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一目惚れした刀が一か月でモデルのキャラが刀剣乱舞に実装された話


筆者は2020年に刀剣乱舞を始めた、審神者である。

きっかけはTLにあった友人の日光一文字の入手画面である。
当時受験生であった筆者はアプリのDLを躊躇したのだが、日光一文字の実装翌日、何があったのかは歴戦の審神者方はご存じのことであろう。

刀剣乱舞運営様史上最大のご乱心と名高い62振配布である。

当時私は何もわからなかったわけであるが、友人の「イベントでしか手に入らないレアな刀も手に入る」「とりあえずログインだけすればいい」という口車に乗せられその日のうちにアプリをDLしたのである。
(結果的に大正解だったわけである。友人には感謝しきれない。)

その翌日。受取箱に入っている62振。正直訳が分からなかった。初日に17振入手していたのもあり総勢80振近い刀剣男士を目の前に右も左もわからない中困惑したあの日々が懐かしい。
淡々と出陣をこなし、鍛刀する。結果として日光一文字はその時は来なかったわけであるが、刀剣乱舞が私の琴線に触れるのに一週間で十分だった。結果として現時点で三年以上審神者を続けているわけである。

刀剣乱舞にハマって、モデルとなった刀本体を見に行こうとなるのは審神者あるあるではないだろうか。筆者も例に漏れずそうなった審神者の一人である。結果的に東京国立博物館をはじめ、致道博物館、福岡市博物館などさまざまな博物館を訪ねた。留学中に耐えきれず旅行先の博物館の日本コーナーに展示されていた日本刀の前でずっと佇んでいたのも今となっては良い思い出である。


前置きが長くなってしまった。

2023年12月某日。松井江と蜻蛉切を見に行こうと友人(この友人は上記の私を沼に引きずり込んだ友人とは別人である)と佐野美術館に行った。

完全に余談であるが私が適当に使ったコインロッカーが34番で小夜じゃん!となったのも今になっては懐かしい(私は特に小夜左文字推しである)(ちなみに友人は松井江推しである)。


松井江と蜻蛉切と火車切は最後の展示室に展示されていた。そこに至るまでに私は行平の太刀を見れてそれだけで元が取れたと思っていた(筆者は行平の刀に目がない)。
最後の展示室について、正宗や信国、兼光、蜻蛉切、松井江を堪能した次に目に入った脇差。

それが火車切であった。

目に入った瞬間、体に雷に打たれたような衝撃が走った。
この刀の虜になった、と気づくのにそんなに時間はかからなかった。

この刀の何が理由で一目ぼれしたのか、未だにわからない。
言語化しようと思ってもできないのである。
とってももどかしいが、目に入ったあの一瞬で好きだ!と思ったのである。
あの時の衝撃は一生忘れることのできない衝撃であろう。いまだに思い出すことができる。

このように直感的に好きだ!と思う経験は人生において数少ないものだと思う(少なくとも私はあまりそういう経験がない)。
あの時の気持ち、あの時の衝撃を大事にしていきたい。

友人も私も満足し展示室を出て、ミュージアムショップに向かった。そこにあった火車切のポストカードとファイルを購入した。とにかく火車切の本体の画像だけでも欲しかった。
とりあえずショップにあった火車切のグッズはすべて購入した。感情が止まらなかった。

帰途についていつか火車切が刀剣乱舞に実装されたらいいなあ…と考えていた。
自分の好きな刀が、自分の好きなコンテンツにモデルとして実装されたら、幸せなことはないなあ…と思ったのである。

それからずっと、クリアファイルを自宅の絶対見るところに飾り、ポストカードはフォルダに保管し、毎日のように眺めていた。

そして一か月ほどたった2024年1月。
刀剣乱舞が珍しくYoutube生配信を行った。
私は当然のように画面前に待機し、配信をリアルタイムで見ていた。

そこで異去の実装と張番の実装が発表された。
最初公開された張番の姿を見て「ガ〇トの猫ちゃんじゃんwww」などと思っていたわけである。ガス〇君などと呼ぼうなどとあだ名を考えてもいた。
しかし生配信中に更新された刀剣乱舞運営の公式Twitterに張番の画像付きの投稿があった。
それを見て気づいてしまった。

張番の衣装の一部に見覚えのある三鈷柄剣の模様が入っていることに。

そして火車切が斬ったとされる火車という妖怪は老猫のように表されることがある、ということを佐野美術館で見たときの説明文に書いてあったことを思い出したのである。

この時点では張番としか言われていなかったが、私は確信していた。

張番=火車切である、と。

ここからの私の狂い様はすごかったと思う。
いつか実装されることを願ってはいたが、まさか一か月で叶うとは思っていなかった。
何年、何十年先でも、待つ自信はあった。
それがまさか一か月で叶うなど思っていなかった。ただただうれしかった。
配信が終わって三時間半電話でオタクの叫びを聞いてくれた友人には感謝しかない。

そして2024年1月16日。予定が入っておりメンテ明け直後の参戦は断念したが、予定が終わって帰宅した時点で入手条件やマップの攻略情報があふれていた。
なんとか自分の最強部隊で攻略できそうだった。
500回攻略しなくてはならない。だが、貝を30万、よくわからん魂を30万、など様々なものを集めてきた自分にとっては500回攻略すればいいのは楽だった。大侵寇イベントの反省を活かして小判をずっと貯めていたことも幸いした。

ひたすら出陣し続けた。課金アイテムも一日に買うことのできる上限まで購入した。


そして翌17日の午前2時46分、500回撃破することができた。


ようやく入手できた。
達成感とうれしさとが混ざった感情だった。正直眠くてあまり覚えていないが。中傷絵と真剣必殺を回収して、その日は寝た。翌日は昼まで寝ていた。

目覚めたときの日差しが異様に眩しかったのを覚えている。

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