ニュージーランドのコロナ対策がもう意味不明

ニュージーランドはデルタ株が出るまではうまいことコロナウィルスから逃げ続けていたが、とうとうオミクロン株の前に感染者数を抑えることができなくなった。

今では毎日数百から千人くらいの感染者が出ている。

今後は5万人だか50万人くらいの感染者は覚悟すべきという試算もある。この数字もおそらく政府が受け入れられる最大の数字になっているのだろう。今予防接種を受けていない人がこのくらい、彼らの中からこの程度の割合で感染者が出たと考えないと政府には都合が悪いからだ。

予想される感染者数の数がワクチンを接種した人にまで食い込んでしまうと白状という名の説明をしなくてはならないからだ。

この手の記事は視界の片隅に出てあっという間に消えてしまう。こういう記事こそ重要だと思うのだがそうではないようだ。

国民のなかでワクチン接種をする資格がある人の90%超が接種を完了したが、予防接種可能な年齢を子供態にまで広げたと単に接種率の上がり方も鈍くなった。

ここにはいくつかの理由があると思っている。

まず、親として子供にこの予防接種を打たせていいものか、という警戒感のようなもの

次に、子供に予防接種をすることの意味を感じない人、これは子供はコロナに感染してもまず大ごとにならないという情報があるからだろう。

最大の理由は忙しすぎてそれどころではないというものだと思っている。

ニュージーランドの大人たちは忙しすぎて家族の面倒を見ることができない。自分の予防接種は死活問題なのでやるが、子供の予防接種にまで手が回らないというのが正直なところだろう。

それでもブースター接種を完了した人の割合は現在では40%を超えているため、それなりの割合の人々が予防接種を完了しているのだが、感染拡大が止まらない。

あなたのすぐそばにいる人を守ろう、コロナウィルスに備えよう、そんなプロパガンダで予防接種をひたすらに推進した政府が絶対に言わないことの一つが予防接種を打とうが打つまいが感染するときはする、というものだ。

家族を守ろうとかコロナウィルスに備えようとか戦時中のプロパガンダのようなことをひたすらにばらまくがこれらの言葉の意味するところはいまだによく分からない。

ニュージーランドにいる人々はこれだけ予防接種が広まっているのに何でこんなに勢いよく感染者が増えているのかに首をかしげていないかもしれない。いい子だからだ。

ニュージーランドの予防接種率はこちらで見ることができるが、数字がリニアに増えないのは理解できるが政府の重要な発表があるらしいときは急にぐっと増えたりピタッと止まったりするので、正直眉唾だなと私は思っているが、少なくともこれだけの割合の人はやったのだなということはわかる。もっといるかもしれないが、これより少ないことはさすがにないだろう程度にはまだ少しだけ信用しているからだ。

オミクロン株の侵入という絶好の在庫処分のチャンスを見つけた政府はブースター接種のために開けるべき期間を一か月へらして一気に在庫処分をすることにした。

アメリカでは肥満の基準となるBMIを上げることで肥満患者を一気に減らしたことがあるが、ニュージーランドではワクチン接種の間隔を狭めることでワクチン接種可能な人数を一気に増やすことにしたようだが、なぜ減らしていいのかは誰も説明していない。

しかしそれでも止まらないのがオミクロンの感染者だ。

増え続ける感染者という情報を受けてニュージーランドはフェーズ2に移行することにした。

4段階の感染警戒レベルに3段階の信号システムに3段階のフェーズシステム、いったい今レベルいくつかを知っている人はいるのだろうか?警戒レベルの現在地すらわからないが、我らが首相ジャシンダ・アーダーンは警戒レベルを朝令暮改でいじりまくっている。

もっと言うならば、赤信号から抜けられない社会をどこまで緩和するかということに頭を使った結果フェーズというナイスアイデア(笑)を見出したのだろう。

移民局の業務が再開していないらしいところを見ると、レベル2ではないことは間違いないように見えるが、そもそも誰もレベルのことを気にしなくなった。

レベル2になれば再開するといっていた移民局が再開しないのは、今がレベル3なのではなく、誰一人として今がレベル2であるといわないからだ。

今はどうやら赤信号のフェーズ2らしい。レベルは3か2だが誰も何も言っていない。政府でも言わない。行ったが最後移民局は放置し続けた永住権の処理をしなくてはならなくなるからだ。

オークションコントで1円とかで刻んできりがないというものを見るがこれを政府が現実に実践する日が来るとは思っていなかった。

最近私はニュージーランド・ヘラルドを政府の御用マスコミというようになった。政府の単なるスピーカー+アジテーションしかしないからだ。

私を含めた多くの人はもうこの感染対処に関して飽きてきているだろうと思うが、ヘラルド社は今日もまじめにフェーズ2について説明している。大してわかりやすくもないが。

大してわかりやすくないのは政府の行ったことをそのまま書いているからだ。

ニュージーランドへのオミクロン株の侵入は、他国に比べてずいぶん遅かった。これは厳しい国境管理をしており、また、感染者がいるらしいという噂がたっても政府が発表しなかったからだ。

これはデルタ株についても同じことが言える。

デルタ株に感染した人がニュージーランドにいたことが発覚したのだから、もうその時すでに感染した人はいたと思ったほうがいいだろう。だが政府は発表をしないことでデルタ株の感染者数を0に抑えることに成功した。

政府の言うことを頭から信じ切れるニュージーランド人はデルタ株に感染した人はいないと政府が言えばこの国にいないと信じるからだ。そんな油断しきった人々が感染していないはずがないと考えるのが自然だ。

ニュージーランドではデルタ株の感染者が出てから発表するまで1週間程度時間を空けた。しっかりと感染が拡大してからの発表になったがヘラルド社は特に批判をした記事を上げていない。もしくは上げたかもしれないがあっという間にどこかに流れ去ってしまったのだろう。

オミクロンについても、オミクロンに感染したDJがルール違反で自主隔離を勝手に中断してライブを敢行したが、これによる感染者の有無は発表されていない。

いると考えたほうが自然だと思うがどうやら彼から感染した人はいないようだ。

政府も特に何の罰則も適用しないというこの素晴らしい待遇はいったいなぜ起きたのか。毅然と対応するといった政府は毅然と対応しないことにした。

ヘラルド社のニュースを読んでいるといつも不思議なことが起きる。

ニュージーランドにはデルタ株もオミクロン株も「いつの間にかいた」という感じになるからだ。

いつの間にかいるわけはない。

オミクロン株がタスマン海を渡ってくるなど聞いたことがない。

そんなヘラルド社は先ほども書いたが、ワクチン接種と感染するかどうかの関係について全く書かない。ここまでワクチン接種が進んでいるのに何でこんなに感染者が増えているのかを書かない。

これは政府が「ワクチンを打ったかどうかと感染するかどうかはあまり関係ない」ということを言わないからだ。政府はそんなこと言うなとは絶対に言わない。情報を出さないだけだ。マスコミは政府が出した情報だけを書く。

これは日本の記者クラブのようなものがニュージーランドにもあるからだ。ここから追い出されてしまえばマスコミは情報源を失うことになる。

感染するかしないかというと言い過ぎかもしれないので言い直すと、PCR検査で陽性になるかどうかとはあまり関係がないということだ。

ワクチンはもしかしたら感染を防ぐかもしれないが、これを明言した政府の文書にいまだに当たったことがないので、つまり感染を防ぐかどうかは全くの未知数という事だろう。結果だけ見れば感染は防いだといえるほどではないようにも見える。

だが、ニュージーランド人にこのことを言えば接種率は一気に下がって国はファイザーへの支払いで大損するかもしれない。発行した国債のどのくらいの割合がファイザーへの支払いに充てられたかは知らないが、国民の将来の収入を担保に発行した国債が単にファイザーにお金を上げて終わるくらいならとにかくひたすらキャンペーンという名のプロパガンダを連発して在庫処分すれば将来的な追及に耐えることもできる。

そういうわけでニュージーランドに来ることはお勧めしない。

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