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コーヒー危機について

Amazon Prime Videoで見られるコーヒーの映画を見て考えた。

おいしいコーヒーの真実
(英題:Black Gold) 2006年 製作
監督 マーク・フレンシス, ニック・フランシス
出演 タデッセ・メスケラ


エチオピアの生産者組合の主催者を追ったドキュメンタリー映画。
コーヒー価格が最低価格に下落した『コーヒー危機』と呼ばれる時期に作られた映画で、コーヒー市場は先進国と呼ばれる国々でコーヒーの価格は決まり巨大な多国籍企業が支配しているマーケットだ。
生産者は小規模の農家で地域の組合に集め競売にかけ販売する。
しかし、価格は驚くべき低価で売買されている。
主人公の生産者組合の主催者はどうにか中間コストを省いて直接取引にし農家により高い価格で販売できるよう奔走している。

資本主義の世の中なので強いものが生き残り弱いものが淘汰されるのはしょうがないことなのかもしれないが、元来コーヒーの栽培は植民地で奴隷を使って行っていたものなので先進諸国の考え方の変化が必要なのだろう。
こうして、生産地と消費地の比較をしながら見ることで問題点を洗い出しているようだ。

A Film About Coffee
 2014年 製作
監督 ブランドン・ローパー
出演 ダリン・ダニエル (スタンプタウン・コーヒー・ロースターズ), マイケル・フィリップス (ハンサム・コーヒー・ロースターズ), ジェームス・フリーマン (ブルーボトルコーヒー)

この映画は先進国側から見たコーヒーを映画にしている。
スペシャリティコーヒーは今までのコーヒーの品質にと生産地に重点を置きより美味しいコーヒーを目指している。
「良いコーヒーを良い価格で買えたら次は何ができる」という言葉で考えてしまった。
この2つの映画は継続的においしいコーヒーを飲むためにはという問題を違う視点から映像化したのだが、それより、世界にはこんなにおいしいコーヒーを追及している人たちがいるという紹介に力を注いでいるようだ。
日本のコーヒーショップ(喫茶店)の紹介もいくつかあり、特に今はなき「大坊珈琲店」も紹介されており、ブルーボトルコーヒーの創設者も影響を受けているという有名店の在りし日の姿が収められている。

コーヒー危機というものがあったということさえ知らなかった。
これらの映画を見てからネットでコーヒーに関する論文を探して読んでみるとコーヒー産業の巨大化とコーヒーメーカー(焙煎業者と呼ばれる)の高い利益率に驚かされる。
コーヒーの故郷であることからエチオピア産のコーヒーを日頃飲んでいるが日本もアフリカへの支援や援助を行っているようだ。
私の購入しているコーヒー豆はどの様な流通経路で入手しているものなのか興味がわいてきた。
大手のコーヒーチェーンで購入する一杯のコーヒー価格の1%程度の価格で農家は取引されているようだ。
これほど全世界で愛飲されているコーヒーを将来に渡って飲み続けるためにはもう少し考えなければならないようです。
私の読んだ論文のリンクは下記にありますので、ぜひ一読されることをお勧めいたします。

参考コーヒー論文


『アフリカのコーヒー産業と日本の貿易・援助』
発行 2011年3月
ピー・アイ・エーリミテッドライアビリティカンパニー(プロマーコンサルティング)

『コーヒー危機の意味』
日付: 2006-12
 西南学院大学 機関リポジトリ
著者 吾郷, 健二

『コーヒー危機の原因とコーヒー収入の安定・向上策をめぐる神話と現実』
刊行年月 2009-03
千葉大学教育学部
作成者 妹尾, 裕彦


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