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【お茶師日記2】 機械掃除

2019年 4月16日〜
 一番茶を控え、どこの茶工場でも製茶機械の掃除を行います、お茶工場は稼働期間が短かく、我が茶工場でも秋から一番茶まで全く使用していなので、秋冬番茶以降のお茶の残渣や埃が積もっています。
 製茶機械の掃除といっても、それぞれの機械を繋ぐコンベアなども含めると膨大な掃除か所があります。

製茶機械の規模はどう表す?

 ところで茶工場の製茶機械の大きさと数え方について簡単に説明すると、一般に「何キロ×何ライン」というふうに表現します。
 前半の何キロというのは生葉換算で一度に何㎏入れることを想定した機械かということです。茶工場の大型化にともなって機械の規格は大きくなってきました。現状、お茶の生産現場で使用されている機械は35k型から240㎏型までというところでしょうか。丁寧にいいものを作ろうと思えば小さくて微妙な調整が可能な機械がよく、大量に効率的に、ということだと大型機械が適しているということになります。
 次に「ライン」とは何か。製茶機械は、粗揉機⇒揉捻機⇒中揉機⇒精揉機という流れですが、これを1揃いで「1ライン」というかというとそうではありません。これは言わば「1セット」です。1ラインというと基本的には、粗揉機2つ、揉捻機1つ、中揉機2つ、精揉機2つを一連にしたラインを指します。
 ところが、現在の1ラインはさらに増えました。まず粗揉機の前工程部分を独立させた「葉打機」というものが登場しました。そして中揉機も前半部分をやや大型の中揉機を入れて行うのがよいとししてそれが増え、さらに「いや揉捻が実は大事だ、もっと時間をかけるべきだ」ということになり1台だとラインが非効率であるからと、2台入れるのが一般的になりました。さらに、揉捻機の後に「中揉み機」というものが導入されている工場もあります。こうして今は基本的なラインの構成はというと、
葉打機1-粗揉機2-揉捻機2-中揉機3-精揉機2 
ということになっているようです。ただ、処理能力で換算してこれを1.5ラインなどという場合も多いと思います。
 この考え方だと、我が茶工場は、180kg1.5ライン+120㎏1.5ライン、そして35㎏1セットです。35㎏の小型機は、一番茶のごく初めの手摘み茶などに使用します。
 さて、工場掃除の私の担当は精揉機になりました。精揉機は1台あたり釜(升)が4つあるので、我が工場の場合、数えてみたら42の釜があります。

なかなか掃除しにくい機械たち

 エアーコンプレッサーで埃を飛ばし、こびりついた汚れをごしごし拭き、狭い隙間に体を入れて、お茶の粉を祓い、大型の掃除機で吸い取ります。いろいろなところに頭をぶつけ、手をすりむいてようやく終りましたが、何とこれだけで3日間もかかってしまいました。それでも完璧ではなく、まだまだ汚れはありますが、きりがないです。むしろ少し手をかけすぎてしまったかと思いました。
 この間に他の人も分担してすべての機械を掃除し、最後に、自分も輸送のためのトラフコンベアーや床を掃除を手伝って、4日かかって掃除終了。最終的には「掃除茶」といわれる、どこかで刈ってきた、春番茶のような茶葉をラインに流して、それに埃や汚れを付着させることで掃除が終了しました。
 本当に体中「茶埃まみれ」の日々でした。
#日本茶 #茶工場 #お茶師


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