ニュージーランドでデルタ株発見という書きかけの記事があったので加筆して公開する

先日ニュージーランドでデルタ株の感染者が見つかったというのを記事で書こうと思っていたのだが下書きのままほっぽらかしていたらロックダウンになってしまったので、せっかくなので書き足したうえで公開する。

ここから書きかけだった部分

ニュージーランドというと、コロナ対策がとてもうまくいっている国、という印象があり、世界中の惨状はさておき、ニュージーランドでは人々は日常を謳歌していると思われている。

だが、別にコロナの脅威が去ったというわけでは全くなく、今も入国者の隔離施設では日々コロナ感染者が見つかっている。

そんなわけなのでニュージーランドでもデルタ株の感染者が見つかっているようで、もしもデルタ株の市中感染が見つかれば再度レベル4ロックダウンを実施するということが明言された。

こんなにも重大なアナウンスに首相がいないことも驚きだ。きっと今は移民問題で忙しいのか、結婚式の準備でそれどころではないのかはわからないしどうでもいいが、レベル4ロックダウンはかなりの厳しさを伴う。

レベル4ロックダウンは、人々は不要不急の外出が禁止される、友人と会うことも禁止される。そのため人々はすさまじいストレスにさらされることになり、家庭内暴力なども増加する。

日本では何が不要不急化は個々人が決めるとか変なことを言う政治家がいたが、ニュージーランドの不要不急は、開いている店に行くときだけ許される。そして開いている店は政府によって許可された店だけだ。すなわち、スーパーマーケットや病院、薬局といったところだ。

後は自宅の周りを散歩が限界だ。

そしてさらに問題なのは、仮に今回ロックダウンをして国民がしたがうのか、だ。ニュージーランド人は政府に対してとても従順に従うので、おそらくうまくいくことだろう。

---

ここまで書きかけだったのだが、日本のニュースなどを見ていると「さすがはニュージーランドの首相はリーダーシップが半端ない!今回もこの判断力はさすが!」と大絶賛している声が散見され、私はこれを見てため息が出る。

なぜなら、ニュージーランドはすでに入国者の管理を異常なレベルで厳しくしているからだ。事実上の鎖国状態であり、市民権や永住権を持つ人か、Googleの社長くらいしか入国はできないし、入国時点でコロナのテストを行おうが行うまいが2週間の隔離施設滞在を経て初めて国内に出ることができる。

ニュージーランドでもたまに入国者の中に感染者がおり、その人数もカウントされているが大騒ぎになっていないのはこういう理由だ。きちんとコロナの対応をしてから人々を野に放つということをずっとやっている。

つまり、本来であればデルタ株などというもの(しかもオーストラリア由来)が国内で見つかるということはありえないはずなのだ。ニュージーランド国内で独自に進化したらデルタ株だった、はまだあるかもしれないが、今回はオーストラリア由来であると確定しているので、この話は当たらない。

ジャシンダ・アーダーンは今回も世界中から褒められでもしているのかもしれないが、彼女は「すでに諸外国から学んでいる、チャンスは一度きりだ」というまたぞろ耳に心地の良いスピーチで人々を感動させたが、そもそもこんなチャンスに挑む必要すらなかったはずだ、ということに気付いているだろうか?

オーストラリア由来のウィルスがなんで入り込んだのか、理由はいくつかあるだろう。

隔離施設でも一度も検出されることなくすり抜けた、というのは考えにくい。どちらかというと、感染者が隔離施設をすり抜けた、と考えたほうがしっくりくる。

というのも、オーストラリアとニュージーランドの間ではタスマンバブルという両国間の人々の移動についてのみ自主隔離なしでの渡航を許可しようというものがあるからだ。そして我らがジャシンダ・アーダーンはこれに対して毅然とNOということができないで毎回オーストラリアに押し切られてYESといってはオーストラリアでロックダウンになってキャンセルするを繰り返している。

そもそもこのタスマンバブルというアイデアも本当に意味が分からない。オーストラリアからのコロナウィルス侵入を許すリスクをなぜとるのか。

こんなタスマンバブルなどというすぐに弾ける泡の話はどうでもよく、今回のこのデルタ株の侵入がなぜ許されたのかというと、港だ。港においての貨物の受け渡しにリスクがあったということでもある。

空港は徹底的、かつ、厳重に管理するが、港は緩かったということだ。荷受けの際も船員から現地の作業員に渡すという過程の中でどのようにコミュニケーションを取らせたのかということを見直しているのだろうか。

ニュージーランドは、食料自給率こそ高いものの他はほとんど輸入に頼った国なので、この貿易のインターフェースをキチンとガードしなかった。

ジャシンダ・アーダーン首相はこういった自国と外国のインターフェース管理が甘かったがゆえにコロナを広めてしまった諸外国に学ばないで、コロナの侵入を防げた一度きりのチャンスを逃してしまった代わりに、デルタ株の市中感染でのレベル4ロックダウンというたった一度のチャンスに挑むことになっているので、この辺はいったい何をおふざけ遊ばれているんですかという感じでもある。

予防接種の接種率を問題にしていたが、今回のデルタ株では予防接種をすでに受けたナースも感染していたので、正直な話予防接種したから大丈夫という話ではない。

少し調べれば予防接種は感染を予防するのではなく、重症化を予防するものだという記事が散見されるので、そういう事だろうが、それを政府が捻じ曲げているようにも見えるのは甚だ遺憾だ。

そういうわけでニュージーランドに来ることはお勧めしない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?