラみたいな うごきを マネしたの!」
「ね! ケッキング!」

ボールから飛び出したケッキングが嬉しそうに鳴きます。

ケッキング

「そしたら それはそれは いきがあうように なっちゃって!」
「だから カワナちゃんにも カエルになってほしいの!」

「あたしが カエルに ですか? ...よくわかんないけど やってみます!」


それから数日後。

「ケロケロケロ! ゲコゲコゲコゲコ ゲコ!」
ピョーン
「ゲコゲコ ケロケロケロケロ!」
ピョーン
「ケロケロ ゲコ! ゲコゲコゲコ!」
ピョーン

「す すごい! めかくし したら どれがカワナちゃんか まったくわからない!」
「えーっと ひとりめ!」

「ざんねん! ふたりめが わたしでした! ひとりめは わたしの カエルポケモンです!」

「まじかー! むずかしすぎるよ!」
「いやぁ まさかここまで じょうたつするとはね」

「ケロケロケロ ありがとうございます」

「わらいかたに えいきょうがでてるよ...」
「とりあえず モノマネは しゅうりょう!」
「つぎからは ゼンリョクを だしてもらうよ!

「ゼンリョク ですか? がんばります!」




ワカナは一人、誰もいない劇場に来ていました。

「どこにいるんだろ」

「ワカナちゃん! またせてごめんね」

舞台袖から出てきたのは、四天王のメイミでした。

「あ あの メイミさん きょうはありがとうございます」

ワカナは古くからメイミのファンで、とてつもなく緊張していました。

「あはは きんちょうが めにみえてわかるね」
「すこしずつ なれてくれたら うれしいな」

「それで きょうは なにを?」

「うん きょうはね ワカナちゃんと おはなししたいなって」
「わたしは ちいさなころから おもてぶたいに かかわって いきてきたんだけど」
「ワカナちゃんは ふつうのおんなのこから いっきに ジムリーダーに なったんでしょ?」

「そうですね それこそ ジムリーダーだった メイミさんや モエさんに あこがれてて」

「だから おたがいに はなしあえば いろいろみつかることも あるかなって」

「なるほど たしかに メイミさんのいろんなこと わたし きになります!」

「それじゃあ おはなししよっか」


メイミとワカナは、お互いの過去や現在の心境、そして今抱いている夢について語り合いました。

「へぇ ワカナちゃんのこと よくわかったし とってもおもしろかった! ありがとう」

「わたしも こんなたいけんができて かんむりょうです! えへへ」

「よし じゃあ おたがいのことを しれたことだし」
「つぎは ぶたいじょうで キラキラかがやく ひけつを おしえてあげるね」
「あと スペシャルゲストも よんでるよ!」

「キラキラかがやくって すてきですね! おしえてください!」




「こりゃまた ハデにまけたね リンリン」

「アカリさん みてたんですか...」

「わはは そんな ろこつに おちこまなくても いいじゃん」
「で? アンタはどうなのよ」

「どうって なにがですか?」

「このままでいいのかって きいてんの」
「いまのままで まんぞくしてる? またボコされるよ?」

「まんぞくしてるわけ ないじゃないですか! くやしいにきまってます!」

「そのことば きけて あんしんしたよ」
「あさって あたしたちが はじめてであった あのばしょにきて」
「けいこ つけたげる」




「よし おくれずにきたね」

「けいこって なにをしてくれるんですか?」

「あたしとリンリンがいるなら やることはひとつでしょ」

「バトル ですね」

「そうそう そういうこと」
「あんたのリザードン だしな」
「あたしのリザードンと たたかわせてあげるよ」

「アカリさんも リザードン もってたんですね」

「まぁ あたしも リンリンみたいなころが あったからね」
「リザードンは あいぼうだったの だから めっちゃつよいよ」

「ぜひ たたかわせてください おねがいします」

「いわれなくても やるつもりよ」
「すぐ へこたれないでよね」


「はぁはぁ やっとかてた!」

「なかなか スジが よくなってきたじゃん!」
「じゃあ こっからが ほんばんね」

「えっ」

「まあ みてなって」

そう言うと、アカリのイヤリングがキラリと光り、同時にリザードンが光に包まれます
そしてその光を突き破るように、先程とは違う、青い炎を纏った姿のリザードンが現れました。

メガリザードンX

「なにこれ! すごい!」

「これはメガシンカ ポケモンと トレーナーの きずながきょうめいしたときに あらわれる あらたなしんか!」
「あんたには これを おぼえてもらうよ!」

「メガシンカ... かっこいい!」

「そんでこれが メガシンカにひつような メガストーンね リンリンにあうように ペンダントにしてあるから」

「わぁ ありがとうございます!」

「はいじゃあ れんしゅうれんしゅう! はやくやんないと おわんないよ!」

「はい!」




オープン当日。
フロンティア内は予想を遥かに超える大盛況で、スタッフ達が忙しそうに動いています。
そんな中、アンジュルム控え室にモエがやって来ました。

「みんなおはよ〜」

いっって! あっ モエさん おはようございます!

ケロッ! ケロケロ ゲコゲコゲコゲコ!

いやぁ モエさん すばらしい あさですね... たいようが よりいっそう かがやいて わたしたちを てらしてくれています

「え? みんなどうしたの!?」
「シオンは ボロッボロだし」

「そりゃあ ボコボコに けりとばされまくったので!」

「カワナは いっしゅん だれだか わかんなかったし」

「ケロケロケロ にてました?」

「ワカナは なんか すごい ぶんがくてきに なってるし」

「なにをいってるんですか モエさん... わたしは かがやきをてにいれた ただそれだけですよ」


「いったいどういうこと!?」
「あっ リンちゃん! なんかさんにんが おかしいんだけど!?」

「はぁ そっすね」

「えっ なんかすごい おちこんでない!?」
「きょうは ほんばんよ!? みんな だいじょうぶ!?」
「まあ いったん おいといて」
「チームがえの はなしなんだけど...」

「「「「このままで やらせてください」」」」

「え? みんながいいなら それでいいけど」

「モエさん いったい なんのために わたしがボコボコにされて カワナが カエルになって ワカナがぶんがくてきになって リンさんが おちこんでると おもってるんですか!」
「ぜんぶぜんぶ きょう みなさんをたおすためですよ!」

「へぇ いってくれるじゃん!」
「じゃあ きたいにこたえて みせてもらおうかな! みんなのがんばり!」




会場となる広場には人がごった返しており、全員が今か今かとアンジュルムの登場を待ちわびています。
するとそこへ、リナがプロデュースした美しくも力強さを感じる素敵な衣装に身を包んだモエが歩いてきました。

「みなさん! きょうは おあつまりいただき ありがとうございます!」
「わたしたち アンジュルムで このバトルフロンティアを かいさいできること ほんとうに うれしくおもっています!」
「では このセレモニーの さいごに!」
「アンジュルム せんばつメンバーによる エキシビションマッチを おこないます!」

モエが宣言をすると、各メンバーのイメージカラーをあしらった衣装で全員が登場してきました。


その頃、少し離れた関係者席からバトルを見守ろうとする人影がありました。

「なに ぐうぜんよそおって シオンちゃんたちが まけたの しってて ワカナちゃんのおみせ いったんでしょ」

「そんなの どうでもいいの こまってた こうはいたちを ただ たすけただけよ」

「で? どっちがかつとおもう? リナ」

「わたしもなにを れんしゅうしたのか しらないから わかんないけど リンちゃんたちなら かってくれるんじゃない」

「あはは! じゃあ みものってことだね」

その人影とはアカリとリナでした。
2人はバトルの始まりをガヤガヤと話しながら待っていました。


「このエキシビションマッチは モエひきいる Aチームと リンひきいる Bチームに わかれて おこなわれます!」

「さいしょの たいせんは レイラ たい カワナ!


「カワナ なにやら かわったらしいじゃん みせてよ」

「ゲコッ ケロケロケロケロ」

「は???」


アンジュルムの レイラが
しょうぶを しかけてきた!

トレーナーの レイラは
シェイミを くりだした!

シェイミ(スカイフォルム)

トレーナーの カワナは
ゲッコウガを くりだした!

ゲッコウガ

「シェイミって あのまぼろしの ポケモンじゃないですか!」

突如現れた幻のポケモン シェイミにカワナは驚きます。

「オープンまでのあいだに なにかしてたのは カワナたち だけじゃないってこと!」
「ハチといっしょに わざわざ じもとまで かえってから みつけたんだからね!」
「いちげきで しずめちゃうからね!」

レイラのシェイミがエネルギーを溜め込みはじめ、全身がキラキラと輝き始めました。

「シードフレアか これはすこし まずいかもね」

シェイミの技を見て、リナが難色を示します。


「まずい! ゲッコウガ!」
「ゲコゲコ ケロケロケロケロ!」

「ゲコッ!」

カワナからカエル語で話しかけられたゲッコウガは咄嗟に反応し、構えを取ります。

「こっちも いちげきで きめます!」
「こっからは わたしもどうなるか わかりません!」
「だけど みらいは ミステリー! ゼンリョクを ぶつけます!」

そう言うとカワナは腕輪を光らせ、踊り始めました
その様子にレイラは驚きます。

「は? なにしてんの???」

「いきますよ! これがわたしたちの ゼンリョクです!」

「コウガッ!」

踊りの最後に決めポーズを取ったカワナの腕輪の光がゲッコウガにまとわりつき、ゲッコウガは一瞬にして巨大な渦潮を作り出しました。

ゲッコウガの技を見たアカリが驚きの声を上げます。

「ほー! Zワザね! なるほど カナのやつ なかなかいいこと おしえんじゃん!」
「こりゃ さいしょっから どデカいぶつかりあいだね!」


レイラとカワナは同時に叫びます。

「シェイミ! シードフレア!」
「ゲッコウガ! スーパーアクアトルネード!」

シードフレアの爆発とスーパーアクアトルネードの渦潮がぶつかり合い、会場は水蒸気に包まれます。

「どうなった!? リナ 見える!?」

「どうやら きまったみたいよ」


水蒸気が晴れると、そこに立っていたのは
シェイミでした。

「しょうしゃ! レイラ!」

最初からの大激戦に会場は大いに盛り上がります。

「まさかここまで はりあわれるなんて! そうぞうしてなかったよ! カワナ!」

「わたしのゼンリョク まぼろしのポケモンには とどきませんでしたね」
「でも まんぞくです!」

2人は握手をし、そのまま手を繋いで退場して行きました。


「つぎの マッチは リカコ たい シオン!


「ちょまって シオンなんでそんな ボロボロなん」

「いろいろあって そりゃあもう ボコボコに!」

「マジで どゆこと? おもしろすぎんだろ」


アンジュルムの リカコが
しょうぶを しかけてきた!

アンジュルムの リカコは
カプ・コケコを くりだした!

カプ・コケコ

アンジュルムの シオンは
ブリムオンを くりだした!

ブリムオン

「おお! カプ・コケコですか! リカコさん らしい!」

「へへ あんがとね」
「でもようしゃしないよ でんきタイプは すばやく
 いっきに! だからね」


その頃、アカリとリナ。

「ねぇあんたはいったい なにをシオンに おしえたのさ」

「んー? みてればわかるよ たぶんアカリ おおわらいするとおもう」


「いっきに いくよ!」

リカコが指示を出すと、カプ・コケコは一瞬の内に姿を消し、高速でブリムオンを攻撃し始めます。

「ほらほら! ついてこれる!?」

その激しい猛攻にも、シオンは落ち着いています。

「うーん おもいだしますね」

「なにを?」

「あのとき けりとばされた かんかくを です」
「いっぽうてきは いやなので なんとかやりかえしたいんですよね」
「でもあたしのブリムオンは カプ・コケコのスピードに ついていけません」
「でも わざなら あてられます」

「どうやって? スピードに ついてこれないんでしょ?」

「こたえは こういうことですっ!」

突如、シオンがボールにブリムオンを戻しました。


「あーっはっはっは! そういうことね! なるほどシオンちゃんらしいわ!」

リナの予想通り、アカリは大笑いします。


一方リカコは頭にはてなマークを浮かべています。

「は? なにするつもり?」

「ななころびやおきで! でっかくつよく!」
「ブリムオン! キョダイマックス!

シオンがそう叫ぶと、手に持ったボールが巨大化し、両手で持つのがやっとのレベルまででっかくなりました。
そしてシオンはその巨大化したボールをぶん投げます。

ズン..ズン…ズズズズン!

ブリムオン(キョダイマックス)

シオンの投げたボールから、見上げるのがやっとのレベルで巨大化したブリムオンが出てきました。

「いや さすがに デカすぎんだろ!」

「わざが あたらないなら でっかくなれば いいんです!」
「そんなこと きほんちゅうの きほんでしょ?
「いけブリムオン! キョダイテンバツ!」

キョダイマックスしたブリムオンの放った技はフィールド全体を包み込み、カプ・コケコ諸共全てを吹き飛ばしました。


「ガハハハ!!! こりゃさすがのリカコも どうしようもないね!」
キョダイマックスか! おもしろかった!」

「ふふ シオンちゃん しっかりと きめてくれたね」

見ていた2人も満足そうです。


「しょうしゃ! シオン!」

「いやシオン これはヤバすぎでしょ」
「さすがに どぎも ぬかれたわ」

「ボッコボコにされまくった かいがありましたね」
「でも これまでのあたしだったら ぜったいにまけてました! ありがとうございました!」

「あはは やくにたてたなら そりゃよかった」

2人は談笑しながら退場して行きました。


「さんせんめは ワカナ たい アヤノ!


「いやー やっぱり ワカナちゃんと たたかえるの すごくうれしい!」

「えへへ〜 あたしもすごく うれしいです〜」
「でも きょう このバトルで あこがれから ライバルへ のぼりつめてみせますので おみしりおきを!」

「あたしも ぜったいにまけないからね!」


アンジュルムの アヤノが
しょうぶを しかけてきた!

アンジュルムの アヤノは
ジラーチを くりだした!

ジラーチ

アンジュルムの ワカナは
タルップルを くりだした!

タルップル

「ジラーチ…! うまれてはじめて みました」

「モエと モモナと ムスブとね よぞらをみながら たがいのゆめを かたりあってたの
「そしたら そらから ジラーチが ふってきたんだ」
「すごくキラキラしちゅーから さんにんから まかされたんだ」
「ワカナちゃんも はがねタイプじゃないんだ めずらしいね」

「このこは おみせでしいれた リンゴのなかに まじってた カジッチュを しんかさせたんです〜」

カジッチュ

「そのときは もう はがねタイプを つかってましたから このこは スイーツづくりの たんとうだったんです」
「でも ずっとバトルに きょうみがあったみたいで」
「なので こんかいは タルップルに 任せてみました」

「なるほど! じゃあ ういじん ってことだね!」
「でも ようしゃ しないよ!」
「ジラーチ! はめつのねがい!

アヤノが指示をすると、ジラーチは空を見上げ鳴き声を上げました。

「はめつのねがいは いんせきを おとすわざ! じかんはかかるけど そのぶん いりょくは ぜつだいだよ!」
「まってるあいだにも こうげき していくからね!」

攻められるワカナ。しかし、本人は至って冷静です。

「わたしの タルップルを きたえてくれたのは ムロさんでした」

「ワカナちゃんが タルップルをそだてたいっていうから きょうは スペシャリストを つれてきたよ!」

「ワカナちゃん! ドラゴンタイプ つかいたいって?」
「あたし ムロ! ドラゴンタイプの ジムリーダーやってるから なんでもきいて!」

「そのムロさんに おそわったんです キラキラかがやく ほうほうを」

「なるほど じゃあ そのタルップルは じぶんが はがねタイプじゃないことを きにしてたんだね」
「でも だいじょうぶ! タイプはかえられない なんてふるくさい ほうていしきは すてていいよ」
「あいことばは どんなじだいにも ながされずに!
「ワカナちゃんなら ぜったい できるよ!」

「あいことばは どんなじだいにも ながされずに! すべては ウチらのための キラキラ!
「タルップル! テラスタル!

ワカナがオーブを掲げるとそこに光が集まり、輝きを放ち始めます。
そしてそのオーブをタルップルに向けて投げると、たちまちタルップルは光の結晶に包まれました。
光の結晶が破裂すると、中からキラキラとクリスタルのように輝きを放つタルップルが現れました。

タルップル(はがねテラスタル)

テラスタル やっぱり キレイだね〜」
「これは そうていしてたの? リナ」

「メイのことだから らしいっちゃ らしいよね」
「ムロもかかわってるのは しらなかったけど」


「わぁ… すごい! キラキラしちゅーね!」

「キラキラしてる だけじゃないんです! テラスタルしたタルップルは はがねタイプに なってるんですよ!」

「なるほど! じゃあ ワカナちゃんの こせいにも あってる!」

「これで はめつのねがいは はんげん できます!」
「タルップル! りゅうのはどう!」

「さすがワカナちゃん やるね! ジラーチ! サイコキネシス!」

お互いの技がぶつかり合い、両者ともにかなりのダメージを負いました。
しかし、アヤノは不敵に笑います。

「あはは! ワカナちゃん! けっちゃくが つくときが きたみたいだよ!」
「そらを みてごらん!」

空を見上げると、はめつのねがいによって隕石が降ってきていました。

「ぐっ タルップル! アレいける!?」

隕石が近づいてくる中、タルップルはワカナの方を見て静かに頷きます。

「やっぱり きみを えらんで よかった!」
「タルップル! りゅうせいぐん!

ワカナの指示に合わせて、タルップルは口から巨大なエネルギー弾を空に打ち上げました。
そのエネルギー弾は空中ではじけ、ジラーチに降り注ぎます。しかし、それと同時に隕石もタルップルに目掛けて着弾しました。
爆音が鳴り響き、会場は煙に覆われます。


アカリは目を見開きます。

「これは…!?」

会場中が固唾を呑んで見守る中、煙が晴れると、そこには倒れた両者のポケモンがいました。

「まさか…ひきわけ!?」


「このしょうぶは… ひきわけとなります!」

ジャッジが出たあと、お互いにポケモンに駆け寄ります。

「タルップル〜! おつかれさま! よくがんばったね!」

「ジラーチも おつかれさま!」

2人はポケモンを介抱しながら、仲良く退場していきました。


「さいしゅうしあいは リン たい モエ!


「ねぇリンちゃん どう? げんきでた?」

「あ いや みんな さすがだなって あたしと ちがって…」

「いやいや! そんなことないって!ね!」
「わたしたちの しょうはいで けっちゃくが きまるんだから! ほら げんきだして!」

「うわぁー そうですよね あたしのせいで…」

「ああああ ごめんごめん リンちゃん せいで とか いわないで おねがい」


アンジュルムリーダーの モエが
しょうぶを しかけてきた!

アンジュルムリーダーの モエは
カプ・レヒレを くりだした!

カプ・レヒレ

アンジュルムの リンは
リザードンを くりだした!

リザードン

「おおー カプ・レヒレか」
「ありゃ リカミコふたりで つかまえにいってんね」
「で? アカリは リンちゃんに なにおしえたのよ」

「いやーそれがさー メガシンカおしえたんだけど」
まだいちども せいこうしたこと ないんだよね

「は?」
「んー でもさ それって あんたがとなりに いたからじゃない?」

「え マジ? そういうこと?」


「リンちゃんが なんでおちこんでるのか しらないけど どんどんいくよ!」
「カプ・レヒレ! あまごい!」

カプ・レヒレの技によって、たちまち雨が降り始めます。

「(なんで メガシンカできないんだろ)」
「(アカリさんは あんなに かんたんそうに やってたのに なんでわたしは できないの?)」
「うーん リザードン! エアスラッシュ!」

リザードンは不服そうな顔でエアスラッシュをうちます。

攻撃が当たりますが、カプ・レヒレは余裕を崩しません。

「(こんなんじゃ いつまでたっても アカリさんに おいつけない…)」
「(これじゃ また モエさんに まけて せっかく がんばってくれた みんなに あわせるかおが ないよ…)」
「(そして おしえてくれた アカリさんにも…)」


「リナ すこし みみふさいどきな」
「…ッスゥー」

「リンリーン!!!」

「!? アカリさん!?」

「あたしのことなんて きにすんなー!!!」
「じぶんのために たたかわんかーい!!!」

「じぶんの ために…」


「リナ どう? これさ とどいたかな」

「まぁ あんたくらいの ばくおんなら とどくんじゃないの」
「それより なにか きづいたみたいよ」


「(そうか あたし ほかのみんなのこと きにしすぎて わたしと リザードンのこと なにもかんがえられて なかった)」
「(あたしのことは あたしが いちばんわかってる! あたししか このじょうきょうは うちこわせない!)」
「(あたしを つくるのは あたし! これは ほかのだれでもない あたしの ものがたりなんだ!)」

その時、リンの胸のペンダントが光り輝き始めました。
その光に、すかさずアカリは反応します。

「ん! きた!」


「これは… アカリさんにみせてもらった あのときの ひかり!」

リザードンは嬉しそうにリンを見つめ、リンと息を合わせます。
リンが光るペンダントを掲げると、リザードンは光に包まれ、それを突き破るように中からメガリザードンYが飛び出してきました。

メガリザードンY

「これがあたしの メガシンカ…  アカリさんとは ちがう あたしだけの メガシンカ!」

メガリザードンYの特性 日照りにより、雨が降りしきっていた空がだんだんと晴れ、快晴になりました。

「リンちゃん! やっと げんきが でたみたいだね! やっぱりリンちゃんは そうでなくっちゃ!」
「よーし! リンちゃんに つられて わたしも げんき でてきた!」
「よっしゃ! カプ・レヒレ! ぜんりょくの ハイドロポンプ!

「リザードン! いまの あたしたちなら ぜったいかてる!」
「いくよ! リザードン! ぜんりょくで! ソーラービーム!

両者が同時に放った技はぶつかり合いますが、リザードンのソーラービームがハイドロポンプを突き破り、カプ・レヒレに直撃しました。


「しょうしゃ! リン!」
「よって このエキシビションマッチ かったのは リンひきいる Bチームです!」

「リンさーん!」
「リザードンかっこよかったですー!」
「ケロケロケロ!」

見事勝利を収めたリンの元に、Bチームの面々が集まってきました。
その様子を見ながら、モエは締めの言葉をはじめます。

「みなさま いかかだったでしょうか!」
「この バトルフロンティアには かのじょら のような こせいゆたかな メンバーが あなたの ちょうせんを まっています!」
「それでは! いじょう!」

「「「アンジュルムでしたー!」」」




会場が白熱している中、アヤノは1人会場の裏に来ていました。

「いやあ まけちゃった」
「あたしたちのしあい みてたんでしょ? モモナ

「あれ もしかして バレてました?」
「めちゃくちゃ おもしろかったです!しあい!」

「…ほんとに いくの?」

「うん あんな しあい みせられたら わたしも あとにはひけないっすよ」
「じゃあ わたし いってきます」
「つぎにあうときは みんなと かたをならべて… いや みんなを おいこしてみせるから!」

モモナはくしゃっと笑ってそう言い残すと、夜空へ向かって歩み始め、振り向く事はありませんでした。


「アヤノはかせー! なにしてるのー?」

「ごめんねリンちゃーん! なんでもないよー! すぐもどる!」

アヤノは去りゆく背中に向けて呟きます。

「…モモナのすすむみちが あかるいもので ありますように」

アヤノの呟きに、願いを叶えるポケモン ジラーチがボールから飛び出してきました。

「あはは ジラーチ だいじょうぶ いまのは わたしのかなえたい ゆめじゃない これは…」

「モモナが かなえる ゆめ だから」







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