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『知識ゼロからの近代絵画入門』

山田五郎 著
出版社: 幻冬舎(2019-03-07)
単行本: 135 ページ
ISBN-10: 4344903366  
ISBN-13: 9784344903364

山田五郎 第3弾は西洋絵画の歴史を学べるとてもためになる一冊です。

はじめに より引用
約400年もの間、変わらなかった西洋絵画がなぜたった100年でそこまで変わってしまったのでしょう。

それまでは宗教画やパトロンの人物像を描いて残しておくために書かれていた、いわば現代の写真の役割があり、写真の発明以降では絵画の存在意義が薄れていったのではないか。
そして、音楽の世界でも教会音楽と自己を表現するためのブルースが結びついてJAZZに変化し短期間のうちにバラエティー豊かになって行くことと近い感じを受ける。

ありのままを描くことが意味が無くなってきて被写体が持つ内面を描き出したエドヴァルド・ムンクや被写体を自分が感じたままに描く印象派クロード・モネ。「印象、日の出」もいいが、「散歩、日傘をさす女」は絵画素人の私でも風と陽の光を感じる好きな作品だ。

印象派の中で異彩を放っていたポール・セザンヌは絵画の基本ができていなく、そんな絵画のルールに縛られず自分が見たまま描くことを目指した。
アンリ・ルソーも独自路線を歩んできた一人で、この2人の独自性(へたうまとも言われるが)に影響を受けたのが、パブロ・ピカソとジョルジュ・ブラック達で、見たままの形にとらわれず幾何学的な形に表現したキュビズムへと発展してゆく。

そして、形を完全になくして抽象絵画からシュルレアリスムに移っていく。

YouTubeのチャンネルも参考にしながら楽しく読めた。全くの初心者なので、それぞれの絵画がどの様に繋がっているのか分からなかったが、この本のおかげで基本的なことはわかったつもりになった。これから、美術展に行く時には時代や画家のことを頭に入れて観るとより楽しく見られそうだ。


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