ニュージーランドの同性婚について、ジェニーシップリーについても書く
ニュージーランドという国は良くも悪くもガチガチなキリスト教の国だ。以前の記事で「同性愛や異性愛者であってもアブノーマルな性交をするカップル」が「キリスト教的ではない」という理由で「有罪になった」という時代があったからだ。
今の人々は移民の比率が高まりすぎているせいか、そういった宗教からも自由になった国、というように認識しており、イースターなんかには店舗を閉めなくてはならないのがなんとなく「ニュージーランド的で面白い」という感じで見ているかもしれないが、これこそが以下にこの国が今もガチガチなキリスト教の国であろうとしているのかという証左でもある。
たまにイスラム圏では同性愛者は死刑になるという問題があるという話があったが、ニュージーランドも実はそういう時期があって、今はそうじゃないから批判しているというご都合主義的なポイントも見逃すべきではないのだが、そういったキリスト教的な国が徐々にキリスト教的ではなくなっていったのはいつだろうか。
ニュージーランドでは上記記事のようにクリスマス、グッドフライデー、ANZACデー、そしてイースターサンデーには店舗を閉めなくてはならないという決まりがある(とはいえ一切合切閉まるという意味ではない、念の為)。
法律の条文は以下に確認することができる。
今でこそこのようになっているが、かつては週に1.5日の休みが法律によって強制されていたことがある。
それがShop and Shop-assistants Act 1892という法律だ。この法律では、週の中で一日半日の休み(破ると罰金になる)と言うものが設定されていた。これは商店に対する法律だ。
https://teara.govt.nz/en/food-shops/page-7
この記事によれは毎週日曜日も休みになっており、これは慣習的に水曜日か土曜日であったようだ。また、先程の法律によって従業員は毎日14時間までの労働が許可されていたことから毎週47〜52時間の労働時間になっており、1904年に店舗は午後6時に閉店することと週に一日だけ夜九時までの営業が許可された。
その後1900年代半ばに至るまでに徐々に営業時間についての自由が認められていくこととなった。
1945年になるとこのように緩められていったルールが一気に厳しくなった。このときに週に営業していい時間が40時間に決められ、土曜日は閉店が義務付けられた。
1980年に土曜日の開店が認められ、日曜日の開店が1990年に認められ、このときに24時間毎日営業が認められた。
ところで、この土日に休業であるとかというような奇妙なルールがなぜ決められたのか、その理由をキリスト教に求めればすぐに符合する(あっているかはしらない)。
まず、日曜日は礼拝日だ、そして土曜日は安息日だ。とはいえ、宗派によって異なるし、キリスト教では日曜日が安息日で教会に行く日のようなので、ニュージーランドのキリスト教の宗派がそういうものだった可能性はある。
いずれにしても、1990年になるまで日曜日に店を開けてはならないというルールがやっと撤廃されるくらいにはガチガチのキリスト教社会だった、ということだ。
そんなキリスト教がガチガチだったことが想像に難くない1999年にゲイ・パレードに参加した人がいる、それがジェニー・シップリーだ。
彼女はニュージーランド初の女性首相であり、1999年にヘレン・クラークによって首相の座を奪われるが、彼女は党内クーデターによって首相の座を勝ち取ったというある意味ヘレン・クラーク以上の豪傑と言ってもいいだろう。
https://nzhistory.govt.nz/people/jenny-shipley
彼女のことはこちらの記事に書かれている。
ニュージーランドには歴史上3人の女性首相がいる。初の女性首相はこのジェニー・シップリー、二人目がヘレン・クラーク、そして三人目がジャシンダ・アーダーンだ。
残念ながらこの歴史はなかったことにはならない。
今でこそやたらとちやほやされるジャシンダ・アーダンだが、個人的にはこのシップリーからヘレンの流れがニュージーランドにおける女性政治家の黄金期だったのではないかと思っている。
この三人を比べるとわかるが、シップリー、ヘレンの二人はもう顔つきが決まりきっている。ジャシンダ・アーダーンのようなどこか牧歌的というかお花畑的な感じは全くしない。
このシップリーで特筆すべき点は、ナショナルパーティーの一員でありながら、1999年にヒーローパレード、いわゆるゲイ・パレードに参加したことだ。
これまでの同性婚の歴史を見ればわかるが、この手の問題に反対の立場をとっていたのはナショナルだ。そんな政党のメンバーが率先して参加してしまうのだからもうどのくらい強い人なんかは想像もつかない。
日本の政治家もこのくらいの豪胆さは見習ったほうがいいかもしれない。
いずれにしてもこういう全体的な流れの中で以下にニュージーランドで同性婚が認められたのかの流れを見ることは日本にとっても参考になる可能性は高いが、どうしても一足飛びにゴールに行こうとしているせいか話が揉めに揉めているようだ。
この記事は書きかけのまま放置しすぎてもうよくわからなくなったのでこのへんで終わることにする。
そういうわけでニュージーランドに来ることはおすすめしない。
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