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リハビリの教員が対応している学生さんの問題 5選 その1

こんにちは。

唐突ですが、私は学校の雰囲気が好きです。

学校はたくさんの人のエネルギーが集まり、そして絶え間なく流れている場所です。

私がリハビリの学校でそこそこ教員を続けてこられたのも、そういった雰囲気が好きで、なにより夢や希望に満ちて、未来を切り拓いていく若者の姿を見るのが好きだからです。

その反面、夢破れて学校を去っていく若者の姿も同じように見てきました。

教員の業務時間のほとんどは問題のある学生さんの対応に注がれる。

教員の業務時間は、問題のある学生さんや、学校を辞めそうな学生さんに圧倒的に時間を割かれます。もちろんこれも教員の大切なお仕事ですから、未来ある学生さんのために嫌がっているわけにはいきません。

先生のスキルにもよりますが、私の体感では授業+準備:学生指導:研究+研鑽の割合だと、3:6:1くらいの時間配分ではないかと思っています。

教員が介入して問題が良い方向に解決すればいいのですが、多くは問題発覚したときには手遅れだったりします。すでに退学を決意している学生さんを翻意させることはまず無理です。

先生もまた学生さんの対応に疲弊しており、メンタルを病んで退職されてしまう先生もいました。

リハビリの教員が対応している学生さんの問題

リハビリの教員が対応する学生さんの問題は主に①成績の問題②生活・家庭の問題③経済的問題④学校の人間関係の問題⑤精神的な問題です。これらは単体で起こるのではなく、同時多発的に起こることが多く、複雑になるほど問題解決に時間がかかり、しかも良い結果にならないことが多いです。

1.成績の問題

今はそうでもありませんが、かつて医療系の学校は留年がものすごく多かったです。医学の勉強は確かに大変です。スピードが速く、覚える量も多いため、授業をさぼったり、居眠りしようものならあっという間についていけなくなります。学校側も成績不振学生、態度不遜学生を留年させることについて躊躇いはありませんでした。(※今はそうでもないと言ったのはいろいろな事情がありまして、それはまた他の記事でご紹介します。)

かつて中退のタイミングの多くは、留年が決定したときでした。頑張ったけどダメだった…涙。です。その後、留年を契機に中退する学生さんと、次年度に再起をかける学生さんと、だいたい半分くらいでした。

しかし今は期末試験直前もしくは試験中の方がかなり多くなってきました。試練が目前に迫るまで問題を先送りにするのは、いつの時代も学生さんの本質ではないかと思います。そこで一夜漬けのような足搔きがあるわけなのですが、今の学生さんはそこまでもちません。にもかかわらず、試験前のアルバイトや、地元の友達や恋人と遊ぶペースも調整しません。

ただ、「自分が失敗した結果を見ることを極端に嫌がります。」

単位未認定「D(学校によってはFとか*)」の外見は変わらないのですが、それでも彼らにとって、「落第」と「棄権」はきっと違う意味なのでしょう。

そんなときに私はイソップ童話の「キツネとブドウの話」を思い出します。

リハビリの学校では誰もが聴いたことのある、有名な童話です。(心理学の防衛機制の「合理化」で紹介されるたとえ話です。)

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キツネが高い木になったブドウを採ろうとして頑張ったが、採れなかった。そこでキツネは「あのブドウはきっと酸っぱいに違いない」と思うことにした、というお話です。

人間は自分の失敗をもっともらしい理由で正当化、合理化するものだということのたとえ話です。

でも、この話は人間の普遍的な心理のお話です。それではなぜ最後までやり遂げられない学生さんが最近になって増えてきたのかの説明がつきません。

私の他の記事で、「リハビリの学校は近年入りやすくなった分、辞めやすくもなっている。」と書きましたが、それと関連があるようにも思えます。

もしかしたらレディネス(入学前後の学生さんの気持ちの準備)の状態が変わってきているのかもしれません。

学生さんの心理を紐解くことは容易ではありません。学生さんそれぞれに、いろいろな葛藤や問題があって、成績不振に陥ってしまったり、気持ちがついていかなかったりするものです。「若き○○の悩み」ですね。

教員として、学生のことを深く理解していないくせに、分かったようなフリをしてしまうのだけは良くないと思っています。

ただ、教員が勉強がうまくいく方法を教えれば、本当にこの問題は解決できるのでしょうか?本線とズレ始めて話の終わりが見えなくなりましたのでこの辺で。

「リハビリの教員が対応に疲弊してしまう学生さんの問題 5選 その2」に続きますので、よろしかったそちらもご覧になってください。

長文になりましたが最後まで読んでいただきありがとうございました。

(つづく)

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