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ガーデンとは「囲われたエデン」だという

今年の梅雨入りは異様に早く、5月14日だったと記憶している。ところが実際に梅雨空だったのは梅雨入り10日間くらいで、あとは曇天と好天の間くらいの天気が続いている。日々の最高気温は25度~30度くらいで快適。休みの日にふらりと出かけたくなる。行き先は花のきれいなところ。というわけで、以下に2つの有料ガーデンを紹介。

ガーデニングミュージアム花遊庭

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まずは豊田市内の「ガーデニングミュージアム花遊庭」。結婚式場とレストランを備えたガーデンで、造園会社の豊田ガーデンが運営し、庭造りの展示場も兼ねている。四季折々に見頃の花があるよう巧みに設計され、バリエーション豊かな演出が楽しめるよう、秘密の花園や秘密基地風の楽しい仕掛けがあちこちにある。出かけた時はちょうどバラのシーズンで、一番奥のローズガーデンはイングリッシュ・ローズを中心にとりどりのバラが咲き誇っていた。

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お庭の中に足を踏み入れたらそこはまるで別世界。おとぎの国にいるよう。

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造園のプロが管理しているだけあって、雑草の少なさ、草花の手入れの良さは驚くほど。園内の各所にベンチやテーブル、離れが設置されており、テイクアウトしたコーヒーなどといっしょに景色が楽しめる。また、草木にはQRコードが付けられていてスマホで詳細が調べられるようになっている。入園料400円は納得のお値段。

名古屋港ワイルドフラワーガーデン ブルーボネット

別の日には名古屋港の向かい、9号地にあるブルーボネットへ。ここは中部電力が設立し「NPO法人 花と緑と健康のまちづくりフォーラム」が運営しているワイルドフラワーガーデンで、入園料は300円。バラはもう終わりかけで、アジサイや睡蓮のシーズンが始まるところだった。ここも工夫をこらした設計があちこちにあり、特に水辺の演出が良かった記憶があるので、楽しみにしていった。

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水辺も素敵だったし、あじさいもアナベルやガクアジサイなど流行りの品種が見られてそこそこ満足。でも、なんだか全体的にモサッとした雰囲気。改めて見回してみると、小道は丈の高い草花が倒れて行く手が塞がれ、木々の枝ぶりは不格好、枯れ枝は放置され、花々の間から雑草が遠慮なく顔を出し、水路には藻が繁殖している……。以前訪れた時のような「庭師がちゃんと手入れしています」感がうすい。お客が少ないせいもあって、打ち捨てられた庭園エデンの雰囲気さえ漂う。

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気になる。全体の構成がよくできているだけにとてももったいない。いくら「ワイルド」ガーデンとはいえ、庭を維持するには人の手が必要だ。ペットが生き延びるためには人の手が必要なように、囲い込まれた自然を安心安全に楽しめるようにするには、人の手入れがいる。もちろん資金や人手の問題があるのは想像に難くないし、開園当初はともかく現在はボランティアに頼った運営をしているのだろう(ほとんどプロの手が入っていない)。この問題は人ごとではないので、他山の石とする。

散々文句を垂れつつも、帰りにはお土産や花の苗をしっかり購入し、帰宅してから庭仕事。手入れする花すらなかった我が家の庭に彩りができるといいのだが。

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そうそう、菩提樹の花をはじめて見ることができた。とても芳しい香り。この香りで煩悩を浄化すれば悟りが開けるんだろうか。

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