『ヒミズ』映画感想
おまけの人生。そのフレーズがずっと心に残っており、この度ある弾みによって視聴した。個人的には男子版の溺れるナイフのように感じた。青少年の、どうにもならない叫びがたっぷり描かれている。表現こそ過激だが、実際、笑っていられない現実が、そこにある。普段見ようとしない、見ることのない様々な姿が描かれている。大人であっても、あんな環境は耐えられない、逃げるなりなんなり、対策を講じるところであるが、青少年には、難しい。どうにもならないのだ。ただ苦しい。けれど、朝は降る。生きとしいけるものには朝が訪れる。勝手にやってくる。だから、せめて、生まれてきてくれてありがとうと伝えられるだけ伝えたいな、と思った。大切な人を目一杯大切にしようと思えた。
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私自身もある事故を契機に、おまけの人生と称して生きていた。だから、表現は過激で、共有できない体験はたくさんあれど、気持ちは同じだと思った。腐って、苦しくて、ダメになる自分がどうしようもなく辛くて、だけどどうしたらいいのかわからない。ただただ、暴力的にすぎていく時間の中で、自分と向き合うことしかできなくて、、、そんな感じが、私にもあって。
けれど、私はあるとき、死ぬために生きるにではなく、生きるために生きようと決めてみた。そう思う瞬間がきたからだ。本当にふとした瞬間に。生活の中に訪れてきたのだ。(無論、様々な、紆余曲折を経て
だから、もうこの映画は私には必要ないのかも知れないと、そんな風にも少し思う。
でも、なのか、だからこそ、なのか、それでも、この映画は観れて良かったと思った。精神エネルギーはかなり減ったけれど笑
おかげで私は今ゆらゆら帝国のめまいを聞いているよ。
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傷ついて傷ついて、最大の屈辱を受けて、自分が自分でなくなって。
理想はただただ遠のいて。消したくても消えない過去がずっとついて回って。なんで私がって。散々思っていたなぁ。
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事実は消せない。けれど解釈は変わる。過去なんて、記憶なんて、案外適当だということが今はわかる。人間は、相当、面倒くさがりなのかも知れないね。
おまけの人生がおまけでなくなる瞬間が来るということだ。ソースは俺だ。
私が私でなくなる時。今までの宝物を全て喪失した時。それ以降の人生はおまけ。死ぬに死ねないし。だからおまけを生きることを余儀なくされる。
でも誰かがいてくれたりするんだよな。
大変なら、誰かに会いにいくしかない。
友達。
友達を作りにいくんだ。
街へ行ってみようよ。
ダメなら、別のところへ。
良さそうな、ところへ。
一人でいることは、毒である。
一人で考えていても、あまりよくならない。
大変な時は、本当によくならないものだ。
だから友達に会いにいくんだ。
ダメな自分で良い。
ダメだからこそ良いのかも知れない。
それでいいんだ。
ダメでOK。
ダメな自分に胸を張れ。
ダメな自分を愛せバカタレ。
さすれば夜明けじゃ、と今は思うよ。
そこから始まるんだ。
ロンリーな自分を愛して。
たまに一人でいて、たまにみんなといて。
笑って喧嘩して、傷つけあったりもして。
それでも、手を離さない。
そう、生きてみせよう。
そう生きるよ私は。
ヒラケ!ミライ!
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なんだか過去の自分に話しているようだ
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