ニュージーランドはオミクロンに敗北する日も近いかもしれない

今回の記事はそこかしこに私の主観的なことが書かれている。

今から2年ほどさかのぼる2020年、ジャシンダ・アーダーン首相はコロナの拡散を防ぐためにロックダウンを敢行した。

ロックダウン最初の数日は違法という政府としてのタブー(そして彼女にとってはできてしかるべきこと)を冒してまで実施したことで感染者はこの国からはほとんどいなくなったことになった。

いなくなったことになったというのは、本当にこの国に感染者がいないということを信じている人はあまりいなかったからだ。いや、信じていたかもしれない。彼らは政府の言うことを疑うということが徹底的にできないように教育されているからだ。

国内のコロナウィルスの存在などみじんも感じさせない日常を送りつつも国境管理設備では日々感染者が入国してきていたし、PCR検査は必ずしも感染者を見つけないものであるからだ。

そのため、たまに感染者が見つかってはレベル3ロックダウンになるということは起きていた。

感染者が見つかるタイミングは政府にとっていつもなんとなく都合のいい時期、たとえば、国民のロックダウンに気が緩んでいるタイミングであったりしたため、なんともタイミングのいい感染者発見だと感じていた。

その後デルタ株という変異種が発見された。

ニュージーランドは国境管理が異常なレベルで厳格であるためデルタ株が入り込むなどということはないだろうと思っていたのだが、なぜかこのタイミングでタスマンバブルというオーストラリアとの間では検疫なしでの入国を認めるというわけのわからないことをした。

これは一種の外圧であろうと私は感じていたが、ジャシンダ・アーダーンにとってはおいしいことこの上ない提案だ。なぜならデルタ株を輸入することで国民統制を強めることができるからだ。

案の定オーストラリアから来た観光客の中にデルタ株感染者がウェリントンで見つかったが、政府はこれを何日も情報公開せずに放置し、2週間弱程度たってからコロマンデル地方で感染者が見つかるまではロックダウンすらしなかった。

ニュージーランドでは大都市間は恐ろしく断絶されているため、ウェリントンからコロマンデルに感染が伝播するということは考えにくい。そのためニュースでも貿易港の職員が感染したらしいといっていたが、話半分にしか聞かないことにしている。

ニュージーランド政府はなぜか感染者第一号が見つかってもあまり真剣に取り合わないという性質があるが、これも個人的には感染者が増えるのを待っていると思っている。

最終的にデルタ株の感染者が増えたことで再度のロックダウンに突入した。

その後ジャシンダ・アーダーンはロックダウンのルールや構造を朝令暮改で弄繰り回すようになった。

先ず、レベル3ロックダウンからトラフィック・ライトに変更し、今のロックダウンレベルが誰にもわからなくなった。レベルを政府も明確にしないままほったらかしているため移民局も再開できていない。

一旦黄色信号になったがオミクロンの侵入に伴い赤信号に戻したが、その赤信号をさらに3フェーズに分けることにした。

だがこの3フェーズは感染レベルによって国民統制を厳しくするものではなく、逆に感染者が増大していくことを前提にしていくものであったため、もはやゼロコロナなどというものはこの国には存在しない。

初めてのロックダウンに成功したときジャシンダ・アーダーンは、コロナウィルスなんていつでも倒せる、位の強気な態度をとっていたが、なぜかいちいち変異種を輸入しては感染を広めてロックダウンをするという手段に打って出ていた。

ジャシンダ・アーダーンの対コロナ作戦はデルタウィルスの侵入と共に旗色がおかしくなってきた。

同時に始まったのは執拗なまでのワクチン接種キャンペーンだ。

ニュージーランドはなぜかファイザー製のワクチンしか購入していないということは有名な話だ。初回のワクチンについては世界中で争奪戦になったためわからなくもないが、今回もファイザー製のワクチンのみ購入している。

前回の時にワクチンほしさで何らかの契約をした可能性があるが政府はこれを公開したりはしない。

ニュージーランドで積極的に報道されないものの一つが、コロナに対する薬の話だ。ファイザーや塩野義製薬が作っている錠剤についてなぜかほとんど話をしないか、してもものすごい小声でありワクチン接種キャンペーンの大騒音の前に瞬く間にかき消される。

国民の大半は政府の言うことに従ってワクチンを接種した。ブースター接種などもきちんという事を聞いて接種し、副反応などで大変な目にあいながらも国家に対する忠誠心を表明し続けたようだが、オミクロン株の侵入に伴い感染者が毎日1万人を超えるようになった。

1万人を超えてから増加がペースダウンしているが、おそらく検査機関がボトルネックになりこれ以上の数の感染者を計上できなくなりつつあるといわれている。

ジャシンダ・アーダーンがこの状況をどうにかしようとするようには見えない。下手をすれば国民の努力によって感染者の増大を食い止めているとか言い出すかもしれない。

ニュージーランドにいる在留邦人の中には日本との人口比で日本だったら毎日数十万人の感染者が出ているというようなことうぃう人もいるが、そんなことはないだろう。

ニュージーランドはワクチンさえ打てばこれで安心だ、ワクチンパスさえあればこれまでの自由な生活に戻ることができるとひたすらプロパガンダを流し続けたが、これが全くの嘘だった、ということでしかない。

ワクチンを打とうが打つまいがかかるやつはかかる、というだけのことでしかないたった一つのシンプルな真実をひた隠しにしたため、人々はワクチンを打ったのに感染したと困惑している。

政府はワクチンが感染を防ぐか、という質問について「そういう可能性もある」などと後でいくらでも逃げられることだけしっかりと書いているあたりに彼らの頭の良さがにじみ出るが、ひたすら宣伝を流してワクチンさえ打てば安心だという印象をつけたという事実は消えない。

しかし、マスコミはこの点を全く批判したりはしないのも本当に不思議でならない。マスコミ自ら政府のスピーカーなので訂正記事など出せないというのは当然といえば当然だが、こうやってすっとぼけるマスコミすら信じられなくなっていく。

マスコミはコロナに感染して入院して大変な目にあった人々の記事は大量に流したが、普通に感染して普通に回復した人の記事は決して書かない。これも本当に不思議なことだ。

最近では私の身の周りでも感染者が増えてきている。これは毎日1万人以上の感染者が出るようになったからだ。

もはやワクチンを打とうが打つまいが感染という点では何の意味もないことは国民にばれた。

入院患者も増えてきており、ワクチンが果たして症状の悪化を防ぐことができるのか、ということも今後は試されることになるが、これはオミクロン株という変異種だから仕方ないという逃げを打つのは目に見えている。

おそらくジャシンダはこれまで無視し続け、挑発し続けてきた議会前のデモ隊を何か話すかもしれない。

あなた方の熱意はわかった、ワクチン義務は解除する、今後はあなた方の選択にゆだねる、私はニュージーランドを、ここに住む善良な市民を信じているから!

などなんとなく感動できるが実質何も言っていないと同じことを言って支持率確保に走るかもしれない。

そのための伏線が突如デモ隊の中に現れたウィンストン・ピータースかもしれない。

デモ隊を無視し続けたという状況をウィンストン・ピータースの顔に免じて、元副首相であり一度は代行でありながら首相の立場を経験した人の言う事なら聞くかもしれない。

だがもはやそれすら作為的に感じる。

ニュージーランドは初期型、デルタ株に対してはうまいこと逃げ続けられたが、結局オミクロン株が侵入してもこれまで通りのアプローチで対策仕様とすらしなかったがゆえにニュージーランドのコロナの状況を最悪な状態にした。

オミクロンの蔓延に伴ってブースターショットを推進し始めたが、これも意味があるかはわからない。また、これまでにワクチンを打ってつらい副反応を経験した人たちからしたら、もう一度やりたいかといわれたらなかなかやりにくいのも理解できる。

そういうわけでニュージーランドに来ることはお勧めしない。

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