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ラストオリジン 怒りの狼牙感想記事(99%愚痴)

ラストオリジンの虚淵玄コラボイベント、怒りの狼牙の第2部が公開され、事実上の完結を迎えました。というわけで今回はその感想記事です。
実際には後日談の第3部が残っているのですが、本来は書く予定がなかったものらしいので今回で完結扱いでいいだろ。俺の怒りが冷めないうちに書きたいんだ。
私の感想を極限まで簡潔に書くと「死ね」です。

そんなわけで普通に今回のイベントを楽しめた方は読まない方がいいです。
また、今回は思ったことを勢いで書いているので普段より文が雑だと思いますが、その点もご了承ください。


ストーリー全般

今回のイベントを要約すると「"新しいホード"について行けず、足を引っ張っていたケシクが覚醒して活躍、部隊の一員として馴染んでめでたしめでたし」といった内容ですが、とにかく納得できないのがここで言う覚醒の部分です。
本ストーリー終盤、ケシクはカーンと同じように戦う決意を固め、そして実際にカーンと肩を並べて敵を蹴散らすのですが。
これケシクにやらせる必要あった?

カーンの前身とは言え本来のケシクは支援が仕事なわけで、だったらその活躍は支援によって描くべきだったと思います。
カーンは強い、だからその全身であるケシクだってカーンのように戦える。
これって結局、本来の「ケシク」を踏み台にして、ひたすら「カーンは凄い」とアピールする引き立て役にしているようにしか見えません。

今回のシナリオ中で、オルカのカーンが誕生した経緯について「他の量産機にはない突然変異的な要素を見出されたから」と言われています。
で、本イベントのケシクも「突然変異できた側」になったから結果的に解決したわけですが、ケシク本来の能力は活かされずに終わってるわけじゃないですか。
シナリオ序盤でカーンが「オルカのホードは100年前の三安のホードとは全く違う。私が、変えてしまった」と戦術を歪めてしまったように言っていましたが、
その歪んだ戦術をケシクが支援して洗練された形に昇華させるとか、そういう活躍を描いてこそケシクの活躍と言えたんじゃないでしょうか。

決意を固めたら突然変異を起こして、劣化版カーンとして暴れ回るのがケシクの活躍みたいに描かれて終わり。
これって結果的にイベントの最初で言われていた「ケシクは有効な戦力にならない、価値がない」って発言を肯定することになってないか?
だって本来の「ケシク」としては何の活躍もしてないもん。

そもそも単に「仲間を守るために覚醒してケシクが狼、カーンとなる」って展開を描きたいなら、それこそ過去話としてオリジナルのカーンでその話をやればよかったでしょう。
現在の時系列で新しく「ケシク」を登場させて、そのケシクに初代カーンの真似事をさせる必要があったのか?
この話のケシク、何のために出てきたの?

司令官が無能

本イベントは虚淵玄本人が「本編8章より後、ブラックリリス外伝よりは前の出来事」と語っているのですが、
本編8章より後と言うと「妖精の村のアリア」よりは後の時系列です。
で、何が言いたいかというと、この妖精村で「少人数で行動していたら通信を妨害されて孤立、ピンチになる」展開を一度やっているわけですよ。
だからジャミングによる孤立は特に警戒しなきゃいけないはずなのに、また同じミスをやっている。これがあまりにもマヌケすぎる。
「鉄虫がこんな周到な計画を仕掛けてくるなんて……」といった独白もありますが、そもそも本編3章の時点でトリックスターが囮作戦を使ってきているし、
その後も仲間たちに演説を行っているスピーカーの登場とか、教皇がどうたらと言って鉄の王子を連れ去っていったエクスキューショナーの登場とか、
「鉄虫は人間と同等の高度な知性や社会性を備えている」ことは散々理解してきた後のはずです。なのにこのザマ。
ピンチからの脱出を描くために一度ピンチに陥って貰う必要があったのは分かりますが、その過程があまりにもお粗末で司令官がとんでもない無能になっている。
それも結果的に被害が出ずに終わったならまだマシですけど、瀕死の重傷を負ったキャラが複数出てますからね。これ司令官居ない方がマシだったんじゃない?

別に私は司令官にものすごく感情移入していたわけではないですが、一応司令官はストーリー上非常に有能な設定のはずなのにこの描写はいくら何でも酷い。
特定のキャラを有能に見せるために他の誰かを無能にするって、一番やっちゃいけない方法だと思うんですがね。

タロンフェザーの偽物

仲間との雑談時でも丁寧語

本イベント最大の問題。
過去のイベントで登場したタロンフェザーは相手を問わず「です・ます」口調でした。
司令官や隊長がその場にいるときに限らず、同じ部隊員とプライベートな会話をしている場面でも一貫して丁寧な口調です。
少なくとも私が確認した範囲では、タロンフェザーが明確にタメ口で会話していたシーンは一度もありません。

なのに本イベントではタメ口で喋るシーンだらけです。
今までの戦いの中で仲間と打ち解けてタメ口になった可能性も……と思いましたが、初対面のケシクにタメ口で話しかけているのでどうやらそれも違うようです。
独り言のシーンでは更に荒っぽい口調で喋っているシーンもあり、どうも虚淵玄はタロンフェザーについて「丁寧な態度と変態的な趣味が両立したキャラ」ではなく、
「外面だけ丁寧そうに取り繕っているが本性はひたすら下品(そしてあまり隠せていない)」みたいなキャラだと認識しているようです。

誰?

私はタロンフェザーと誓約しているんですが、変態的な趣味を持つ一方で物腰は一貫して丁寧なキャラクターが好きだったんですよ。
上司の前でのみ丁寧な態度を作って、新人相手にはタメ口でズケズケと話しかけ、単独行動時には乱暴な言い回しをする、ただの厄介オタクみたいなキャラが好きだったわけじゃない。
これで後のタロンフェザーがタメ口キャラになったらマジで誓約解除したいくらい嫌だ。虚淵のせいでタロンフェザーを嫌いになりかねない。

結局

普通、他人の作品に関わるとしたら原作のキャラを崩さないようにする、原作ファンの期待を裏切らないようにするのが大前提だと思うんですが、
虚淵玄は本当にそういった事を一切考えておらず、ただ単に自分の気に入った設定だけを「抽出」して、後は本当に好き放題作って終わっている。
だってそうじゃなきゃ一貫して丁寧語だったキャラがタメ口でベラベラ喋りだすような話を書くわけないもん。
名探偵コナンの光彦や、デジモンアドベンチャーの光子郎がタメ口で喋る同人誌があったら「あ、こいつ作品全く見てないな」と思うじゃないですか。
でも虚淵玄はラストオリジンについてずっと注目していた作品のように言っていたくせに、いざ公式の立場に入って出してきたものがこれですよ。

実際のところタロンフェザー以外にも違和感のある部分は多くて、例えばウェアウルフもこんなクールで気の利いた言い回しを多用するキャラか?と思ったりもしたんですが、
この点についてウェアウルフは元々映画の影響で武器を持ち替えたキャラなので、洋画みたいな言い回しが多いキャラとして書かれても「間違い」とは思いませんでした。
(ぶっちゃけ今までのストーリーでもそこまで延々バカばっかり言ってるキャラではなかったし)
ですが、常に丁寧語のキャラがタメ口でベラベラ喋ってるのは明らかな「間違い」ですよ。個人の許容範囲とかの問題じゃない。

また不愉快なのが、今回のイベントについて不平を口にしている人がほとんど見当たらないことです。
特にタロンフェザーの口調なんて初日からボロカス叩かれてもおかしくないくらいのエアプ案件なのに、
「汚いフェザーが平常運転で安心した」とか「フェザーへの理解度が高すぎる」みたいな肯定的な意見ばっかり出てくる。(一応ゼロではなく、「口調に違和感がある」と指摘するツイートは数件見た)
要はラストオリジンのプレイヤーの大多数も、タロンフェザーの人物像について「なんか変態っぽいこと言ってるやつ」以上の認識を持っていなくて、普段の口調すら全然興味が無いし、記憶していないんです。
ただ、もしかしたら俺と同じように本イベントに対してキレているものの表立って不満を言えない人が隠れているかもしれないので、そうした人に対して「キレてる奴もいるから安心しろ」と伝える目的でこの記事を書いている部分もあります。まあ、大体は俺が文句言いたいだけですが。
怒りの共有みたいなことはあまり良くないと思うのですが、タロンフェザーがタメ口で喋るストーリーが絶賛されてるなんて今までのタロンフェザーが好きだった人からしたら気持ち悪くて仕方ないだろ。クソが。

まあね、「まどマギ」のブームから10年も経っているのに未だ代表作が「まどマギ」として紹介されている時点で、その後に大したヒットを飛ばせてないんだなとは思ってましたよ。
ただ、それは方向性が尖っているから一般受けしていないとかの理由があるだけで、実力自体はある人なんだろうと思っていた。思いたかった。その結果がこれだよ。
とにかく虚淵玄は他人の作品に絶対に関わらせちゃいけない人物なのがよく分かりました。二度と書かないでくれ。

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