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買い物の途中で宇宙に出会った話

まさかこんな身近で素敵な作品に出合えるとは思ってもいなかった。

近所のスーパーからの帰り道で、たまたま瀬戸市の美術館の前を通った。普段は陶磁器メインの展示をしている小さな美術館だが、この時のポスターはいつもと趣が違っていた。

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現代絵画? と思ったら染色だという。染色作品は分野的には工芸作品なのだが、はてさて? とにかく色使いや雰囲気がとても気になる。今までの経験上、こういう時の「気になる」はあまりハズレがない。

買い物から数日後、美術館に立ち寄った。一階は所蔵作品展ということで、瀬戸焼の名品がずらり。これはこれで目の保養になる。目的の染色展は二階の展示室一部屋を使って開催されていた。

やはり見た目は絵画だ。絵の具の代わりに染色の技法を使って描かれている。抽象的な図形がならんでいながら、何が言いたいのかがちゃんと見える。形と色の響き合いが美しくて、音楽を聞いているようでもあるし、宇宙の広がりや人の心の深淵を覗いているような心持ちにもなる。

最初の作品から惹きつけられ、どれもこれも面白かった。もしもこれらの作品がポストカードになっていたら、全種類買うと思う。そして日替わりで眺めたい。実際は、残念なことに商品化はされておらず、どれだけ気に入った作品があろうと、記憶に焼き付けて持ち帰るしかないのだった。

でも、地元の作家さんなので、イベントやマルシェ開催のときにはひょっとして何か手軽に入手できそうなものを販売しているかも。春秋のお祭りシーズンは要チェックだな。

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