「旅館アポリア」ふたたび
2019年のあいちトリエンナーレでは、メイン会場となる愛知県美術館のほか、「まちなか会場」として円頓寺商店街や豊田市街などが登場した。特に豊田会場には優れた作品が多く、その中でも白眉だったのが、かつての料理旅館「喜楽亭」を舞台にしたホー・ツーニェン作品《旅館アポリア》。これは自分の感覚だけでなく、絶賛する人を多く見かけたので、間違いないと思う。
《旅館アポリア》は、映像と音響をメインとするインスタレーションで、12分のエピソード7つでひとつの作品を構成する。喜楽亭の各部屋に