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ZINEにまつわる’ことば拾い’

ZINEについて…製作する側の自分自身は「自己表現」という事で、ガチに構え過ぎなのですが、もっと富んだ表現を他の方の言葉をもって紹介したいと思います。

『BIG ISSUE』野中モモさん

 今年7月15日発売のBIG ISSUE、特集名「究極の自由メディア『ZINE』」でした。

 前の記事の中でわたしは「ZINEは作ってから人様に見せるまでが『創作』のうちなんだと思う」と書いたけれど、そもそもZINEの存在自体が自由でこんな硬直したものではないのだと思う。この中でライターで自身もZINEを作ってきた野中モモさんが、

「無理して発信しなくても、書いたものを人に見せなくてもいいんです。ささやかでも自分で何を作るということは、生きることの根本にある、とても手応えのある行為だと私は思っています」

と言っていて、本当にそうだなあって私は思います。見せなくたっていいんだよね。
 表現の方法にはいろいろあるから、書く(描く)ことに向いていない人もいると思います。そのため一概には言えないけど、少なくとも私は、とても書くことで救われています。

 「自分で何かを作る」というささやかでも完結した(完結しなくてもいい)行為のひとつには「手紙」もあるのかなって思います。文字を書いて1枚の紙の中で「ことばを開いて閉じる」行為の持つセルフケア的効果については、ここに書いて余りあるほどで…。

 「生きることの根本」って「自分の尊厳」に関わることですよね。私は、以前の記事で「ZINEイズ我」って息巻いたけど、そういう自意識スレスレ…その隣に「自分の尊厳」っていうものが横たわっているのかなって思いました。というのも、ある方のZINEを読んで感じたことです。それはまたの機会に書いてみたいと思います。

働きながら表現しよう

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 それから川崎昌平さんのZINE※『労働者のための同人誌入門』(のちに幻冬舎から出版)の中の「同人誌はできるかできないかじゃありません。つくるかつくらないかです」
 これもそうかなって思う。自分もだけど「できる」というのはやっぱり「うまくできる」っていう他人の視線があって、客観性は創作にとって大事だと思う反面、ZINEに限っては不要、むしろ「衝動でつくる」でしょ?とおもいます。

同人誌をつくるという表現の効果は、端的に言えば「自分をゆっくり発見できる」ことに尽きる。世の中には手軽でスピーディーな自己表現や自己実現を可能とするアクティビティがたくさんあるが、同人誌はやや時間のかかる表現である。だが、そこで費やされる時間がちょっとした手間が探索にはちょうどよいのだと思う。

これは「あとがき」から。「手紙」は英語で「snail mail=かたつむり便」ですが、ZINEも気の長いメディアなのかなー。その存在、その感じが最終的には救い「そんなに急ぐな。なんとかなるさ」なんでしょうね??

 今日はマンマ引用だけど、自分で後から読み返した時に「ガチな自分」以外の視点を忘れないように備忘録として書いておこうと思いました。

…では晦日の今日はここらでオシマイ!!

※ここでは、同人誌もZINEも「個人や少人数のグループが自主的に作った小部数の出版物」という意味で同じものとしています。

表:書いたもので「恥ずかしさの先頭に立つ!」 裏:読んだあとに「なんとはなしにおしゃべりしたりお散歩したくなるような…」そんな”かの地”まで帆走おねがいします。