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コロナ禍でも一人法務を支えてくれた「ナニカ」への感謝の正拳突き #LegalAC

はじめに

 このnoteは、法務アドベントカレンダー2020の12月11日のエントリーです。ささかわごうすけ さんからバトンを頂きまして、書かせていただきます。昨年初参加して、今年は2回目。
 まず、はじめに、昨年の投稿では大変ご心配をおかけしましたが、無事、いろいろ整い、今は、平穏な生活をとりもどし、、、、、てませんよね、、、、だれが、このような事態を想像できたでしょうか。新型コロナウィルスが猛威を振るっています。
 実際問題、昨年の被災から2020年2月位には、リフォームも終わり、新生活スタートというところでしたが、そのころから国内感染者が増え始め、春を迎える頃には、家族一同で、STAY HOMEな日々がスタートしていた記憶です。はやく、静穏な日々が戻ることを祈るばかりです。

 一方、仕事はというと、このような最中、3月頃には、上司の退職を受け、数年ぶりの「一人法務」となりました。この半年以上は、本当に泥だらけで、駆け抜けたような気持ちで、気づいたら、ここに立っていた、そんな気持ちです。
 振り返って見ると、本当に多くの人やコミュニティ、ツールに助けられたなと思っています。「己の肉体とに知識に限界を感じ悩みに悩みぬいた結果、私がたどりついた結果(さき)は、『感謝』であった」(H×H) ということで、そんないろんな方たち、コミュニティ、ツールなどなどに感謝の気持ちを込めて正拳突き、もとい、今回のエントリーを書いてみたいと思います。
・・・・これ、伝わってるのかな。。。ホントに空手な人とか思われたら、どうしよう(笑) さて、本題。

目次
1.仕事仲間
2.法務互助会(Slack)
3.外部の弁護士・弁理士
4.ツイッター
5.ワークフローとクラウドサイン
6.ビジネスリーガルライブラリー
7.アカデミックな活動

1.仕事仲間

 「一人法務」いっている側から、なんなんですかって、話ですが。ようは、社内の他部署の同僚です。例えば、総務や経理、人事。もちろん、事業部メンバーも指しています。一人法務をしていると、自分の仕事を俯瞰して見てくれる近い同僚や上司がいないため、とても近視眼的な働き方になりがちです。また、余裕の無さからか、「処理」に注力してしまい、その案件(例えば契約書)が、ビジネスの中でどう実装されていくのかまで、気が回らないことが多くあります。こんな場面で、仕事仲間の存在の大きさをとても感じました。
 法務という役割は社内に一人かもしれませんが、同じビジネスをサポートしドライブしていく仲間として、他部署それぞれの視点から、「これって。。。。」とか、「法律がどうかわかんないんですけど、なんかヤバそうだなと思って。。。」といった、内線、チャットに何度となく、気付きを与えられました。そういった、素朴な疑問をぶつけてくれる他部署の仲間に恵まれたことを感謝しています。
 コロナ禍で出社に制限がかかっている状況下においては、このような支えの重要性はより、顕著になってきていると思います。また、幸いにして、入社8年目という、当社にしては、相当な古株になっていますので、いままできづいてきた人間関係の中で「あうんの呼吸」で、進めることができた仕事も多く、改めて、一つの組織で継続して働くことの大切さも感じたところです。
  
賛否あるのかもしれませんが、事業部の人間がこういってくれたことは、墓の中まで持っていきます。

2.法務互助会(Slack)

 このnoteを見てくださっている方の多くが参加をされているかもしれませんが、一人法務にとって法務互助会の存在はとても大きかったです。私が参加したのは、2019年の3月でした。発案者のkataxさんの投稿をみると、「『これってさー』って気軽に聞ける場所にしたい」という、コミュニティにまさになっていると思いますし、本当に助けられていると思います(同じ人多いと思います)
 自分が相談し、解決を得られることも当然に多くあるのですが、それと同じ位に、「あ、こんな問題点や問題意識があるんだ!」とか、「(自分ならこう回答するけど)、なるほど。。」みたいな通常は見ることができない他社の法務業務が垣間見え、これも非常に有益です。この点は、複数の会社を転職し、渡り歩いたような感触すらあります。
 また、一人法務はロールモデルは社内にいないということもあると思うので、こうなりたいなとか、こういう風に仕事していきたいなとか思える方が多くいることも、とても良い刺激になっています。
 かなり質の髙い法律的な議論から、ちょっとしたTips、そして、雑談まで。本当に素敵なコミュニティだと思います。ベテラン法務パーソンの質の高い疑問・質問に、「こんなん投稿していいのかな。。」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、「大丈夫、問題ない」です。ほんとに。
 まだ、参加されていない方は、ぜひ、ご参加ください!

3.外部の弁護士・弁理士さん

 実は、5年程前にも、数か月ほど一人法務で仕事を回していた時期があったのですが、その時も、そして現在も、当社のビジネスや私自身の働き方・性格を理解してくれている外部の専門家のみなさんの協力無しには、乗り越えられない(られなかった)と思います。一人法務にとって、外部の専門家とのお付き合いの仕方は、様々で、いろんなスタイルがあるかと思います。一人で法務を回すという視点では、私は、だいたい以下のような案件をお願いしています(もちろん、その視点以外でも、多大な活躍をして頂いています)。
(1)純粋な法律リサーチ業務
 例えば、アパレル企業であれば、アパレル製品に関する法的な知見はそれなりにあるのですが、一方で、ノベルティで、モバイルチャージャーをプレゼントしたいなどといった場面があります。当然、景品表示法の確認は自分で行うのですが、さすがに、電気関係法令のチェックは自信をもって行えませんし、自分で行う業務ではないと割り切って、丸投げしています。本当に調べるだけで答えが出るような分野へは、自社の領域外は、時間の制約も踏まえ、立ち入らない整理にしています。

(2)自社の基幹ビジネスから遠い分野の契約・約款のレビュー
 
契約書のレビューは、社内に知見を残す意味で、基本的には、内部でしっつかりと確認するという考えなのですが、逆に、(ちょっと例がよくないですが)リース契約のような社内にナレッジを残す必要性の乏しい分野については、まるっと投げてしまう判断もしています。(むしろ、あまり精査しないという価値判断もありうる分野かもしれませんが)。慣れていない分野ですと、見落としも多いですし、弁護士の修正・コメントに学ばせて頂くことが多いです。このあたりは、今後、世の中的には、リーガルテックが利用されていく分野なのかもしれませんね。

(3)権利管理業務
  私の場合は、商標権が主ですが、知的財産の管理については、外部サービスにに委ねています。アーリーステージの会社様は、法務担当が一人ということも多いでしょうし、知的財産の管理についても、内製されていることが多いかもしれませんが、この分野だけは初期から外部サービスに委ねています(推奨もします)。権利消滅の影響が大きすぎるというのは、ほとんどの理由なのですが、知的財産の管理は、予算管理と同義の部分が多いと思いますが、例えば、更新費用など、まとて算出して指定の時期に出してきてくれていたりなど、工数を減らすという意味でも、この方法がよいと思っています(当たり前なのかな。。)。

(4)壁打ち
 
ちょっと語弊や誤解を産む表現かもしれません(笑)一人法務の悩ましいところの一つに、一人で悩みがち ということがあります。もちろん、そんな時にこそ、法務互助会ということなのですが、秘匿性の高い案件やまさに仕掛かり中かつ具体的な事象にかかるものだと、はばかれることがあるのも確か。
 そんな時に、外部の専門家の方に壁打ちに相手になってもらうということは、合理的なジャッジをする際には、重要だと考えています。この仕事は必ずしも、白黒つくものばかりではなく、白っぽいいグレー、黒っぽいグレーというグラデーションのなかで判断していく性質のものが多く、そのような場合には、様々な角度からの議論が欠かせないと思っています。その際に、意図的に極端なケースなどを交えながら専門家と議論を交わすというプロセスは非常に有益だと考えています。また、このようなプロセスをふむことによって、相互理解も深まるものと思っています。

4.ツイッター

 私がツイッターをはじめたのは、10年くらい前の話で、こんなに積極的にみたり、投稿したりするようになったのは、本当にここ数年の話です。まして、こんなアドベントカレンダーに参加するなんて。。。と脇道にそれましが、やっぱり情報収集ツールとして、即時性は素晴らしいですし、情報を取りに行くことも、一方的に受けることでき、臨機応変な使い方を工夫できる面でも、とにかく情報不足になりがちな一人法務には有益なツールだと感じています。もちろん、どういった方をフォローすればいいのかというところも悩みどころかもしれませんが、私としては、気になった人はどんどんフォローしてしまって、定期的に見直してみればいいのではないかなと思います(法クラでフォロー外したことって、ほとんどないのですが)。
 私は、弁護士、企業法務の方、ファッション系のアカウントが多いです。(ファッション系は、インスタにいらっしゃるかたも多いので、ちょっと、少なめかもしれません)
 それでも、悩むという方は、法クラインフルエンサーのはっしーさんが毎年更新されている法クラツイッターのフォロー数増減リストを参考にされるといいかもしれません。おそらく、今年も更新いただけるものと思います。

5.ワークフローとクラウドサイン

 一人法務となり、多くの書面の承認者になったのですが、これはタイミングが功を奏したとしか言えませんが、社内の志のあるメンバーのおかげで、多くの帳票がワークフロー化(電子化)され、そもそも机の上があれだった(ここは、いろいろツールの導入でだいぶ改善されましたが。。。)私は、かなり助かりました。よく言う電子化のメリットに紛失防止があげられますが、他人事ではないと本当に思います。
 加えて、一人法務にとっては、ふりさきがないという意味で、タスク管理が非常に重要ですが、電子化されることで、タスク化し、管理しやすくなったと思います。
 (コロナ禍の影響は大きいですが)クラウドサインを導入して2年目に差し掛かり、社内にだいぶクラウドサインが浸透していたことも、上記と同様の理由で、かなり助かりました。法律上電子化できない契約が多いということもあり、まだまだ、クラウドサインで締結できている契約は多くはないですが、ファッション業界に多い個人事業主との契約は、ほぼクラウドサインに一本化できており、契約書のPDF化といった、まさに作業を削減できている点も、有益です。なお、クラウドサイン以外の契約書のPDFどりや件名つけなどは、障がい者雇用促進法にもとづき、雇用しているメンバーにも協力して頂いています。障害をお持ちということで、ITツールに強く、とてもスムーズに一部移管させていただきました。
 いい機会なのです、少しクラウドサインについて、触れておきますが、私は、法クラの中でも、クラウドサインや以降の項目であげるBLLについて、言及する投稿が多いと思います。回し者かと思われるほどに(笑)
 中の方達を少なからず存じ上げているということもありますが、本当に素晴らしいサービスだと思っているということと、特にクラウドサインにいえることですが、本当に1社でも導入企業が増えたり導入を検討してくれる企業が増えれば、そのような会社が契約相手先になった時に我々サイドの説明のコストが下がると思っているからです。社内では、普通名称化しつつある(笑)くらい浸透していますが、まだまだ、うちの業界では、導入している企業は少ないと思いますので、少しでも浸透してくれれば、きっと、双方に良いはずと考えている次第ですので、今後も、私は、#クラウドサイン と呟くと思います(笑)

6.ビジネスロイヤーズライブラリー

 一人法務の情報不足については、先に触れまししたが、一人法務は、基本的に社内で法律情報を取得しているのは、自分のみという、非常にリスキーな状況です。それなりな期間のキャリアをもつ法務担当者は、あらかた自分の得意不得意が知識の強弱については、把握していると思うので、書籍については、適当な蔵書をもっていたり、会社に蔵書がある場合が多いと思うのですが、あくまで、自分バイアスがかかっていますし(ちょっと当社特有の事情もあるかもしれません)、「あれ、これってなんだっけ」とまさに知識ゼロ情報ゼロな事案とであうこともしばしば。大きく反省しました。
 そんなときに、(もともと導入はしていたのですが)ビジネスロイヤーズライブラリーには、複数の雑誌や様々なジャンルの本が掲載されていて、自分による選り好みがありません。それでいて、一定の水準の情報に触れることができ、一人法務が、会社から求められやすい、オールラウンダーな働き方としては、非常に戦力になってくれています。
 初期は、正直にいって持て余してたと思うこともあったのですが、一人になり、より欠かせないツールになっています。

7.アカデミック活動

 最後に、アカデミックな活動です。私で言えば、知財学会にもう何年も所属をしており、定期的に研究会に参加、開催しています。先に書いた通り、一人法務はオールラウンダーであることが求められ、幅広い知識を求められ、また、弁護士との協働も多いと思いますので、なかなか、特定の分野に尖る機会を失いがちです。そのような機会として、アカデミックな活動は、私にとって、非常に有用でした。私の場合は、知財法や、広くファッションローの分野は、尖らないけない分野と認識していおり、この分野について、半強制的に、負荷を変えられる場面として、アカデミック活動を位置付けています。正直、プライベートが犠牲になる場合もあるのですが、ここはいわゆる「がんばりどころ」ということなのかもしれません。また、多くの専門家と立場を超えて、フラットに議論できる場というのも、成長に寄与するなと感じています。
  誤解を生まないようにいうと、「学会活動」が必ずしもよいわけではなく、ようは、出稽古したほうが良いよと思っている次第です。kanekoさんも書いていましたが、勉強会の開催でもいいと思います。外の刺激に触れるということが肝要だと思っているということです。ちなみに、私自身、今、上記の研究会とは別に、こじんまりとした勉強会をもっていますが、こちらもとてもいい刺激を受けています。

8.おわりに

 だらだと長く書いてしまいましたが(まだまだあるのですが)、本当にこれらのおかげで、挫けず年末を迎えらえ、去年と同じように、このnoteをかけていることに、感謝しております。この忙しい中、何を血迷ったか、週末にはもう一本、知財アドベントカレンダー で、ファッションロー関連のことを書こうと思っていますので、ご興味ある方は、ご覧頂けると嬉しいです。あと、いろいろ思い付きで、書き途中ものがあるので、アドベントカレンダーが落ち着いたころ、投稿できたらいいなと思っています(ちょっと、暗い内容のものもあり、今回、投稿するのが憚られたり。。。)
 さて、次は、飛ぶ鳥を落とす勢いの 大井哲也 弁護士 にバトンを渡したいと思います!


 




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