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『抗生物質と人間』おまけ

先日投稿させていただいた『抗生物質と人間』ですが本の内容が濃すぎて一度の投稿ではとっても足りません。
本の内容を全て書きつくしてしまいたいくらい本当にいい本なのですが、そうもいかないのでもう少し気になった部分を書かせてください。

人類の歴史上、細菌と病気の因果関係を発見したことはとても大きな事で色々な病気を克服してきた歴史でもあり寿命を伸ばしてきた大きな要因となっていることは周知の事実だと思う。(ある研究者はDNAに刻まれた人類の寿命は55歳程度だと報告している。)

細菌=病気の理論を信じ細菌を排除することに注力してきた医学がある時分岐点にさしかかる。
細菌は人体に入り込んで病気を引き起こすと考えられたが、「細菌がいなくなってしまい病気になる」ことが判明したのだ。

その原因となるのが細菌を攻撃する抗生物質であり、抗生物質によると思われる疾患が数多く見られる。

肥満(BMI値が30を超えると肥満とされる)
1970年以前にはほとんど見られなかった肥満が現在では20億人を超える。この増加スピードは毎日8万人が増えていることになる。
食環境の変化やカロリー摂取量の増加だけでは説明できず何らかの原因が関わっていると考えられる。(新型コロナ予防接種時の基礎疾患としてBMI 30以上も含まれる)

アレルギー
花粉症を含めアレルギー患者は増加した。
東京都福祉保健局がまとめた「アレルギー疾患に関する三歳児全都調査(平成二十一年度)報告書」によれば1999年の食物アレルギー確定診断は、三歳児で7.1%だった。その後10年間に14.4%と倍増した。

糖尿病
一九六〇年から九六年までの三六年間の、二七カ国三七の調査結果をまとめたメタ解析が一 九九九年に発表された。 過去三六年間に、1型糖尿病患者の割合は毎年三パーセントずつ増加 していることが明らかになった。単純にいえば、患者発症数は二〇年毎に倍増してきた計算になる。

上記は代表的な疾患でそれ以外にも喘息、潰瘍性大腸炎、自閉症、クローン病などの増加も抗生物質がひこ起こす腸内細菌叢の撹乱によるものである。
と本書は断言している。

私は以前半導体や液晶の製造に携わってきた。
それらの装置は機械、電気、電子、ソフトウェアと広範囲の技術が組み合わされており、度々故障が発生した。
その度に呼び出され修理をするのだが、そこで学んだことがある。
故障している現象は原因ではないということだ。
原因はもっと深い想像もしない部分にあることが多いのだ。
つい、現象を復旧し完了としてしまうが数日後に再発しまた呼び出されてしまう。

病気も同じではないのだろうか。
細菌(またはウィルス)が身体に侵入し発病する。その細菌をやっつければ解決だと思って医学は発展してきた。
もっと人体の常在菌も含めた全体を考えた処置が必要なのでしょう。

最近に興味を持ち始めてから、どこかが痒くなったり、乾燥したり、お腹がゴロゴロしたりすると細菌達に話しかけるようにしている。
私の言葉が通じるわけはないのだが、少しは細菌達の気持ちになって生活が出来るような気になる。


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