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【配信を拝診③】"正義のために人を殺す"平和の使者の誕生譚とゆかいな仲間たち DCヒーロースピンオフドラマシリーズ『ピースメイカー』は暴力とスラングだらけでガン節全開!!

 結論から言おう‼・・・・・・こんにちは。(*´罒`*)
 幼少期、よく購読していたデラックスボンボン』連載のとある格闘漫画でトラウマになるほど怖かった技が、数十年後にふと思い出して調べた結果、トータルファイターK』(ゆでたまご先生作品)に出てくるデビル・ザ・クロックなる超人の「死神のぞうきんしぼり」だったことが判明した、O次郎です。

画像右上に居る掛時計の顔をしたのがデビル・ザ・クロック。
その必殺技の「死神のぞうきんしぼり」は巨大な両手で相手の頭と両足を掴み、
そのまま怪力で捩じり上げて相手を胴体ごと引き千切る
…というもの。(。・ω・)
まさにラーメンマンがブロッケンマンをキャメルクラッチで惨殺したみたいなもんですね。

 過去に2本ほどNetflix独占配信作品(ドラマ1本映画1本)をネタに記事を書きまして結構な数の方に御覧いただけたようなので本日も同路線にて。
 今回は4/15(金)よりU-NEXTで独占配信開始となったDCコミックスヒーローのスピンオフドラマシリーズ『ピースメイカー』のお話です。
 米ハリウッドのコミックヒーローの映画コンテンツとしては、アヴェンジャーズに代表されるMARVELヒーローと、バットマンをはじめとするDCコミックスヒーローが2大巨頭であり、劇場公開作品についてはなんとかほぼほぼ追っかけて行っております。
 一方のMARVELヒーローに関しては、その実写映画化作品郡であるMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の作品が既発だけで優に30を超えており、しかも基本的に各ヒーローの単体作品で話が完結せず公開順に連綿と続くサーガとなっているため、重厚壮大なものの敷居が高く、”全て解ってる人”向けのネタも多くて正直眩暈がします。面白いのは間違い無いですが、近年では”マルチバース”の概念も盛り込んでなおさら混沌としており、胃もたれを覚悟して毎作スクリーンに挑む境地です。
 他方、DCコミックスヒーローもDCEU(DCエクステンデッド・ユニバース)として展開されておりますがそこまで作品間のクロスオーバーが進んでおらず、個々の作品内で世界を完結させる傾向にあるため、「初見でも楽しく、予習してる人はもう少し楽しく」というユーザーライクな間口が最大の魅力になっているように思います。
 実際、今回のピースメイカーに関しても、初登場は昨年公開の『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』であり、予習としてはその一本で十分です。

スーサイド・スクワッド』としては二作目ですが、一作目からの続投ヒーローは
マーゴット=ロビー演じる"ハーレイ・クイン"だけなので無問題。

 前置きが長くなりましたが、せっかくU-NEXTしてるけどあんまり独占作品観てないな~って方、DCヒーロー好きだけど観る価値あるかな~って悩んでる方、ご参考までに読んでいただければ之幸いでございます。ネタバレを含みますので避けたい方は鑑賞後にて。
 それでは・・・・・・・・・"牛丼ひとつで八十円!!"

「ユタ馬鹿にしないでよオオオ~ッ!!」
今何歳以上の人なら彼を覚えているのだろうか…。(=゚ω゚=)



Ⅰ. 概要

 『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結(2021)』にて、減刑と引き換えに犯罪者を集めた特殊部隊"スーサイド・スクワッド"の一員として秘密作戦に従事する中、任務を巡って他の生き残りの隊員たちと対立した結果、ブラッドスポートに射殺された・・・・・・かに見えたが実は九死に一生を得ており、その後の物語。
 まーなんというか、一言で評するとジェームズ=ガン節炸裂”という出来栄えのドラマシリーズ。具体例を出すと、

〇”ファック”をはじめとするスラングだらけのセリフの応酬
〇軽妙な会話から一転しての殺戮シーン
〇登場人物の人間性に依拠しての不謹慎かつ差別的な描写の数々
ファイヤーハウスプリティ・ボーイ・フロイドモトリ―・クルーといった80年代ロック、メタルバンドへの強烈なリスペクト

といった具合で、彼が同じく監督したMCUの『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズを観ている印象とかなり近く、あのノリが好きな人なら間違いなく楽しめる、延長線上の作品と言えよう。
 違う点とすれば、主人公側のグループメンバーに超人的な特殊能力を持った者がおらず、あくまで一人間同士として反目し合い、近しくし合うため、海外刑事ドラマもの+スーパーヒーローものとして上手いバランスが保たれているところだろうか。
 主たるストーリーとしては、異星生命体が秘かに人間に成り代わって人間社会を牛耳っていく、という『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』から連綿と続く古典的な侵略ものなのでユニークさには乏しく、そこに肉付けされている各キャラクターのやり取りと、現実と地続きながら派手なアクションを見どころとして楽しむのが吉。


Ⅱ. ”バタフライ計画”のメンバーたちと各々の見どころ

クリストファー・スミス / ピースメイカー

前作にて”便器”と蔑称されたヘルメットは全編通してそんなに被ってないのが不満と言えば不満。

 白人至上主義思考の塊のような父親に育てられ、彼の金儲けのための戯れで兄を殺してしまった過去を持ち、非常に屈折した正義感を持つ元受刑者。
 筋骨隆々な見た目そのままに考えるよりも腕力に訴えることが多く、独善的な判断でチームを辟易させることも多いが、相棒の鷲を溺愛するように独自の博愛精神も持ち合わせていて、徐々に信頼を得ていく様がまさに連続ドラマの主人公らしい。
 前作ではサイレンサー付きのデザートイーグルというアンバランスでメチャクチャな装備が主体だったが、本作では二丁拳銃に加えてスナイパーライフルやアサルトショットガンなど、扱う火器も多彩になってよりアクションの画が映えるようになった。
 妄執に満ちている上に自分を睥睨する父親に愛憎相半ばするが物語終盤に直接対決することで決別するシークエンスは見もの。
 しかしながら本作では単なるマスクにとどまらず攻撃オプションとして機能していた彼のトレードマークの"便器”ヘルメットは父が製作していたため、今後の作品でのメンテナンス方法が気になるところ。
 機能別でヘルメットを何個も常備しておかなければいけないところが不格好でかなり面白いのだが、もしこれが改良されて多機能型にされてしまうとブラッドスポートの戦闘服とカブってしまうので悩ましいところ。


・レオタ=アデバヨ

仕事と家庭の両立に悩む典型的な中間管理職タイプ。
機動警察パトレイバー』の進士さんみたいなポジションか。

 前作の悪徳上司アマンダ=ウォラーの娘で彼女がチームに送り込んだスパイ。”今まで一度も人に銃を撃ったことが無い”というキャラクターで、そのまま無垢の人として通すのかと思いきや、仲間を助けるために敵方のジュード―マスターを撃ったことで吹っ切れ、物語終盤の最終決戦では彼女の豪快な二丁拳銃さばきが大きな見どころの一つに
 性的マイノリティーであるが、それがゆえに見た目に反して臆病なスミスに対して茶化したりせず親身に恋の相談に乗るくだりは良いシーン。
 Wikiに”ピースメイカーとは異なる政治的見解を持ったシリーズの共同リーダーである”と有りますが、メンバーの中で一番の常識人の彼女が自身の参謀である母親を振り切って己の倫理で行動するまでの描き方が些か足らず、各人との思想的な触れ合い場面も少なかったのは勿体無かったかも。

・エイドリアン・チェイス / ビジランテ

 メンバーの中で一番説明不足なキャラクター。その能力にしろ人となりにしろ。
 ”地方検事”ってのも”怪我をしてもすぐに治る”ってのもWiki読んでようやく知ったような始末。ギャグ担当としての役割の方に時間を割かれて、出自や倫理観の説明が省かれているのが彼は彼で勿体無い。
 序盤に正体はエイリアン確定ながら子どもの容姿ゆえにピースメイカーが射撃を躊躇って代わりに彼が始末するシークエンスが有るが、尺が足りないならあそこで回想なりセリフなりで彼の人間性をギュッと理解させてほしかったところ。
 インパクトのあるスーツのわりにさしてシンボリックなウェポンも無く、次に何かの作品で登場するなら一番改良を期待したい御仁。

・エミリア=ハーコート

お堅い朴念仁だったのが、仲間と絆を深めていく…
って展開はよろしいんだけど、どこが彼女に響いたのかが曖昧でどうにも。


 文武両道・才色兼備のブロンド美女。スミスが彼女に気が有るようだったので一応ヒロインだろうか。
 演じるジェニファー=ホランド、調べてみるとこれまではTVドラマ出演がメインだったようで覚えが無かったんだけども、どうやら監督のジェームズ=ガンの交際相手ということのようで。
 日本だったら”公私混同”と相当に叩かれそうなもんだけど、競争が圧倒的にシビアなハリウッドでは利用できるものはなんでも利用するのが当然か。
 ガンアクションもさることながら、ジュード―マスターとの格闘については明らかに対格差のあるピースメイカーよりも、細身同士の彼女の方が動きにメリハリが有って見応え十分。今後のフィルモグラフィーに期待したいところ。

・ジョン・エコノモス

彼もウォラーの側近で元腰巾着ポジションだったので、
そこからの脱皮の描写を見たかったところ。

 カウチポテト的巨漢で、パソコンでフォローする”机の男”的なポジションだけかと思いきや医術の心得も有り、かなり有能。
 おまけにエイリアンに寄生されて強化されたゴリラに翻弄されるメンバーを助けにチェーンソー持参で現れたシーンは最高にクールで、実は一番ポテンシャルが高いキャラクターかも。
 スミスがイジり続けていた彼の髭が実は彼最大のコンプレックスだったことが終盤に判るシーンはまるでヒロインのようないじましさで、彼の可愛らしさをもうちっと盛っていればさらなるキャラクター映えが期待出来たかも。
 ピースメイカーの”便器”ヘルメットが複数登場してたので、彼も含めてどうせなら最終決戦はメンバー皆アレを被って出陣してれば結構笑えて且つカッコいいシーンになったかもと思うんだけど・・・どないやろ?

メットの形からして真っ先に思い出すのは『ダイの大冒険』のコイツか・・・。
あと、『仮面ライダー555』のオーガとか。


・クレムゾン・マーン

正体明かすのがちょっと早すぎたのが仇になったかも…?

 チームの司令官にして実は既に”バタフライ”になってた人。
 ”バタフライ”の中で数少ない人間の理解者であり、スパイも送り込んでいた。
 中盤に他のメンバーに正体を明かして最終決戦前に亡くなってしまうが、彼も人物の掘り下げがもう一つ。特に「この人間も暗い過去を持ってるが、殺してしまった事は後悔してる」とのセリフが有ったが、その元の人間の過去をどう背負ったかを教えてくれよ・・・っていう。
 ただそこを詳しく描くと物語全体が結構重たくなってしまったであろうことは想像に難くないので、それを考えると作品全体のカラーのために犠牲になったとも言えるだろうか。


Ⅲ. まとめ

 そして、最後になっちゃったんだけど、登場人物みんなが全然洗練されてないダンスを揃って踊るオープニングが抜群にダサくて可愛いので、毎話スキップせずについつい観てしまったのが実は一番すごいことかもしれない、と気付いた次第。

作中の各自のキャラクター性を度外視、かつみんな無表情なのが
安手の宗教PVっぽさも醸し出してて実に危険な中毒性が有る。
YouTubeにOPの動画も上がってるので、それだけでもぜひお試しを。
https://www.youtube.com/watch?v=PWEuK_oS3LY

 『スーサイド・スクワッド』からハーレイ=クインの次に単体作品化されたキャラクターということで、是非とも今作が企画としてペイしてもらって次に繋げてもらいたいところ。
 そしてもし次にスピンオフドラマ作るならキャラクター性の強さではブラッドスポート(あるいはウィル=スミスのデッドショットは・・・ムリか)でしょうが、誰の物語になるにせよ、”マルチバース展開”で混沌とさせず、あくまで単体で楽しめる今のDCEU作品の作り方のアドバンテージは守ってほしいところです。
 これを機にMARVEL関係のスピンオフドラマにも手を付けようとは思っているんですが、もし中でも特に面白くて尚且つ予備知識抜きで単体でも楽しめる作品をご存じでしたらコメントいただければ恐悦至極でございまする。
 今回はこのへんにて。
 それでは・・・・・・・・・どうぞよしなに。




”仮面の下の涙を拭え”
・・・なんつってね。(`・ω・)




 











 


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