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キャプテンとは、不動であるべきか、それとも不在であるべきか

ジャイアンツの新キャプテン、岡本選手が8月は12試合で10HR、OPS1.345と打ちまくっている。

素か芸か、僕にはわからないけど「最高で〜す」な不動のジャイアンツの4番は、「新キャプテンで〜す」なんて名刺に肩書きを入れたから、気兼ねなく打っちゃっていいかな、みたいな感じ?それともキャプテンとしての何かが打たせている?WBC反動のせいか開幕当初は球が飛ばず、その後もチームの調子とリンクしているのは明らかだから、さすがにノープレッシャーではないだろう。

ところで、キャプテンっていったい何者?

高校野球ならキャプテン不在のチームなどありえない。
甲子園の開会式で高野連会長が挨拶で言ったけど、スポーツの本懐はPlay Hard, Play Fair.
まだ高校生、キャプテンが声出し指示と率先垂範して、チームがまとまる。
ちょっとずれるけど、対外的なコミュニケーションもキャプテンの大事な役割だ。

そして、Play Hard, Play Fairなど当然のプロ集団のキャプテンのミッションとは?
WBC侍ジャパンは、全員がキャプテンだと栗山監督がチーム結成の冒頭ミーティングで選手に明言していた。

SNSなどで、うんざりするほど、キャプテンなのに...とか、チームのために...云々のコメントを目にする。キャプテンはアマプロかかわらず、チームの不振の責任を一手に負う役目ではあるまい。「キャプテン」の代名詞はファンのフラストレーションを増幅させる触媒にさえなっている。

だから、プレッシャーや余計な気苦労で自身のパフォーマンスに影響が出るだけで、チーム全体にプラスがないなら、キャプテンという存在はいらないのでは?
キャプテンて、誰得?
と、佐野恵太を見て思う。

背番号7が19と並んでベンチから悲壮なオーラを滲ませながら鼓舞する声出しをしている姿は見たくない。

セ・リーグの上位チーム、キャプテン不在のカープは新井監督の存在に加えて、キャプテンの存在は確かに無用に思える。
タイガースは、佐野の明大野球部時代に主将だった坂本選手が去年のキャプテンだったが、新監督の意向で不在になった。さながら老舗の大社長みたいな岡田監督と20代の若者達の間のコミュニケーションをスムーズにする役割からのキャプテンは存在意義あるのでは、と傍目に思うが、岡田監督はそこはメディアやコーチを使っている。そもそも坂本選手は選手間投票で選ばれたとのことだから、ある意味ミッションは軽かったのかもしれない...

パ・リーグ首位を快走するバファローズにもキャプテンはいない。

一方で、あるコラムによれば、かつて阿部慎之助や小久保裕紀はキャプテンとして不動のスタンスをもってチームのレベルアップに貢献した、らしい。

佐野恵太は2020年、前監督が自身の監督最終年に筒香選手の後任として指名した。当時はラミレス監督の強烈な個性やプレースタイルを選手に浸透させるための役割が求められていたと思う。帰化されたとはいえ、コミュニケーションのハードルもあっただろうし。

今のチームはコーチを含めた共同リーダーシップ体制。こうした体制変化のなか、彼は守備位置や打順も目まぐるしく変えながら、キャプテンの役割や意味を模索する毎日が続いているのだろう。
監督がキャプテンを任命したなら、前向きかつ、変なプレッシャーを与えずにモチベートするコミュニケーションがなされていると信じたい。

僕が監督なら、こう声をかける。チームを引っ張っていくなんて気張らなくていい。ビール掛けのときの発声のセリフだけを考えておけばいいのだ。そう、君は君でしかないし、君であるべきだ。


プロ集団のキャプテンのミッションとは?

結論はわからない。でもチームのスローガンを体現するプレイヤーがキャプテンであってほしい。

横浜頂戦。首位打者や最多安打のタイトルホルダーにふさわしいスローガンだと思う。

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