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泥水のコーヒー

若かりし頃、そして思い出しても赤面してしまう様な幼い頃に、初めてインスタントではないコーヒーを飲んだ。
それは当時「Jazz喫茶」などと呼ばれていた場所で小僧の私が出入りしてはいけない場所だが、どうしても覗いてみたくて、入ってみた。

マイルスやコルトレーンを苦虫をかみつぶした顔をして聞き、コーヒーという苦い茶色のドブ水みたいな飲み物を飲む、決しておいしくはないが私にとって最高に格好の良い事だった。

それから長い長い時間が経ち、相も変わらず同じ様にコーヒーを飲んでいた。

ある時、自分で豆を挽いて淹れることを覚え、豆を煎る事を知り、少しづつだが、コーヒーが珈琲に近づいてきた。

ドリッパーやコーヒーポット、ミルを買い揃えて準備を整えて、近所のスーパーで見つけた生豆を、フライパンで焙煎してみると香ばしい珈琲の香りが立ち込めて、段々と白っぽい緑色から褐色にはり、いつもの見慣れた珈琲に見えて来た。


初めてのことなので温度は何℃まで上げればいあのか、時間はどのくらいで止めるのか、色は黒くなりかけてきたので火を止めてミルで挽いてドリップして一口目、仰天のまずさに驚いた。

それから色々な情報を読んで少しずつおいしい珈琲を淹れられるように試行錯誤を繰り返して来た。

2021.02.21 画像変更しました。

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