些細でかけがえのないものたち
先日、愛知県美術館へ行った折、ジュンク堂書店名古屋栄展にも寄って、小さな展示会を見てきた。岡野大嗣短歌集「たやすみなさい」や「サイレンと犀」の挿絵を担当している安福望さんの原画展だ。
安福さんのイラストは初めて見かけたときから、添えられた短歌と絵の響き合いがものすごく好きで、荒みがちなツイッターの世界のなかで、憩いの場所となっていた。例えるなら、窮屈な学校生活の中で心身ともに独りきりになれる場所――裏庭の木陰とか、特別教室棟の廊下の突き当りの窓辺とか、人気のない図書室の閲覧