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【お茶師日記1】初めて茶工場へ

2019年4月8日

 私にとって新しい仕事場となる製茶工場へ向かいました。
 この時期、まだ工場は稼働していません。この日は、私を含めこの茶工場にかかわるメンバーに機械操作を覚えてもらうための説明会を開催するので来て欲しいとのこと。

この茶工場の歴史

 この茶工場はもともと集落の共同製茶工場でしたが、担い手の不足や生産者の減少のため、10数年前に再編成し設備を拡大して有限会社組織による広域の製茶工場となりました。しかしさらに運営が困難になって解散が検討されていたところを、一昨年、30代の若手茶農家二人が会社を買い取って稼働している工場です。

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 さらに今年から、隣集落に拠点のあった別の茶生産者のグループもこの工場を利用することとなり、製茶機械ラインを改修したところです。
(このあたりの経緯は長くなるので後日説明する予定)
 自宅から車で約1時間、清流で知られる一級河川の上流にある茶工場へ着くと、私にとって懐かしい茶農家のメンバーと、初めて会う若い従業員が集まっていました。

機械の説明を受ける

 早速、社長と副社長(と言っても2人とも30代のバリバリの茶農家)が生葉の受入れ場所、一次保管する大型コンテナ、蒸機のボイラー、搬送するためのコンベヤー、と順に操作を教えてくれました。必死にメモするのですが、全く頭に入りません。私は製茶機械による製造経験はそれなりにあるつもりですが。このような業務用の茶工場ラインで機械を扱ったことはなく、コンテナや搬送コンベアは特に未経験です。

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 さらにこの工場は、一部の機械設備を別の工場から移設して入れ替えているので、ライン構成が非常に複雑で、例えば2つある蒸機の位置と投入コンベアの操作盤の位置が逆に付いていたり、制御盤に示された機械の並びと、実際の機械の並びが逆向きになっていたり、さらには異なるメーカーの機械が混在しています。一度聞いただけではさっぱりわかりません。

 最近の製茶機械は、センサーの進歩により、それほど人間が操作しなくても、自動的に工程が送られていくようになってきましたが、少なくともこの工場の機械は、かなりの部分温度や風量や回転を、茶葉の状態と見比べながら人が調整しなければならないということと、相当複雑なラインの操作を覚えなくてはならないということがわかりました。
ここで本当に役に立てるだろうかと、不安を感じた日でした。

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