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心身骨休めの記

久しぶりに3連休が取れたので、3日のうち1日は家族サービスを兼ねて遠出することに決めていた。行き先は当日の気分次第。といいつつ前回のドライブが山方面だったので今回は海。
海と言っても、よく見ると複雑な海岸線をもつ愛知県、どこの海辺に行くかで雰囲気は大きく変わる。下の写真で見当が付く人はいるだろうか。

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ちょっと難しい? ではこれなら?


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はい、答えは渥美半島の南側、赤羽根海岸。太平洋ロングビーチという愛称で呼ばれていて、遠州灘に面したサーフィン向けの海岸だ。草地の写真は同じく赤羽根にある道の駅、道の駅あかばねロコステーションから海岸にかけての眺め。

写真には人があまり写っていないが、実際は駐車場がほぼ満車になるくらいの人込み。ビーチにはサーファーたちが集い、道の駅は人でごった返す。例年なら商業地域で遊ぶ人たちが、今年は自然の中で遊べる施設に集中している感触がある(ネズミーランドやUSJはまだオーブンしてないしね)。感染対策さえしてあれば大自然の中で遊ぶのは健康にいいし、悪くないと思う。

自分たちは堤防で釣り竿をたらし、魚に遊んでもらう。美しい小鯖が何匹かかかり、すべてリリース。目の前を釣り客を乗せた漁船が通り過ぎ、そのたびに大きな波がたった。

渥美半島は愛知の中でも南の果てにある。同じ愛知と言いつつ自宅がある地域とはすっかり気候が違う。温暖な気候を利用した農業が盛んな土地で、あちこち畑だらけ。田んぼよりも畑が多いのは水に恵まれない土地だったからだろう。文化的にも、尾張や三河でなく、遠州灘文化圏とでも言うべき浜松―豊橋ラインの延長にあるはずだ。

我が家から高速で行くには、豊川インターで下りて豊橋市を経由するルートになる。ちょうどお昼時に豊橋を通ったので、前々から気になっていたカフェに寄ってみた

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住宅地内にひっそりと佇むフォノンカフェルーム (phonon cafe room)。静けさと洗練された空間を楽しむカフェとなっており、店内に流れる音楽は真空管アンプと古いシアター用のサウンドシステムを通したもの。
メニューはドリンク類が中心。食事はカレーまたは軽食が選べて、今回の軽食メニューはクロックムッシュだった。カレーは写真を見る限り雑穀米使用で美味しそうだったのだが、クロックムッシュの方が珍しかったのでそれを頼んでみた。そうしたら美味しいの美味しく無いのって、程よいボリューム、パンの適度な噛みごたえ、付け合せ野菜のおいしさ…。よいカフェだが通うにはちょっと遠くて残念。以前は名古屋大学の情報文化学部に出店していたのだが、契約期間満了につきクローズしてしまった。

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さて、話を海に戻そう。
昔から、広大な水平線と砂浜のある海が大好きで、何なら心の故郷と言っても良いくらい大切な風景として扱ってきた。一番の理想が浜松の中田島砂丘。甘じょっぱい思い出が詰まっているのが知多半島の内海や師崎。
もちろん、伊良湖岬をはじめとする渥美半島南岸沿いの海も好きだ。

今回赤羽根海岸を訪れてみて新たに発見したのが、砂浜の中に素敵な石がゴロゴロ落ちてることだった。波に洗われてすっかり角が取れ、表面もスベスベになった手頃サイズの石が至るところに転がっている。1個ずつ色合いや表情が違い、見ていて飽きない。

実は昨年、縁あって水石展を見学することがあり、石の面白さに目覚めたばかり。自分で石を育てる予定はないが、気に入った風情の石が窓際の観葉植物のとなりに置いてある。石はたいそう寿命が長く、その存在には地球の時間が詰まっている。眺めているだけで海と同じように悠久の時間を感じられるのだから大したものだ。

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