【テレビっ子アゲイン②】"母娘危うし!!妖婆のイビりは悪魔のうた!" 火曜サスペンス劇場『悪魔が忍び込む』(1985)
結論から言おう!!・・・・・・こんにちは。(´▽`)/
伊東四朗さんのファーストインプレッションと言えば、ベンジャミン伊東でも『伊東家の食卓』でもなく、「伊東四朗のヒヤヒヤヒヤリング」を思い出す、O次郎です。
今回は映画ではなく、趣向を変えて「火曜サスペンス劇場」枠作品の話です。
あまりにも唐突ですが、こないだCSの東映チャンネルで本作が再放送されており、何の気なしに観たのですが以外に面白く、また個人的に思い入れのある俳優さん達の若い頃が見られたということもあって、作品に絡めて思い出話をつらつら書いてみようと思った次第でございます。
"火サス"に思い入れのある方々、昭和末期が懐かしい方々、本作が放映された昭和60年生まれの小生の思い出話にお付き合いいただければ幸いでございます。
それでは・・・・・・・・・・・・・ニンッッ!!!
Ⅰ. 「火曜サスペンス劇場」について思い出混じりに語る
火曜夜9時枠ですが、平日の夕方にもよく再放送されており、幼少期のお風呂あがりや学校帰りに居間を覗くと母がよく観ており、水谷豊さん主演版の浅見光彦ミステリーシリーズや、大地康雄さん主演の刑事・鬼貫八郎シリーズをうっすらと覚えています。
よって、自分としてはたまたま傍で観ていたぐらいの感覚の番組であり、主体的に観る番組ではありませんでした。しかもたしか、90年代半ばぐらいまではこの手の作品によくある女性の”サービスシーン”がまだ存在し、幼少期の自分が親とそういうシーンに遭遇するとなんとも気まずかったものです。
ちなみに裏番組のクイズ『なるほど!ザ・ワールド』はちょくちょく観ていた覚えが有ります。
一方でミステリー番組に全く興味が無かったわけではなく、例えばジャニーズJr.を挙って起用した木曜19時代のティーンエイジャー向けのミステリー枠『木曜の怪談』は毎週欠かさず観ていたのを思い出します。
また、それと時を同じくする90年代中葉から、安達祐実さん主演で社会現象にもなった『家なき子』を放送していた日テレ土曜夜9時のドラマ枠でジャニーズアイドル主演・(主に)週刊少年マガジン連載ミステリー漫画の実写ドラマ作品が相次いで放映されていて、それにも夢中になった覚えが有ります。具体的には『金田一少年の事件簿(堂本剛さん版)』『銀狼怪奇ファイル(堂本光一さん主演)』『サイコメトラーEIJI(松岡昌宏さん主演)』などです。
そんな感じで若者向けのミステリー作品がわりと充実してたので、敢えて大人向けの火サスに手を出さなくても楽しめた世代ではありました。
話を火サスに戻すと後年になってDVD化された大林宣彦監督による『可愛い悪魔』『霊猫伝説』は観ました。
『可愛い悪魔』はサイコパス少女による連続殺人ものとしてその陰惨な結末も含めて終始展開から目が離せず、『霊猫伝説』は同監督の『HOUSE ハウス』から通ずるような人を食った幻想的なストーリー構成が異色で独創的でした。
加えて、放送局との遺恨や権利トラブルでウルトラマンのTVシリーズが放映できなかった80年代の円谷プロの製作作品であり、昭和末期の非ウルトラの円谷特撮としてもなかなか価値のあるところだと思われます。
Ⅱ. 「悪魔が忍び込む」その概要をキャストへの思い入れと絡めて語る
筋立てとしては、”元看護婦のすみ子は小学3年生の娘・しのぶを連れて、大手企業に勤める石渕勝と再婚する。当初は優しかった姑のチカが突然すみ子をいびり始め、更にしのぶにもつらく当たりはじめる。人が変わったようなチカの行動にすみ子は思い当たる節もなく疑問を感じていが、原因は看護師時代にあるようでその経緯を調査していくすみ子。一方、心臓を患っているチカの薬の置き場所が何者かに移されていたことが判明し・・・”というもの。
火サスとしては珍しく作中で人死にが出ない展開で、ラストは爽やかな人情ものの如き大団円に近い結末を迎えます。主人公が後妻としてとある家庭に入ってその内情を知る、というプロットからすると『家政婦は見た!』シリーズのテイストに近い気はします。
キャストについてですが、まずいきなりでアレですが主演の浜木綿子さんについては個人的思い入れがありません。が、Wikiで調べてみるとまさしく火サスの最多主演女優だったそうで、であれば幼少期に何度も目にしていたはずですが、逆にそれがゆえに印象が薄くなってしまったのかもしれません。しかしまぁ、この漢字で初見で”はま ゆうこ”って読むのムズくない?
主人公の夫役を務める伊東四朗さんは世代からして個人的にはまず上述の『ダウンタウンDX』や『伊東家の食卓』等のバラエティー番組のイメージですが、いわゆる"電線音頭"も一応知ってはいました。
というのも、幼い私をあやすのに何故か母が電線音頭を歌っていたようで、例の”煮てさ 焼いてさ 食ってさ”のフレーズはインプットされていて後年になってYouTube等でようやくオリジナルを観た次第です。
バラエティー番組でもその人となりというか、ユーモアとモラリストぶりに好感を持ちましたが、原作者の安孫子先生から直接指名を受けたという『笑ゥせぇるすまん』での喪黒福造の怪演で俳優さんとして初めて明確に意識したように思います。
本作では「我慢してくれ」が口癖の日和見主義的な夫を堅実に演じ、姑よりも妻に同情的なのが放映当時の時代の移り変わりを感じさせます。
今年で御年85歳、レギュラーのラジオで健在ぶりを示されていますが、年上の高木ブーさんや仲代達矢さんのようにまだまだ現役で活躍してほしいです。自分もあんな温厚なおじいちゃんになりたい・・・。
で、本作最大のキモの鬼婆を演じる清川虹子さんです。主人公母子をはじめとして周囲の人間に独り善がりな思考で嫌味と悪態の限りを尽くす様は、代表作である『楢山節考』とビジュアルは通ずるものが有れどその人間性は対極に近いものです。
本作ではその喜劇女優としての雰囲気を完全に封じているところがさすが、というところで、清々しいまでの憎たらしさはさすが。ちなみにお友達役で出演してる浅香光代さんもこれまた憎たらしさの相乗効果の様相を呈していました。
そして近所の町医者役の横光克彦さん。私の幼少期には既に政治家になられた後でしたが、個人的にはなんと言っても地方ローカル局の再放送で虜になった『特捜最前線』の紅林刑事のイメージ。出演シーンこそ短いですが、脇を固める抜群の安定感でした。
Ⅲ. おしまいおしまい
というわけで、今回はCSで再放送されてた作品をきっかけに、幼少期のテレビ視聴遍歴をダラダラ語る形になりました。まぁたまにはこういうとりとめもない話も、ということで。
あらためて振り返ってみて火サス枠の作品にめっぽう縁遠かったことが分かりまして、もしおススメの火サス作品がございましたらコメントいただければ幸いでございます。CS等の再放送のアンテナを張り巡らせるようにいたしまする。
この週末はようやくまとめて映画を観るので、次は最新公開映画の話をちらちら。
今回はこのへんにて。
それでは・・・・・・・・・どうぞよしなに。
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