『珈琲の世界史』
先日、Mafuyuさんの記事でこの本の存在を知り、とても読みたくなり、速攻 Kindle で購入したのですが、その時は『コーヒーの真実』(Antony Wild著)を読んでいたところだったのでこの本にたどり着くまでにずいぶん時間がかかってしまった。ようやく読み終わったので感想を少し書こうと思う。
『All About Coffee』、『コーヒーの真実』そして本書の順に読んできたわけだが、はからずも順序は正解だった様だ。
もちろん年代もそうだが、今までの歴史や新しく発見された事がふんだんに書かれているのはとても新鮮な気持ちで読み進められた。
『コーヒーの真実』と重複する内容が多く見られるのだが、『コーヒーの真実』は海外の作者で翻訳本であることからか細かい表現が馴染めず、読むのに時間がかかってしまった。
しかし、本書は読みやすく、『コーヒーの真実』で理解できなかったことも分かりやすく(単に私の理解力が足りないだけなのだが)書かれていた。
コーヒーの歴史を知ったところでコーヒーの味が変わるわけはないのだがやっぱり知識として歴史を頭に入れることでより深く味わえることもありそうだ。
特に、日本のコーヒーに対する執着心というか研究熱心というか日本人の性格が表れているように感じる。
私が初めて喫茶店に入った時のコーヒーは、あの味音痴のアメリカでも使わなかったほどの劣悪なコーヒーだったそうだ。
そのために喫茶店のマスターは、本物のコーヒーの味に近づけるため焙煎や抽出を研究していくことになる。
コーヒーの質が悪いからどうにかしようとカイゼンを試みたわけだ。
歌舞伎の女形の方がより女性らしいと言われることに似ている。
よく、ガラパゴスと言われるが、何事も突き詰めて考えカイゼンしていく姿勢に、改めて日本に生まれてよかったと思っている。
コーヒーの栽培はもともと奴隷制度があってこそ成立していたものであり、単なる農産物にこれだけの企業や国がかかわっていることに驚きもあり、恐怖さえ感じてしまうのは私だけだろうか。
近年の科学の発達により遺伝子操作されたコーヒーが現れないことを祈りつつ、これから先のコーヒーの歴史書にあの時代(今が)が一番ひどかったと書かれるようにしていきたいものだ。
これでコーヒーの歴史に関する書籍はだいぶ読めたと思っている。このほかにもコーヒーに関する書籍でおすすめがあればぜひコメントで教えていただきたい。
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