見出し画像

【配信を拝診②】絶海の対核ミサイル防衛設備が内ゲバ崩壊する恐怖... クリヘムがプロデュースするNetflix配信の孤軍奮闘アクション『インターセプタ―』は風刺映画?!

 結論から言おう‼・・・・・・こんにちは。( *`ω´)
 幼少期、テレビを観ていて「この番組は、〇〇〇、△△△、・・・ご覧のスポンサーの提供でお送りいたします。」という番組提供クレジットのナレーションを聴いていて、『ご覧のスポンサー』というスポンサーが存在すると思い込んでいた、O次郎です。

”その他、ご覧の各社の提供でお送りいたします。”とかね。
読み上げ省略された企業さんは文句言ったりしないんだろうか?

 今回は6/3(金)よりNetflixで独占配信開始となったアクション映画『インターセプタ―』のお話です。
 ここ最近、最新公開作の話が出来ていなかったのと、数年前のクリヘムプロデュース作品の『タイラー・レイク -命の奪還-』が面白かったのと、作品の尺が短くてスルッと観られそう(これ重要!!)、ということでズバリこの作品に決めました!
 せっかくネトフリ契約してるけどあんまり独占作品観てないな~って方、本作が気になってるけどどうしよっかな~って方、読んでいただければ之幸いでございます。ネタバレを含みますので避けたい方は鑑賞後にて。
 それでは・・・・・・・・・"摩耶堂会の薬局薬店にて!!"

昔、スーパー戦隊番組内の東映の”後楽園ホールで僕と握手‼”的なCMの最後に
何故か一瞬だけボリショイサーカスの映像がサブリミナル的に入っててめっちゃ怖かった…。



Ⅰ. 作品概要

※英語版のみのため、翻訳等でご参照ください。

 監督のマシュー=ライリーはオーストラリアの小説家で本作が監督デビュー作の模様。主演はクリヘムの奥様で、『ワイルドスピード』シリーズでロック様の部下エレナ役で有名なエルサ=パタキー
 米国内に二箇所存在する対核ミサイル防衛設備の内の一箇所である海洋プラットフォームが裏切者たちに占拠されて、新任の大尉が設備の奪回と露国から発射された核ミサイルの迎撃に孤軍奮闘するヒロイックアクション。
 印象としては、とにもかくにも”コンパクト”の一言に尽きる。スピード感が大事なアクション映画とはいえ昨今はとにかくやたらと見せ場を詰め込んで2時間丸々という作品も珍しくない中で90分余りに纏めているのがまず立派。
 物語自体にどんでん返しは無いものの、状況が二転三転する演出重視の構成で一気に見せる。人物描写の掘り下げは主人公のみに絞っているので群像劇としての深みは無いながら、アクション映画としての面白さのみを集約させて一点突破な印象。
 予算の都合もあるのでしょうが、全体的に手堅く無難にまとまっているのが好みの分かれるところかもしれません。しかしながらひっそりと忍ばされた国や社会に対する製作側の批判精神がオリジナリティーとしてきちんと感じられるのは評価すべきところだと思います。


Ⅱ. キャストにまつわるエトセトラ

・JJコリンズ役 - エルサ=パタキー

161cmと小柄なのに、ワイスピシリーズにしろ本作にしろその佇まいは堂々たるもの。

 もともとはジャッロや官能映画でのセクシーアイコンが多かったようですが、40代半ばで主演級のアクションを演じきったのがまずスゴイ
 他にも探せばシャーリーズ=セロンエミリー=ブラントなど、それなりに年齢を重ねてからアクションを披露されている女優さんはいらっしゃいますが、それにしても二代続く職業軍人家庭のベテラン士官としての風格がなかなかどうしてバッチリ出ていて、本作に差し当たって相当な訓練を積まれたのが覗えます。
 華やかさよりも凄みの感じられる美貌の域で、是非とも本作を叩き台に主演を張れるアクション女優として続篇を期待したいところです。

・アレクサンダー・ケッセル役 - ルーク=ブレイシー

ハートブルー』のリメイク作である『X-ミッション』では
オリジナルのキアヌを凌駕する肉体美を披露。

 裏切者連中のリーダー格で拷問のスペシャリストという役どころ。調べてみてなんとまだ30代前半ということにビックリな堂々たる悪漢ぶりでした。
 『G.I.ジョー バック2リベンジ』でのコブラコマンダー役が有名なところですが、今夏公開の『エルヴィス』にプレスリーの盟友マネージャーのジェリー=シリング役で出演されているようなので要チェックでございまする。


Ⅲ.  見どころ的なあれこれ

 まずアクション面ですが、海洋プラットフォームのそれも指令室が主戦場ということで、近接格闘に特化されたアングルで、限られた予算の中で効果的に迫力を出しています。反面、宇宙空間を経由する核ミサイル郡のCGの作り物感が些か気になったりもしたのですが・・・。
 ストーリー面に関しては、JJとアレクサンダーそれぞれの父親に対する思いが肝です。主人公JJは軍人の父親に男手一つで育てられて「闘い続けろ」という彼の人生訓を頑なに守って、過去の上官からの性暴力やそれを告発したことによる周囲からの虐めにも、洋上での孤立無援の防衛戦にも闘い抜きます。一方で仇敵のアレクサンダーは父親が外務官の超エリートながらもその金満・無能ぶりを睥睨しつつその父への憎しみをその背後の国家への憎しみに昇華して、”金のために国を滅ぼす”ことで金満国家を糾弾しようとしています。
 「金持ちのエリートは信用される」「モラリストが組織で冷遇される」という国や歴史ある組織へのあまりにもストレートな批判なり皮肉なりが、プロデューサーのクリヘムをはじめとする製作側の明確な意思表示として作品に表れているように思います。犯人一味にイデオロギー的動機の人間は居らず、一様に金銭的なそれに統一されているのは実に象徴的です。
 また、『アベンジャーズ/エンドゲーム』でのビッグリボウスキ的ソーみたいなモジャモジャモジャ公のクリヘム扮する家電量販店店員がコメディ要素を凝縮して引き受けているのもナイスセンス。

上流階級がさらに呆れるような金持ちを創作してやろう、と奮起して生まれたのが
おぼっちゃまくん』だそうですが、本作を観ててちょっと連想してしまいました。
”金で解決 ぶぁい Yai Yai, Yai Yai~~~♪♪”


Ⅳ. おわりに

 ということで今回はNetflixの最新配信作品について書いてみました。
 余談ですが、Netflixをはじめとする配信サービス大手が映画会社に依拠せずに潤沢な予算を確保してスターキャストや著名スタッフの大作を製作しているのを見るにつけ、思い出すのが晩年の黒澤明監督です。

実際、晩年の小規模作品である『』の一篇での狐の嫁入りの幻想的な画は
まさしく作中の少年のような年齢だった幼い私にも鮮烈だったのですが。

 何かの本で読んだのですが、予算や製作期間度外視でとことんまで追求して作品を作る黒澤監督に対して国内の映画会社が毛嫌いした結果、晩年は海外資本に頼った作品や小規模作品を撮らざるを得ず、「もう一度大きい作品を撮りたい」と言いながら結局果たせずだったとか。 それを考えると、”この映画製作スキームがもし三十年早く生まれていれば、黒澤明監督が晩年にもう一度「大きい」作品を作れていたかも”とか思ってしまいます。  ともあれ、また面白い配信作品を観たら書こうと思います。他にもサブスク独占配信作品でこれはというものがございましたらコメントいただければ恐悦至極にございます。 今回はこのへんにて。 それでは・・・・・・・・・どうぞよしなに。





大滝秀治さんは黒澤明監督の『影武者』に出演されるために
刑事ドラマの『特捜最前線』を一旦降板されたそうですが、
続けて登板されていれば特捜がどう変遷したのかな~とかも考えちゃったり。




 





もしももしもよろしければサポートをどうぞよしなに。いただいたサポートは日々の映画感想文執筆のための鑑賞費に活用させていただきます。