ニュージーランドのトンガに対する対応の話

先週土曜日にトンガの近くにあるフンガ・トンガ・フンガという火山島が大噴火を起こし、その衝撃波は遠く日本にまで到達した。

噴火の強度を表すVEIは6ということで、もう少し強ければいわゆる破局噴火と呼ばれる威力のものになったというすさまじいものだが、トンガの情報は今もってもたらされておらず、現地が今どうなっているのかは国連が提供したいくつかの衛星写真からのみうかがい知ることができる。

写真だけでは実際にどのような被害が出たかを知ることが難しいが、かなりの影響を受けていることは確かなように見える。

ニュージーランドにはトンガ人が多く住んでおり、彼等もまた故郷の家族を心配し、つらい日々を過ごしている。

ニュージーランドは実はトンガをはじめとしてパシフィック系の国と様々な協定を結んでおり、基本的には彼らの兄貴分のような立場をとっている。

せいぜいガキ大将レベルだが、パシフィック系諸国からは頼りにされている。

この関係は第一次世界大戦までさかのぼるらしい。

この噴火の影響がニュージーランドに何か起きているのかというと、北部に津波が押し寄せはしたが、それだけだった。

今後火山灰や酸性雨などがもたらされる可能性はあるが、今のところはこれらはオーストラリアのほうに流れていっているようだ。

ニュージーランドヘラルドもほとんど情報を掲載しておらず、何か新しい情報が来たようには見えず、日本のほうが積極的に報道しているように見える。

ニュージーランド空軍は現在トンガに向かっており、その活動報告はこちらで見ることができる。

初回の偵察は着陸をすることなく、実際に行って救援活動ができるのかを確認するにとどまる。

この偵察飛行によって滑走路などが安全に着陸できるようであれば、別の飛行機で救援物資を届ける手はずになっており、同時に船での救援も並行で準備が行われている。

この偵察機が撮影したトンガの写真は一枚のみであり、火山灰で灰色になったトンガの景色が写されている。このほかは救援物資を運ぶ人、オペレーターとなぜか飛行機の尾翼が移されている。これには何かしらの意味があるのだろうか、よくわからない。

こちらの記事によれば、滑走路の安全性が確認できなかったことにより、結局支援物資は船での運搬となり、到着まで三日かかるらしい。

このような大災害とタイミングを一にしてニュージーランドでは子供へのワクチン接種が新たに開始されているのだが、この件と紐づけて話すことはあまりにも無粋に過ぎるためしない。もともと予定された接種の開始に噴火が重なっただけだからだ。

今回の噴火によってトンガは通信が断絶されており、外部からその内部を知ることがほぼ不可能になっている。そのためニュージーランドのトンガ人たちは眠れない日々を過ごしている。

なぜトンガの通信が断絶されているのか、それは噴火によって海底ケーブルがダメージを受けたからだ。

このケーブルの修理には2週間以上かかるようだが、このような大噴火をした場所で安全に作業ができるかという問題も当然ある。

トンガ国内では電力や携帯電話が一部復旧し始めてはいるが、この状況で水道水を飲むことができなくなっている。また、火山灰などで呼吸器への影響も懸念されている。

トンガの近くにある先進国ですぐに動ける国は、ニュージーランドとオーストラリアのため、この二か国が率先して救援に向かっているという状況だが、この調子ならば現地の情報がわかるのは今週の後半くらいになるだろう。

変な話だが、ニュージーランド空軍が飛行機で行って近くからドローンを飛ばして救援物資を届けたり、ひとまずの通信回線を確保するということはできないのだろうか、という気持ちもなくはない。

そういわけでニュージーランドは早急にトンガの方々を救いに行くべきだと思う。

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