見出し画像

珈琲の味と香り

珈琲を飲むのは、味なのか、香りなのか?
古代から人々は珈琲の香りに魅了されてきた。

珈琲の木はアカネ科コーヒーノキ属で英語でもCoffeeです。

初期には、エチオピアの高地で珈琲の木から落ちていた珈琲の実を食べてみたり煎じてみたりしたのだろうが、13世紀に焙煎するという発明を経てより一層、香りが重視されるようになったと思われる。

大航海時代が始まり、オランダやイギリスがその香りに惹かれ、エチオピアから珈琲の木の苗をそれぞれの植民地で栽培を始める。そして、コーヒーベルトと呼ばれる赤道を挟んで北回帰線から南回帰線の間の地域で栽培されるようになった。胡椒やシナモンなどの香辛料も同じ時期に植民地での栽培が行われたので同じ道のりだったようだ。

それでは、香辛料と同じく、珈琲も香りが優先して広まっていったのだろうか。香りの他に、もう一つ、珈琲の効能に飲んでスッキリとするという覚醒の作用がある。それまでは、発酵により作られたアルコールを飲んで酩酊していた人々が珈琲によって覚醒することで得られた爽快感も魅了したに違いない。

煎りたての珈琲を飲む時に感じるのは飲む前に香りが鼻腔にたっぷりと充満して、味はその後で舌や喉で感じてくる。香りは肺で感じるように思われ、肺と心臓は近いところにあるので心を揺さぶられる気持ちになる、味は舌から脳に伝えられ理解するように思われる。

この、煎りたての香りを宮嶋克雄さんは「トップノート」と呼んでいる。トップノートは香水の揮発性の高い香りで初めに香るものを言うことが多いようで、宮嶋克雄さんが珈琲の香りに同じものを感じて使われたようだ。

味は実から豆を取り出す際に行う方法にも影響されるようで、フルーティな味わいは果実を少し残して乾燥する場合に感じられることがあるもので、種子としての珈琲豆の味は焙煎により糖分がカラメル化する事であの色合いが生まれ、深く煎ることで苦味が出て、反面浅く煎ると酸味が強くなる。
生豆の種類によって味の確定ができるわけではなく、鮮度が高い珈琲豆であれば、焙煎度合いによっても味は大きく変化する。

焙煎度合いはライト、シナモンからフレンチローストまで分類され、酸味、苦味、甘味が変わってくる。
それでも、焙煎しているときの香りに惹かれ今日も珈琲を楽しんでいる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?