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中野区立児童相談所(みらいステップなかの)を視察しました

2023年7月27日(木)、応援ラボメンバー5名で中野区立児童相談所等の複合施設の視察に伺いました。

説明資料の表紙

元々区立中学校の敷地ですが、山手通り沿いで中野坂上駅にも近いという立地条件から、統合新校に図書館、子ども家庭支援センター、教育センターを複合併設する、として設置された10階建ての施設です。計画策定時、児童相談所を東京都から特別区に移管する話が決まっていない状況下でしたが、その中でも児童相談所が移管されることを想定して計画を進めていたそうです。
その後、2016年の児童福祉法の改正により、希望する特別区が政令の指定を受けて児相を設置できるように規定され、そのことによって中野区立児童相談所の設置準備が本格化し、2022年4月に中野区立児童相談所が設置されました。

中野区は教育長部局の教育委員会事務局の他に、区長部局の子ども教育部を有する機構となっており、そういった背景もあって図書館や教育センターが併設されていますが、複合施設であるがゆえに使いにくい、ということにならないよう、エントランスを機能別に設けるなどの工夫をされていました。義務教育終了後から40歳未満の若者とその家族に関する相談に対応する若者相談事業(子ども・若者相談課)では、利用者間の関係構築に利用してもらうことができる居場所機能の提供が、NPO法人への委託によってなされているなど、先進的な取組が複数導入されていました。

児童相談所長からの説明後、参加した議員から活発な質疑が展開されました。
運営にかかるコストについては、令和5年度予算ベースで約19億6千万円、そのうち国や都の財源が約4億5千万円ということで、区の財源から15億円以上を支出している中、今後児相設置を見据えている自治体の議員を中心に、都区財政調整についての意見が交わされました。

また、区児相に移管したことのメリットについても様々な論点で話が出ました。最も印象的だったことを一つご紹介します。
一時保護中の児童が学校に通学するケースが少なからずある、という話の中で、原籍校(一時保護を措置された時点で在籍していた学校)以外の学校への通学というケースがあるか、という質問がありました。それに対し、児童相談所長がお話しして下さったのが、就学開始のタイミングで一時保護されていた児童に、入学式を経験させてあげたいね、ということで児相と一時保護所近隣の学校で協議して、原籍校ではない学校で入学式に参列した事例でした。子どもに寄り添った対応というのは、どの自治体のどの所管も目指していますが、この対応は美しいねと参加した議員の中でも話題になっていました。

たぞえ議員も途中まで参加

視察を受け入れてくださった中野区の職員の方々、設えていただいた親子・子育て応援ラボの横山議員に厚く御礼申し上げます。

(文責・松本みつひろ 杉並区議会議員)