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【のほほんオーストラリア滞在日誌】ブリスベン釣り特訓の巻②【QLDの釣りの規則について】


 野生の王国かと思われたオーストラリアだが、野生の王国だからといって簡単に釣れるとは限らないということらしい・・・・・・。


 戦略も必要になってくるし、事前の情報収集は必要になってくる。
 ただぼんやりと釣竿片手に釣りに行って、釣れた魚を持って帰ってくるだけで多額の罰金を課されることもある。魚によって持って帰ることのできる、魚のサイズや数が法的に決められているのだ。

 クインズランド(QLD)州の2023年時点でのレギュレーション等も踏まえて、ブリスベンでの釣りに関する話をしてみたい。
(今回はお堅いお話だけど、悪しからず)


 オーストラリア釣り日誌の前回の記事になります。良かったら是非。

QLD州の釣りアプリとルールについて

 QLD州では海釣りに関してはライセンスは必要ないが、ちょっとした魚の知識と法律で決められた持ち帰りサイズと数を知っておく必要がある。もちろん分からないなら、隣で釣りしてるオージーのおっちゃんに聞けば、教えてもらえたりする。
 違反すると多額の罰金が課される場合があるので、注意が必要。こういうのはバレる時にはバレるものだから、ちゃんと確認したほうが身のためだ。
 個人的には釣りをするのも面倒臭いなと思うよりはむしろ、ニュージーランドやオーストラリアの水産資源の保護は力を入れているものだなと感心する。出羽守になるつもりはないけど、日本ってその辺の意識が弱い。小魚でもなんでもすぐに持ち帰って食べちゃうおじさんとかいるし、日本で釣りをしていると如実に魚の数が減っていることを意識してしまうことが多い。東京湾のマアナゴとかアイナメとか。

 実はQLD州には釣り用のアプリがあったりするから、わざわざ法律を覚える必要もない。

 このアプリを見れば、持ち帰りのサイズや数などを把握することができるし、魚種が分からないなら撮った魚の写真をアプリの検索にかければどの魚なのかある程度同定することができる。(精度は高くないけど・・・)

オーストラリアで釣れる魚種とレギュレーション

 南国のオーストラリアのサーフや桟橋から釣れる代表的な魚は、意外と日本でも馴染みのある魚が多い。オーストラリアでの岸での釣りでターゲットになる魚種を雑に列挙してみる。

①シロギス(Whiting)

 日本でも言わずと知れた、天ぷらの美味しい大衆魚。捌くの簡単だし、どこでも釣れる、ファミリーフィッシングの強い味方。
 一口でシロギスと言っても、オーストラリアには4種類くらい生息していて、日本で釣れるキスよりもだいぶサイズは大きい。オーストラリアの南の方には、最大で70センチほどにもなる、特大ギスも生息している。・・・がそれはQLDでは釣れないはず。
 QLDで釣れる代表的なキスのサイズリミットは23cm。日本ではそれなりに大きいキスでも、オーストラリアでは持ち帰れないことがままある。それなりに大きいサイズの釣り針を使わないとちっこいキスが釣れまくってしまうので、面倒臭い。持って帰れる数は20匹まで。

綺麗な魚体

 餌はスーパーで売ってる冷凍エビだとかチキンだとか、割となんでも食いついてくる。日本のキスより獰猛な印象。オーストラリアのキスは平気でルアーに食いついてくる。

お前、やるな…


 刺身にしたり、皮ごと湯引きにして食べても美味い。

②コチ(Flathead)

 マゴチもオーストラリアの砂地に多く生息している、メジャーなターゲットの一つ。日本でも美味い魚として知られているけど、オーストラリア人も好んで食べる。
 個人的に狙って釣りをしているのだけど、どうしても釣れない魚でもある。どうしてなんだろう?薄造りにして食べたいんだけど・・・。
 オーストラリアにはコチ系の魚も何種類か生息しているが、サイズリミットは大体40cm〜75cm。75cm以上の大きすぎるコチも持ち帰り不可。コチはメスの方が大きくなる魚なので、大きすぎるコチは抱卵している可能性があるからだと思う。
 ただ種類によってリミットサイズが違うので、QLD州のサイトとかアプリを確認すべし。持って帰れる数は5匹まで。

ちっせ

③クロダイ(Bream)

チビ

 日本でも言わずと知れた、釣り人たちのアイドル。警戒心が強いからゲーム性は高いし、引きは強いし、何よりフォルムがマダイそっくりで、釣れるとこれが釣りってことだよなと思わせる立派なフォルムの魚。チヌとか言われたりする。
 もっとも釣り人たちにとってはアイドルだけど、海苔だとかの漁業被害が深刻らしく、なんでも食う悪食だから、東京湾奥で釣れた黒ずんだクロダイなんかはとても食えたもんじゃない。川にも溯上するから、匂いのある個体もいる。立派な魚体でいかにも美味しそうなのに、釣り人でも食べるために持って帰る人はそれほどいない印象。
 だけど、それはあくまで日本での話。

 ブリスベンでも、餌釣りでもルアーでもよく食いついてくる。オーストラリアのクロダイにも何種類かいて、日本でもキビレと呼ばれるヒレの黄色いクロダイがよく釣れる。餌はエビでもチキンでもなんでも釣れる。
 サイズリミットは25cm。持ち帰りは30匹まで。

 アクアパッツアにして食べたのだけど、美味かった。リミットサイズ以上のクロダイは釣れると嬉しい魚の一つである。

④ヒラアジ系(Trevally)

 南方系のヒラアジ系の魚もまたよく釣れる。空を飛ぶ海鳥をも食べるというGT(Giant Trevally)を釣り上げることを夢にまで見る釣り人も多いことだろう。個人的にはそこまで大きいアジはいらないけど・・・。ブリスベンの桟橋からでは日本ではメッキと呼ばれる、だいたい30センチくらいの小型のヒラアジがよく釣れるらしい。個人的に刺身にちょうどいいよなと思うサイズである。まだ釣り上げたことはない。GTなど夢のまた夢である。
 ケアンズの桟橋で生き餌でGTを釣り上げている人は見たことある。多分ブリスベンの桟橋からでも釣ろうと思えば、釣れるのだろう。
 TrevallyのサイズリミットはQLDでは基本的に設けられていないが、もしかするとサイズリミットが設けられている種類もいるのかも知れない。基本的にはQLDのアプリかなんかで確認すべし。
 持ち帰りは20匹まで。

⑤バラマンディ(Barramundi)

 オーストラリア北部に生息する、オージーとは縁深いスズキ科の大型の魚。たぶんブリスベンでは釣れない。QLD北部のケアンズとかだと、日本で言うシーバスと同じくらい、メジャーなメインターゲットである。
 日本のシーバス(スズキ)と似た見た目をしているが、体高がずっと高い。一目でこれは日本にはいない魚だなと分かる見た目。かっこいい魚だし、美味い魚である。フィッシュ&チップスとかにも使われる。ケアンズでは、「バラ」とか略されて呼ばれてた。
 大きさは最大で2mほどになるらしいが、サイズリミットは58cm〜120cmまで。コチと同様、大きすぎても持ち帰ってはいけない。持ち帰りは一人につき5匹まで。一ボートにつき10匹まで。

⑥マングローブジャック(Mangrove Jack)

 和名はゴマフエダイ。日本でも沖縄とかでは釣れる魚。オーストラリアの北部や中部ではメジャーなメインターゲットだが、ブリスベンだとけっこうレアな魚。
 引きが強いらしく、顔は悪人顔。釣り上げると、体が真っ赤に変わる。味もかなり美味いらしい。美味いと聞くと釣り上げてみたくなるのが人情。ただ岩場だとかに生息している魚らしいので、初心者が釣ろうとすると根掛かりは必至。いつか釣ってみたい魚ではあるのだけど・・・。
 大きさは最大で70cmほどになるらしい。サイズリミットは35cm以上。持ち帰りは5匹まで。

⑦イカ(Squid)

 オーストラリアではどこでもけっこう釣れるっぽい。種類はアオリイカが多いらしい。夜行性なので夜釣りが基本。初心者が夜釣りをしたところでろくなことにはならなさそうと敬遠しているのだけど、いずれ釣らなくてはと思っている。もちろん味は美味しいらしい。いいなあ。
 オーストラリアでもイカはエギというイカ専用のルアーで釣るのが基本。秋になると産卵のために浅瀬に入ってくるらしい。
 サイズリミットはなし。持ち帰りは50匹まで。

⑧マダイ(Snapper)

 オーストラリアでもマダイは釣れる。こちらのマダイはゴウシュウマダイと呼ばれ、オーストラリアのマダイは頭部がたんこぶでもできたみたいに盛り上がる。なんでだろうね?
 まあ、美味いことには変わりないから、こまけえことはいいんだ。
 ブリスベンでもマダイは桟橋から釣れる。けど、だいたいちっちゃい。ワームを使った釣りでも、適当にチキンとかエビとかくっつけて投げるだけで釣れる時は釣れる。
 サイズリミットは35cm。持ち帰りは一人4匹まで。

⑨テイラー(Taior)

 これもオーストラリアのほぼ全域に生息する、こっちではメジャーな魚。和名はアミキリと呼ばれ、鋭い歯で網を噛み切ってしまうことが名前の由来だそう。とにかく日本ではあまりメジャーな魚ではない。どんな食味かもよく分からないけど、食べてみれば、ああなるほどと納得させられる魚なのだろう。一度食べてみたいものだ。
 サイズリミットは35cm。持ち帰りは20匹まで。

⑩サワラ(Mackerel)

 日本でももちろん人気のある魚。釣り味も良ければ、食味もいい。誰もが分かっていることだ。サワラの西京焼きは美味い。
 サワラも防波堤から釣れるが、サイズリミットが大体75cmくらいでややしんどい。種類によってサイズリミットも持ち帰りも違うので州のサイトかアプリを確認すべし。

 他には大ニベとかもターゲットにする人はいる。
 マグロだとかを本格的に狙う人もいるらしいけど、巨大魚狙う釣り人は大体ボート出して釣りをすると思うし、少なくとも自分の通っているブリスベンの堤防には超大物狙いの人はそんなにいない印象。(いないわけじゃない。)

ルールに気をつけて楽しい釣りを

 オーストラリアでは釣れる魚は多いし、フィッシング天国と言って過言ではないと思うけど、むやみやたらに食料調達できるわけではないので注意が必要。
 今回はそんな注意喚起というか、説明みたいなものでこの記事を締めたいと思う。それにしても、美味い魚が食いたい・・・。

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