応援ラボの参加報告〜第7回勉強会〜
2020年12月13日(日)オンラインにて親子・子育て応援ラボの勉強会、「子どたちの心の声を聴く」というタイトルで行われました。
講師は、自立援助ホームのスタッフを経て、2011年よリアフターケア相談所『ゆずりは』の所長をされている高橋亜美様。 (http://www.acyuzuriha.com/)
「ゆずりは」では、児童養護施設を退所した子どもたちの相談に乗り、生活で困った時には適切な支援を行ったり、支援機関を紹介しているとのことです。
色々なお話しを伺い、子育て中の親として、特に印象深く残ったことが3点ありました。
1.子供には存在を受け止められて寄り添い支えてくれる存在が必要。虐待を受けていても、自分がバカだから仕方ない、自分がブスだから~と言う子供たちも多いのは、賢くなれば愛してくれる、美人になれば~の裏返しではないか?
2.子供が安心して生活できる環境が整っていることが必要。学力と親の年収との相関関係がよく言われているが、勉強するのにも、安心していられる環境がなければできない。
3.養育者自身も健やかでいて、心に余裕をもった子育てができること。そういった中で、子供も心を開いてくれたり、周りの協力も得られたりしてくる。また、親が幸せで笑っていてくれることを子供は欲している。
こういった養育環境は当たり前のようでいて、貧困やパートナーからのDVがあれば難しくなってくる。
とくにシングルマザーではより貧困にある率が高く、10代、20代の若年のシングルマザーでは80パーセントにものぼるとのこと。経済的に苦しいなか子育てをしなくてはならない、何とかしなくてはいけない課題。
保護される子供、或いは保護までは至らない子供も、虐待は心に治らない傷をつける、早めの発見・ケアが必要となってくる。
大人から見た、様々な問題(に思える)行動も過酷な環境で生きていくために身に付けたテクニックであったりする。『嘘つき』など。
それを含めて、まるごと受け止めて支えてくれる誰かを必要としている。
しかし、今の社会的養護施設は量質とも充分とはいえないとのこと。
施設の数、予算というハード面だけで無く、人手不足というソフト面も勘案すべき課題。施設に入り『人生で初めて履いた靴下』で女の子が嬉しいと思ったのは、靴下というモノだけでなく、履かせてくれた人の優しさに触れたから。
被害者から視点をかえて、虐待の加害者である親自身も、実はパートナーからのDVを受けていて、怒りの反応が本来向かうべき相手ではなく、弱い立場の子供に向かってしまったケースも多いとのこと。
「ゆずりは」では、虐待を受けたりして支援が必要な子供達への支援を中心に行っているが、親向けのプログラムも行っているとのこと。
今回の勉強会を受け、虐待による影響を最小限にするための保護やケアー、虐待をしなくてすむための親への支援と両方が充実していってほしいと思いました。
文責:高橋千秋