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【最新作云々67】いかに生きるべきか、そして死ぬべきか... 最期まで自分らしくありたい頑固者の父を死出の旅へ送り出す娘たちの苦悩と惜別の映画『すべてうまくいきますように』
結論から言おう!!・・・・・・・・こんにちは。(>ω・)
世間的にすっかり卒業シーズンですが、まずもって思い出すのは中学校の卒業式・・・の前日の一コマ、なO次郎です。
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彼女も我々の卒業と時を同じくして寿退社とのお話。
それに際して英語の最後の授業でその先生が、「あなたたちが二年生の時、
私が担任だったけどそれが最初で最後だった。教師生活十年ほどだったけど、
特にあなたたちのことは一生忘れないと思う」とのお話に女生徒皆が先生につられてもらい泣き。
感動的なシーンに違いなかったんですが、その先生が担任だった二年生の時分に、
「制服のスカートの丈が短い!!」→「生徒の模範たるべき先生だって短いじゃないですか?!」
→「私は社会人だから問題無い!!」→以降、女生徒陣がその先生を"社会人"という仇名で陰口…
という女生徒陣とその先生の間で感情剥き出しのバトルが延々繰り広げられてた様を
目の当たりにしてた男子生徒陣としては「アレ?・・・あの闘いの遺恨は?」と
唖然としてしまったわけで・・・・・・もはやマルチバース?(゜Д゜)
今回は最新の洋画『すべてうまくいきますように』です。
脳卒中で病院に緊急搬送された高齢男性が自分の身体の状態に鑑みて"自分らしさを保っている内に人生を終えたい"と安楽死を望み、その頑固な父の最期の切なる願いを託された中年姉妹とその家族が彼と向き合う様を描いたヒューマンドラマ。
殊更に家族の思い出を反芻したり、父を翻意させようと尽力するようなセンチメンタルな描写は抑えられており、あくまで身体が不自由となった父が死出の旅に出るまでの本人とその周辺の生活を時にユーモアを交えつつ淡々と描いているのが印象的です。
"安楽死"というとどうしても悲痛で重厚なテーマとして扱われる傾向が強く、"自死"を描くからには哀しみや諦めの悲愴感がドラマとして漂うものですが、一風変わったアプローチの作品ゆえに取っつきやすく、何より誰しもがいずれ彼我の立場となることを避けられない問題であるため、なおのこと高齢による問題の別種の捉え方として意義深い作品だと思います。
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アルツハイマー型認知症を患った父が徐々に父でも夫でもなくなっていく10年を追った、
残される家族の物語。
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75歳以上の高齢者に対して自らの生死の権利を保障し、
支援する制度「PLAN 75」の施行に伴う制度対象者達や市役所の職員、スタッフの苦悩を描く。
このあたりの作品に感じ入った経緯のある方には是非ともおススメです。
ラストまでネタバレ含んでおりますので予めご了承ください。
それでは・・・・・・・・・後味が悪い!!
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って話になってたものの、遅れそうだったので自転車通学の同級生の自転車に禁止されてたニケツ
・・・で乗ってるところをまさに上記の寿退社の先生の帰宅時の車に見つかってしまいました。
指でチョイチョイと手招きされたんですが、咄嗟に「もう会わない先生に怒られるのもなぁ…」
という打算が働いて、二人してそのまま逃げてしまいました・・・・・先生、すみません。(´・ω・`)
Ⅰ. 作品概要
※日本語版ページが存在しないため、翻訳等で閲覧ください。
冒頭から既に"事後"であり、父アンドレ(演:アンドレ・デュソリエ)が脳卒中で搬送された病院に長女エマニュエル(演:ソフィー・マルソー)が駆け付けるところから物語が幕を開けます。劇的な導入とせず、劇判も流れずに淡々と物語に入ることで作品のカラーを暗示しているようです。
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自身の身体の自由が利かなくなったことで嘆きを口にする父ですが、
悲嘆に暮れるばかりでなく、それと同時に自分の意志がハッキリしている内に
自らの人生を終幕へと導く意思を断固たるものとして生きます。
それから後顧の憂いを断ち切るように、娘たちの協力を得て近しい人たちとの最後のひと時を段取っていきます。
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面会は特に印象的で、この上なくリアル。
彼女の方は父とは対照的に身体は深刻ではないものの認知症が進んでおり、
老人ホームから面会のために父の元を訪れます。
父との最後の時間になることを理性ではなく感覚的に悟っているようであり、
当人同士は長年の夫婦のやり取りとして至極淡々としているものの、
それを見つめる娘の方がひどく感傷的になっている様が
現実の家族の終末の一風景を感じさせます。
実際、僕なんかは末期癌の夫の病床に訪れた認知症の妻の姿としての母方の祖父母の
在りし日の情景をありありと思い出しました。
シャーロット・ランプリングの出演はほぼその場面のみでしたが、さすがはベテラン女優の貫禄であり、重ねた人生の重みと悟りを開いたかのような達観した眼差しは、これぞ存在感、というものでした。
昔から自身の確固として頑健な哲学と信念を持ったアンドレのこと、当初こそ端から安楽死を既定路線として突き進もうとする父の姿にショックを隠せないエマニュエルとその妹パスカル(演:ジェラルディン・パイリャス)でしたが、梃子でも動かぬ意思を感じ取ってその段取りを整えていきます。
姉妹は二人とも既婚者なものの、エマニュエルは子どもは居らず、パスカルは物心ついたばかりの息子が居ます。
フランスでは安楽死が合法化されていないということで、父をスイスへと緊急車両で移送しての処置、ということになるのですが、ただでさえ肉親の自死をほう助するということへの忌避感に加え、自国で違法とされている行為を完遂するために国を跨いでのグレーな死出の旅に関して本人に代わって段取りを整えていくその心中は如何ばかりのものか、と観ているこちらの心配は尽きません。
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息子に説明をして彼なりの事態の消化を促さねばならない重責も有ります。
それを以ての言うなれば姉妹それぞれでの"役割分担"が有ったのかもしれず、
作中ではそのあたりのやり取りは深くは描かれていませんが、
姉妹間でのよほどの信頼関係が無ければ衝突は必至でしょう。
ただ、先述のように作品全体としてのトーンは決して陰鬱とはなっておらず、それどころか孫息子の音楽発表会を楽しみにするあまり安楽死結構の予定日を数週間何の気無しに延期するくだりなど、さり気無くも優しいユーモアに満ちています。実際の発表会の場面では祖父と孫の最期の邂逅の舞台に際して幾重にも感極まっている姉妹の家族一同に対し、肝心のアンドレが居眠りしてしまっているシーンなどはついついクスッと来てしまうところで。
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エマニュエルと彼女の夫を交えての最期の晩餐。
料理とワインと・・・アンドレが愛した美学そのものです。
そしていよいよもってのアンドレの安楽死を迎える前夜、パスカルは当初の予定を変更して「姉さんと過ごしたい」と、エマニュエルと二人で抱き合って眠りに就きます。
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非難も哀悼も渾然一体となった感情が渦巻いているハズで。
とどのつまりは、アンドレを笑顔で見送るための儀式でしょうか。
父を運ぶ緊急車両を迎える直前に警察からの事情聴取云々のアクシデントは有ったものの事無きを得て、アンドレ自身が翻意することも無く、厳かにスイスの地で安楽死の処置が執り行われ、冒頭と同じように飾り気のない淡々としたエンディングを迎えます。
個人的に気になったところとしては、アンドレが自身の身体の麻痺に対し、リハビリをはじめとした症状軽減の努力を全く志向していたそぶりが無いことでしょうか。
プライドが高く、それまでの己の人生を思い通りに送ってきたアンドレにとり、完全な状態へリカバリー出来ないことがわかっているリハビリは眼中になかったのかもしれませんが、"出来なくなっていくことを楽しむ"という境地を研究することもまた、人生の黄昏時だけに存立し得る美学かとも思うのですが・・・・はてさて。
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ともあれ、その最期まで含めて己の生き方を全うしたアンドレの姿は、
エマニュエルとパスカルの姉妹の死生観と来たるべき終活についての一つの示唆と
なったことは間違いの無いところでしょう。
Ⅱ. おしまいに
というわけで、今回は最新のフランス映画『すべてうまくいきますように』について語りました。
"安楽死"というかなりセンシティブな内容を扱った作品ではありますが、それを額面そのままにセンシティブなものとして観客に突きつけるのではなく、人としてのユーモアを保ったまま生を全うする一つの選択として描いているのが造り手側の何よりのメッセージでしょう。
ガチガチに法制化して制度として整えてしまうと有象無象の圧力として作用してしまうのでそれは決して望ましくありませんが、選択肢として存在することで却って一日一日を大事に自分らしく生きられる、という側面はあるのかもしれません。
とりとめがなくなってきたので今回はこのへんにて。
それでは・・・・・・・・・どうぞよしなに。
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