たのしい架空動物図鑑

太陽と申します。

Zoom飲み会という文化をご存知でしょうか。
昨今、アレがコレでどうしようもないことになっており、外出が不可能となっています。そんな中で、Web会議サービス「Zoom」を用いて、互いの顔を見ながらお酒を飲み、談笑する「Zoom飲み会」がブームとなりました。
そんな今もっともアツいZoom飲み会。そのビックウェーブに乗り損ねまいと、僕が所属する組織内においてもZoom飲み会が催され、僕もその集いに素面で参加させていただきました。

スクリーンショット 2020-04-24 15.00.


さて、Zoomには「ホワイトボード」という機能があります。全員の画面に共有されたホワイトボードが表示され、自由に書き込みができる機能です。僕が参加したZoom飲み会ではそのホワイトボード上で絵しりとりなどが行われました。ですが、流石は酒の席。いつしか参加者の興味は絵しりとりから逸れ、ホワイトボードは無秩序な落書き帳と化してしまいました。

自分の推し(推しメンの意。他者に勧められるほど好きな様)を書いたり、うろ覚えでキャラクターを書いたり、とまさに自由。僕以外は多分皆お酒が入っていたので、いよいよ収集がつかなくなっていました。
僕はそんな様子を素面で見ていたのですが、落書き帳になってしまったのなら、いっちょ「かまして」やろうと思うのが人の性。

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こんなイラストを自己申告なしで黙々を書いてみました。もちろん、不気味がられたのは言うまでもありません。
不気味がられたことで気分が良くなった僕は、同じような意味不明なイラストを淡々と描き続けました。

今思うと僕は雰囲気に、そして自分自身に酔っていたのかもしれません。

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よくもまあ共有のホワイトボードを、自分だけのキャンパスにできたもんです。
たくさんの動物がいますが、その大半が人工的に造られた形式があることから、同席していた先輩に「悲しみの動物園」と形容されたのを覚えています。上手いこと言いやがって。

さて、この悲しみの動物たちを、そのまま廃棄してしまうのは、あまりに忍びありません。という訳で、ここに描かれている動物たちの設定を考えてみました。
全部で22種類です。お暇つぶしにどうぞ。

タスマニアピカチュウムシ

タスマニアピカチュウムシ

タスマニアに生息するピカチュウムシ。顔の部分が黄色いネズミのようになっている環形動物。テレビアニメ「ポケットモンスター」に登場する「ピカチュウ」というキャラクターのモデルとされ、放送当時日本国内に大量に輸入された。だが、餌が高価な上に繁殖力が高いタスマニアピカチュウムシは購入者の手に負えず、捨てられ野生化し指定外来種となった。それによる生態系への影響が懸念されている。また、タスマニアピカチュウムシとは別に、在来種としてニホンピカチュウムシがあるが、そちらはテレビアニメ「ポケットモンスター」に登場する「ピカチュウ」というキャラクターには似ていないためペットとしての人気は低い。

ニホンオオタスマニアピカチュウムシクイ

ニホンオオタスマニアピカチュウムシクイ

ニホンオオピカチュウムシクイがタスマニアピカチュウムシしか食べられないように進化(?)した生物。タスマニアピカチュウムシの日本国内における野生化の影響を象徴する生物である。新種として誕生したはいいが、本当にタスマニアピカチュウムシしか食べないので勝手に数を減らし、気付けば絶滅危惧種に指定されてしまった、間抜けなやつである。ちなみにタスマニアにはオオタスマニアピカチュウムシクイというニホンオオタスマニアピカチュウムシクイによく似た生物がいるが、こちらはタスマニアピカチュウムシ以外もちゃんと食べるため順調に種を繁栄させている。

ツインヘッドスネーク

ツインヘッドスネーク

頭が二つある蛇。二つある頭の仲の良さは個体差があり、量の少ない餌を健気に分け合っている涙を誘う個体もいれば、互いに殺す気で噛みつき合い争っている闘争心を感じさせる個体もいる。ちなみに頭が二つあるということは、急所が二つあるのと同じなので、片方が致命傷を負うと両方とも死ぬ。つまり内輪揉めの末に勝手に死ぬ個体もいたりする。

トリプルヘッドスネーク

トリプルヘッドスネーク

ツインヘッドスネークの突然変異種。ツインヘッドスネークの特徴であった二つある頭が三つとなっている。それぞれの頭同士はツインヘッドスネークより仲良くなった。二つの頭が仲違いを起こしても、もう一つの頭が仲裁をしてくれるのだ。この習性は「トリプルヘッドスネークの仲」という慣用句の語源である。

ソロヘッドスネーク

ソロヘッドスネーク

ツインヘッドスネークの突然変異種。ツインヘッドスネークの特徴であった二つある頭がなんと一つしかない。学会で今最も扱いに困っている生物である。

高橋くん

高橋くん

高橋くんは愛を擬人化した存在であり、愛は高橋くんを概念化したものである。本稿において多くを語る必要は無い。なぜなら、語れるほどの内容を有していないからだ。

メニーマウスドッグ

メニーマウスドッグ

口がいっぱいある犬。このいっぱいある口を駆使して、顔の表面にくっついたダニや、蠅や虻などの虫を捕食し栄養にしている。これにより、衰弱死する可能性が減少し、ペットとしての需要も減少した。

アジアウツクシチョウ

アジアウツクシチョウ

羽の模様が漢字の「美」になっている蝶。美しいと感じるかは人それぞれの感性に委ねられる。命名をした日本人の学者は、ふざけているのではないか、と疑われているが本人は否定している。

アジアミニクイデチョウ

アジアミニクイデチョウ

羽の模様が漢字の「醜」になっている蝶。非漢字文化圏ではアジアウツクシチョウより美しいとされている。理由は、非漢字文化圏の人間は画数が多くて複雑な漢字が好きだから。命名したのはアジアウツクシチョウと同じ人物。今度こそ言い逃れはできないだろう。

マッハクモ

マッハクモ

本気で走ると最高速度が音速を超える蜘蛛。動くスピードがばちくそに早いため、なかなか天敵や人間に殺されることは無い。もしも自宅に蜘蛛の形をした穴を見つけたら、それはマッハクモが走って壁を突き抜けた痕だろう。ちなみにマッハクモが硬い壁にぶつかると、身体が木っ端微塵に爆散する。

アシナシアシナガグモ

アシナシアシナガグモ

足が無いアシナガグモ。足が無いので、ぴょんぴょんと跳ねて移動する。かわいい。吐き出した糸で、木の枝などにぶら下がり、ターザンのように移動することもある。この習性からマーベルコミックスの「スパイダーマン」のモデルであるとされる。発見したのは山形県在住の小学生。地元で大きな話題となり、ローカル番組等で特集された。結果、その少年に「アシナガグモの足を切断して作ったのではないか」「動物虐待ではないか」という疑いがかけられる。ついには、動物愛護団体会員を名乗る人物から、足を切断されたアシナガグモの遺体が「一寸の虫にも五分の魂」という手紙と共に少年の自宅に大量に送り付けられる事件が発生した。

オオカオアリアメーバ

オオカオアリアメーバ

ある日、アマゾンの奥地で顔がある上にでかいアメーバが発見された。焦点の合わない目が特徴だが視界は無いらしい。全長1メートルくらいある。雨上がりの森林みたいな匂いがする。

オオカオナシアメーバ

オオカオナシアメーバ

オオカオアリアメーバの発見から一ヶ月後、同じくアマゾンの奥地で顔の無いオオカオアリアメーバが発見された。しかしながら、オオカオアリアメーバのインパクトに勝てず「二番煎じ」「劣等種」「順番がおかしい」と散々罵倒されたかわいそうな生物である。オオアメーバという名前で良かったのではないだろうか。

カオアリアメーバ

カオアリアメーバ

さらにその一ヶ月後、また同じくアマゾンの奥地にて、通常のアメーバと同じサイズのオオカオアリアメーバが発見された。世間から見向きもされなかったのは言うまでもない。

カオナシアメーバ

カオナシアメーバ

さらにさらにその一ヶ月後、またまた同じくアマゾンの奥地にて、顔が無い上に通常サイズのオオカオアリアメーバが発見された。ネーミングの後に「やっちまった」となったのはあまりにも有名な話である。

電話犬

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耳から額までが電話の受話器になっている犬。きちんと電話としての機能を有しており、契約し電話線に接続すれば通話も可能である。だが、電話のダイヤルに当たる部分が丸々顔になっているため、電話番号を入力することができず、こちらから電話がかけられない。読み方は「でんわいぬ」だが「でんわけん」と読む地域もある。

爆弾猫

爆弾猫

爆弾になっている猫。人が近づくと爆発するという、バイオハザードの面倒臭い敵みたいな習性をしている。その習性から、特に悪いことをしていないのに害獣とされ、迫害されている。そんな中でも手を差し伸べてくれる優しい人もいたのだが、そんな人たちは爆発と共にまとめて葬られているので、結果的に四面楚歌である。そんな素性を鑑みれば、この微妙な表情も頷けるだろう。

ドリルガニ

ドリルガニ

ハサミの部分がドリルになっている蟹。浜辺でうたた寝していたら、体に大きめのピアス穴が開いていたというのは、あまりにもよくある話である。ドリルの部分をつまむと、ドリルの部分を支点に全身が回転する。その様子は滑稽で、よくS N S等にアップされる。

ニシアジアジサツドリ

ニシアジアジサツドリ

西アジアに生息する渡り鳥。繁殖期を終えると、一斉に地面に飛び込んで自殺をする。しかも、狙いすましたかのようにアスファルトに向かって落ちていくものだから、近隣住民はたまったものではない。ニシアジアジサツドリが自殺を行う地域では、丁度日本の雪かきのように「自殺鳥掬い」という習慣がある。

硬いカービィ

硬いカービィ

真面目なカービィ。あまりにも真面目すぎて、周囲も扱いに困っている。最近、真面目すぎて物理的に固くなってしまった。釘だって打てる。LINEは本名で登録しアイコンはデフォルトのまま。曲がったことが大嫌い。もしも彼の目の前で何か無作法な行いをしようものなら、たちまち吸い込まれてしまうだろう。

柔らかいカービィ

柔らかいカービィ

しかしそんな固いカービィも、ある一定の時期を境に垢抜けて陽気で柔らかな性格へと変貌する。物理的にも柔らかくなった。きちんと全身を抱えるようにして運ばないと、自重で千切れてしまうくらい柔らかい。毎日毎日、いろいろなところで遊びまわるパリピ(party peopleの意。Partyはパーリーと発音する)と化し、固かった頃の面影はない。体格差の関係で散々踏まれて帰ってくる。

何か棒状のものを口に含んだカービィ

何か棒状のものを口に含んだカービィ

口に入れている段階で「あれ?」って思わなかったのかな。


あとがき

いかがだったでしょうか。皆様の暇な時間の彩りになれたら幸いです。
ちなみに、こういう妄想は常日頃行っており、ストックが貯まったら同じような形でアウトプットしたいと思っています。ですが……


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現在はこのザマですので、次回は無いと思ってください。
最後までご覧いただきありがとうございました。

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